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「あ」からはじまる ことわざ 6

151. 危ない橋を渡る ( あぶないはしをわたる )

 目的を達成するために、あえて危険な手段を用いる。 特に、危険を覚悟の上で違法になるようなことをすること。
 【例】 「私は慎重派なので、危ない橋を渡るようなことはしたくない」

152. 虻蜂取らず ( あぶはちとらず )

 アブと蜂を同時に捕らえようとして、どちらも取り逃がす、ということから、あまり欲張ると、かえって何一つ得られなくなること。
 【例】 「彼女は秘書検定と英語検定の勉強をしているが、虻蜂取らずになるかもしれない」
 【類句】 二兎を追う者は一兎をも得ず

153. 油紙に火が付いたよう ( あぶらがみにひがついたよう )

 べらべらとよくしゃべり続ける様子。
 【例】 「毎日のように話しているのに、会うといつも油紙に火がついたようなる」

154. 脂に画き氷に鏤む ( あぶらにえがきこおりにちりばむ )

 苦労してもそのかいがないこと。骨折り損。いくら心をこめて脂肪の上に絵を描き、 氷に彫刻しても、やがてあとかたもなく消えうせてしまうところから。
 【類句】 氷に鏤め水に描く

155. 油をもって油煙を落とす ( あぶらをもってゆえんをおとす )

 同種のものをうまく使って効果をあげること。

156. 阿呆の三杯汁 ( あほうのさんばいじる )

 汁のおかわりは二杯までで、三杯目からはばかといわれる。 うまくておかわりをもらうときに、自分からこう言って予防線を張るときに用いる。

157. 甘い酢では行かぬ ( あまいすではいかぬ )

 普通の手段では効き目がない。なまやさしいことではいけない。 いわゆる食えない奴、ということ。  【参考】 「一筋縄ではいかぬ」と同じ意。

158. 甘い物に蟻がつく ( あまいものにありがつく )

 うまい話や、利益のあるところに人が寄り集まってくることのたとえ。
 【類句】 蟻の甘きにつくが如し

159. 雨だれ石を穿つ ( あまだれいしをうがつ )

 軒から落ちる雨垂れも、長い間には石に穴をあけることができる。力は足りなくても、 根気よくこつこつと何度も繰り返してやれば、最後には成功するということ。
 【参考】 「点滴石を穿つ」ともいう。

160. 雨垂れは三途の川 ( あまだれはさんずのかわ )

 家の軒先から一歩出ればどんな危険が待ち構えているかわからないということ。 雨垂れの落ちる軒があの世とこの世の境だから、家を出たら用心せよとの教え。

161. 余り茶に福あり ( あまりちゃにふくあり )

 余り茶は使い残した茶。人の取り残したものに思わぬ福があるということ。 あまり先を争うものではないとの教えの感もある。
 【参考】 「余り物に福がある」ともいう。

162. 余り円きはまろび易し ( あまりまろきはまろびやすし )

 おとなしいのはよいが、あまりおとなしすぎてはいけない。 少しはきりっとしたところがないと失敗する。

163. 阿弥陀も銭で光る ( あみだもぜにでひかる )

 仏の御利益もお布施の金の多少に左右される。 すべて金の世の中であると、金銭の威力の大きなことのたとえ。

164. 網呑舟の魚を漏らす ( あみどんしゅうのうおをもらす )

 法律は、大罪人を取り逃がすことがあるたとえ。 舟を飲み込むような大きな魚は、網を飛び越えて逃げ出す。 大悪人は、なかなか法律の網にかからない、という意味。
 【参考】 呑舟の魚

165. 網にかかった魚 ( あみにかかったうお )

 いくらもがいても逃げ出せないことのたとえ。

166. 網無うて淵をのぞくな ( あみのうてふちをのぞくな )

 網を持たないで、魚をとるために淵に行ってもむだである。 準備・用意なしに事をはじめてもむだで、結果だけを得ようとする不心得を戒めた言葉。

167. 網の目に風たまらず ( あみのめにかぜたまらず )

 網を張っても風の防ぎにはならない。 いくらつぎこんでも漏れる所があればたまらないこと。

168. 網の目に風とまる ( あみのめにかぜとまる )

 あるはずがないことのたとえ。 ありえないことでもまれにはあるということ。

169. 蛙鳴蝉噪 ( あめいせんそう )

 くだらない連中ががやがやと騒ぐことを、蛙や蝉の騒がしい鳴き声のようだといった語。 つまらない議論や文章をあざけっていう語。

170. 黄牛に突かれる ( あめうしにつかれる )

 温順な牛に突かれる。油断して失敗することをいう。

171. 雨が降ろうと槍が降ろうと ( あめがふろうとやりがふろうと )

 どんなことが起こっても一度決心した以上はそれを敢行しようとする様子。
 【参考】 「雨が降っても槍が降っても」ともいう。
 【例】 「楽しみにしていた行事なので、雨が降ろうと槍が降ろうと参加するぞ」

172. 雨塊を破らず ( あめつちくれをやぶらず )

 世の中が太平であること。太平な世には雨も静かに降って、 土のかたまりをこわさず草木を培養する、という意味。
 【類句】 吹く風枝を鳴らさず

173. 雨の降る日は天気が悪い ( あめのふるひはてんきがわるい )

 当たり前のことをいうときに使われる言葉。
 【類句】 犬が西向きゃ尾は東

174. 雨霽れて傘を忘れる ( あめはれてかさをわすれる )

 困難が過ぎると、その時に受けた恩義を忘れてしまう。 受けた恩を忘れることは早い、ということ。
 【類句】 暑さ忘れれば陰忘れる

175. 雨降って地固まる ( あめふってじかたまる )

 雨が降ったことによって地盤が締まり、土地が固くなる。 ごたごたが起こったことによって、かえってあとが安定した状態となってうまく行く、という意味。

176. 雨を冒し韮を剪る ( あめをおかしにらをきる )

 友情の厚いことのたとえ。 後漢の郭林宗のところに、ある夜はげしい雨の中を友人が訪れて来た。 林宗は喜んで、雨の中をおかして韮を切り、餅をつくって歓待したという故事。

177. 危うきこと虎の尾を踏むが若し
   ( あやうきこととらのおをふむがごとし )

 虎の尾を踏んだら大変。非常に危険なことのたとえ。

178. 危うきこと累卵の如し ( あやうきことるいらんのごとし )

 非常に危険な状態にあるたとえ。累卵は卵を積み重ねること。 高く積み重ねた卵は、いつ崩れるかわからず、きわめて不安定であるということから。

179. 過ちては改むるに憚ることなかれ
   ( あやまちはあらたむるにはばかることなかれ )

 過失を犯したとわかったら、ためらわずにすぐに改めよ、ということ。

180. 過ちは好む所にあり ( あやまちはこのむところにあり )

 人は不得手なことは注意してやるが、好きな事や得意な事は油断し易いので失敗しがちだ。

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