151. 親子は一世 ( おやこはいっせ )
		
			 親子の関係は、この世代だけに限られるものである。
			 【参考】 「親子は一世、夫婦は二世、主従は三世」と使う。
		
		152. 親と月夜はいつもよい ( おやとつきよはいつもよい )
		
			 親の側にいる時と月の明るい暁とは、安らかな心で過ごすことができて、いいものだ。
		
		153. 親に似ぬ子は鬼子 ( おやににぬこはおにご )
		
			 親に似ない子は鬼の子だ。そのくらい子は親に似るものだ、という意味。
		
		154. 親に目なし ( おやにめなし )
		
			 我が子かわいさのあまり、子の欠点や誤りがわからない。
			何か子供が事件を起こすと「うちの子に限って・・・」が、それである。
		
		155. 親の甘茶が毒になる ( おやのあまちゃがどくになる )
		
			 子をあまやかして育てるのは、子の将来を毒するものである。
		
		156. 親の意見と茄子の花は千に一つもむだはない 
   ( おやのいけんとなすびのはなはせんにひとつもむだはない )
		
			 茄子にはむだ花がなく、花が咲くと必ず実がなるように、親が子にする意見には決してむだがない。
			 【類句】 冷や酒と親の意見は後できく
		 
		157. 親の因果が子に報いる ( おやのいんががこにむくいる )
		
			 親の行なった悪い行為の結果が、その子に災いをもたらす。
			子には何の罪もないのに、親の悪事の犠牲になるのだから、悪事をしないようにとの戒め。
		
		158. 親の恩は子で送る ( おやのおんはこでおくる )
		
			 親には恩返しできなくても、我が子を立派に育てることによって親に恩返しをすることをいう。
		
		159. 親の恩より義理の恩 ( おやのおんよりぎりのおん )
		
			 生みの親の恩より育ての親の恩が重い。
			また、親の恩より、恩義を受けた人に報いる方が先である、という意味にも使う。
		
		160. 親の心子知らず ( おやのこころこしらず )
		
			 子のためを思ってあれこれ心を砕く親の気持ちを、肝心の子供は全く分らずに勝手なことをするものだ、という意味。
			 【例】 「親の心子知らずで、勉強の息抜きにと買ってあげたゲームを、ろくに勉強もせずにしている」
		
		
		161. 親の十七子は知らぬ ( おやのじゅうしちこはしらぬ )
		
			 親の若い頃のことは子は知らないので、適当にうまいことを言っても子供にはわからない、という意味。
		
		162. 親の脛囓る息子の歯の白さ 
   ( おやのすねかじるむすこのはのしろさ )
		
			 生長しても独立できず親のおかげで生活している子が、
			かえって人一倍身なりをきれいにして遊んでいることを皮肉った川柳。
		
		163. 親の七光り ( おやのななひかり )
		
			 親の威光が子に及ぶ意で、本人はそれほど実力がないのに、親が偉いということで世間で重んじられること。
			 【参考】 略して、「七光り」とも。「親の光は七とこ照らす」ともいう。
			 【類句】 親の光は七光り
		
		164. 親の欲目 ( おやのよくめ )
		
			 親は自分の子供のことになると愛情に引かれて公平な見方ができなくなり、実際以上にいい評価をしてしまうこと。
			 【例】 「親の欲目と言われるかもしれないが、この子は野球の才能がある」
		
		165. 親は苦労、子は楽、孫は乞食 
   ( おやはくろう、こはらく、まごはこじき )
		
			 親が苦労して財産をつくり、子は遊んでむだ遣いをし、孫の代は落ちぶれて乞食をするという、世の中の相。
		
		166. 親は千里を行くとも子を忘れず 
   ( おやはせんりをゆくともこをわすれず )
		
			 親はどんなに遠く子と離れていても、絶えず我が子のことを案じている。不孝の子でも思っている。
		
		167. 親はなくとも子は育つ ( おやはなくともこはそだつ )
		
