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「犬(いぬ・イヌ)」を含む ことわざ
平成30年(2018)の干支(えと)

1. 馬の労 ( けんばのろう )

 主君または他人のために、力を尽くして奔走すること。 他人に対して自分の労苦をへりくだって言う言葉。
 【参考】 「主人のために犬馬の労を惜しまない」と使う。

2. も朋輩鷹も朋輩 ( いぬもほうばいたかもほうばい )

 同じ主人に仕える以上、身分に違いはあっても、仲良くしていく義務があるということ。 会社の同僚などについていう語。

3. も歩けば棒に当たる ( いぬもあるけばぼうにあたる )

 犬もうろつき歩くから、棒で打たれるような目に遭うことになる。 じっとしていればよいものを、出しゃばると思いがけない目に遭うという意。 後には、出歩いているうちには、思いがけない幸運にぶつかることもある、という意味にも使われる。

4. 馬の歯 ( けんばのよわい )

 自分の年齢をへりくだっていう語。犬や馬のようにむだな年齢を重ねるという意味。
 【参考】 「歯」は「齢」と同じ。

5. 兎の争い ( けんとのあらそい )

 両者が争って弱り、第三者に利益をとられること。 犬が兎を追いかけ、山を上ったりしているうちにどちらも疲れて死んだのを、 農夫が自分のものにしたという寓話から。

6. 馬の心 ( けんばのこころ )

 主君や親のために尽くす忠誠心をいう。

7. 馬の養い ( けんばのやしない )

 親を養うのに、犬や牛馬に食物を与えて養うのと同じように、 ただ口腹を満たすだけで敬愛の念のないことをいう。

8. に論語 ( いぬにろんご )

 ありがたみのわからないこと。 わけのわからないものにどんなよい教え、立派な道を説いてもいっこうに感じないこと。
 【類句】 馬の耳に念仏

9. が西向きゃ尾は東 ( いぬがにしむきゃおはひがし )

 わかりきったこと、当たり前のことをいう場合のたとえ。
 【類句】 雨の降る日は天気が悪い

10. 一代に狸一匹 ( いぬいちだいにたぬきいっぴき )

 よいチャンスにはなかなか出会えないたとえ。 犬の一生に狸のような大きな獲物をとるのは一度くらいだ。

11. 骨折って鷹の餌食 ( いぬほねおってたかのえじき )

 犬が苦労して追い出した獲物を鷹に取られる。 苦労して手に入れかけたものを他人に奪われてしまうたとえ。

12. は三日飼えば三年恩を忘れぬ
   ( いぬはみっかかえばさんねんおんをわすれぬ )

 犬は三日飼っただけでも、三年間その恩を忘れない。 まして人は恩知らずであってはいけない、という意味。

13. の糞で敵を討つ ( いぬのふんでてきをうつ )

 卑劣な手段で仕返しをすることをいう。

14. 蜀日に吠ゆ ( しょっけんひにほゆ )

 見識の狭い人が賢人のすぐれた言行を怪しみ疑って非難するたとえ。 蜀(しょく)は山地で雨が多いので日を見ることが少なく、たまに太陽を見ると犬が怪しんで吠えたという。

15. 一虚に吠え万これに和す ( いっけんきょにほえばんけんこれにわす )

 一匹の犬が何かの影を見てほえると、あたりのたくさんの犬が、その声につられてほえたてる、ということから、 誰かがいい加減なことを言い出すと、多くの人がよく確かめずにそれを言いふらす、ことをいう。
 【参考】 「一犬影に吠ゆれば百犬声に吠ゆ」「一犬虚に吠ゆれば万犬実を伝う」ともいう。

16. 捨てに握り飯 ( すていぬににぎりめし )

 骨を折るだけで無駄なことのたとえ。 握り飯は犬の好物であるが、捨てた犬にやってもただ急いで食べて逃げて行ってしまうだけである。

2. 飼いに手を噛まれる ( かいいぬにてをかまれる )

 目をかけていた部下や世話をしてやった相手に裏切られ、思わぬ害を受けること。
 【例】 「後継者として面倒を見ていたのにライバル会社に移籍するなんて、飼い犬に手を噛まれるとはこのことだ」

18. 殿のには喰われ損 ( とののいぬにはくわれぞん )

 勢いの強い者やったことは、たとえ道理にはずれていることであっても泣き寝入りするしかない、という意味。

19. 煩悩のは追えども去らず ( ぼんのうのいぬはおえどもさらず )

 欲望が人につきまとって離れないのを、犬が人にまといつくのにたとえた語。

20. 嫁と姑と猿 ( よめとしゅうといぬとさる )

 きわめて仲の悪いことをいう。
 【類句】 犬猿の仲

21. 吠えるにけしかける ( ほえるいぬにけしかける )

 勢いの強い者に、さらに勢いをそえることのたとえ。

22. 吠ゆるは打たるる ( ほゆるいぬはうたるる )

 じゃれつく犬は打たれないが、ほえつく犬は打たれる。 つまり人間でも、したってくる者はかわいがられるが、手向かう者はにくまれるということ。

23. 尾を振るは叩かれず ( おをふるいぬはたたかれず )

 従順な者には、誰もひどいことをしない、という意味。
 【参考】 「尾を振る犬は打たれず」ともいう。
 【類句】 杖の下に回る犬は打てぬ

24. 噛み合うは呼び難し ( かみあういぬはよびがたし )

 けんかしている犬はいくら呼んでも来ないように、自分のことで夢中になっている人は、 他から何を言われても耳には全く入らないこと。

25. 兎を見てを放つ ( うさぎをみていぬをはなつ )

 ウサギを見つけてから犬を放して追わせても遅くはない。 失敗してから気がついてやり直しても、決して遅すぎるということはない。
 【参考】 「兎を見て犬をかえりみる未だ晩しとせず」ともいう。

26. 闇がりのの糞 ( くらがりのいぬのくそ )

 闇がりでは犬の糞は見えないことから、人の気付かない失敗は知らんふりをする、という意味。

27. 飢えたるは棒を恐れず ( うえたるいぬはぼうをおそれず )

 飢えている犬は人に叩かれることも恐れないで食物に近づくように、 人間も食うためには法をおかすようなこともある。よい政治が必要である、ということ。

28. 垣堅くして入らず ( かきかたくしていぬいらず )

 家庭内が正しく治まっていれば、それを乱すようなことは外部から入ってくることはない。

29. 所で吠えるはない ( ところでほえるいぬはない )

 どんな意気地のない者でも自分の縄張りでは強そうに振る舞う、という意味。

30. 夫婦喧嘩はも食わぬ ( ふうふげんかはいぬもくわぬ )

 夫婦喧嘩は、内輪のつまらない争いで、すぐ仲直りするものだから、 他人がなまじ気を使って仲裁などをするほどのことはない。何でもよく食う犬でさえ、 見向きもしないのだから放っておくほうがよい、という意味。

31. 食うだけならでも食う ( くうだけならいぬでもくう )

 ただ食って生きているというだけなら、犬だってしている。 それでは人間としての価値がない。

32. 杖の下に回るは打てぬ ( つえのしたにまわるいぬはうてぬ )

 懐いていてすがってくるものには、むごい仕打ちはできない、という意味。
 【類句】 尾を振る犬は叩かれず / 袖の下に回る子は打たれぬ

33. わが門で吠えぬなし ( わがかどでほえぬいぬなし )

 どんなに弱い者でも、自分の屋敷内ではいばるものである。

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