			 親は死んでも、残った子はどうにか育っていく。
			世の中のことはそれほど心配したものではない、という意味。
		
		168. 親馬鹿子馬鹿 ( おやばかこばか )
		
			 親は子の愛におぼれて子の馬鹿なのを知らず、子は親の愛になれて、馬鹿なことをする。
			第三者から見れば、親も馬鹿なら子も馬鹿である、という意味。
		
		169. お山の大将俺一人 ( おやまのたいしょうおれひとり )
		
			 この小さい山を支配する大将は俺一人だ。
			小さな集団、またはくだらない仲間の中で偉がって一人いい気になっている人間や、
			小さな成功で得意になっている人を軽蔑していう。
		
		170. 泳ぎ上手は川で死ぬ ( およぎじょうずはかわでしぬ )
		
			 自分の得意とする才能や技量のために、かえって身を滅ぼすことがある。
			得意なことについては油断しがちであることをいう。
		
		
		171. 及ばざるは過ぎたるに勝れり ( およばざるはすぎたるにまされり )
		
			 不足なくらいのほうが、やり過ぎるよりは悔いがない。
			 【参考】 徳川家康の遺訓
		
		172. 及ばざるはそしる ( およばざるはそしる )
		
			 劣っている者は、相手をねたんでよく悪口をいうものである。
		
		173. 及ばぬ鯉の滝登り ( およばぬこいのたきのぼり )
		
			 多く鯉を恋にかけて、かなう望みのない恋についていう。
			また、いくら望んでも、とても目的を達する見込みのないことをいう。
		
		174. 愚か者に福あり ( おろかものにふくあり )
		
			 愚か者は野心を抱かず平凡に暮らすので、人に憎まれたり怨まれたるすることもなく、
			かえって幸福に一生を送ることができる。
		
		175. 終わりよければ総べてよし ( おわりよければすべてよし )
		
			 物事は終わり(仕上げ)が肝要で、最後(できばえ)がよければ、
			途中のぐあいの悪かったことや、苦しかったことなどは消し飛んでしまう。
			 【参考】 All's well that ends well. の訳語。
		 
		176. 終わりを慎むこと始めの如くんば敗るる事無し 
   ( おわりをつつしむことはじめのごとくんばやぶるることなし )
		
			 何事でも事が成就しようとするまぎわに、心がゆるんで失敗するものであるから、
			終わりまで事を始めたときと同じように、慎重な態度でやれば失敗することはない。
		
		177. 尾を途中に曳く ( おをとちゅうにひく )
		
			 どんなに貧しくても故郷で安らかに暮らすのがよいという意。
			荘子が楚の王から仕官を求められたときに、「亀は殺されて占いの用にたてられて神聖視されるよりも、
			泥の中で尾を引きずって生きている方がよいというように、役人になって自由を束縛されるよりも、
			むしろ貧賤(ひんせん)でも故郷で安らかに暮らしたほうがよい」と言って断った故事による。「塗」は泥のこと。
		
		178. 尾を振る犬は叩かれず ( おをふるいぬはたたかれず )
		
			 従順な者には、誰もひどいことをしない、という意味。
			 【参考】 「尾を振る犬は打たれず」ともいう。
			 【類句】 杖の下に回る犬は打てぬ
		 
		179. 温故知新 ( おんこちしん )
		
			 古いことを調べ尋ねて、そこから新しい見解・知識を得る。
			古典や伝統の中から、新しい価値や意義を再発見すること。
		
		180. 温セイ定省 ( おんせいていせい )
		
			 心をこめて父母に仕え、孝養を尽くす心がけをいう。
			「セイ」は涼しいの意味、「清」とは別字。
			 【参考】 「セイ」は「淸」の「さんずい」を「にすい」したものだが、シフトJISで定義されていないため、ここではカタカタ表記。