181. 百尺竿頭一歩を進む ( ひゃくしゃくかんとういっぽをすすむ )
		
			 工夫をこらした上に更に工夫を加える。登りつめた百尺もある竿の上にあって、更にもう一歩進める。
			高い頂上を極めても、それに満足しないで更に一歩上る。前進の上に前進を図る。
		
		182. 百川海に朝す ( ひゃくせんうみにちょうす )
		
			 すべての川が海に流れ込むように、もうけのあるところには多くの人が寄り集ってくる。
			「朝す」とは、参内(さんだい)する。朝貢(ちょうこう)する。また川が海に流れ込むこと。
		
		183. 百戦百勝は善の善なる者に非ず 
   ( ひゃくせんひゃくしょうはぜんのぜんなるものにあらず )
		
			 百戦して百勝する必勝は悪くはないが、しかしその反面、多くの人命を失うので、国家安泰の良策とは思われない。
			損害なしに敵を屈服させるのが最上というのである。
		
		184. 百足の足は死して僵れず ( ひゃくそくのあしはししてたおれず )
		
			 むかでは足がたくさんあるから、死んでもひっくりかえらないということで、
			支持する者や助ける者が多いものはなかなか滅びないことのたとえ。
		
		185. 百日の説法屁一つ ( ひゃくにちのせっぽうへひとつ )
		
			 百日間の厳粛な説教が、説教者の漏らした一つのおならでぶちこわしになる。
			長い間の苦心が、わずかなしくじりでだめになってしまう、という意味。
			 【類句】 九仞の功を一簣に虧く
		 
		186. 百日の労一日の楽 ( ひゃくにちのろういちにちのらく )
		
			 働くばかりが能ではなく、時には休むのがよいということ。
		
		187. 百になるまでは十代 ( ひゃくになるまではじゅうだい )
		
			 老人が、自分はまだ若いぞとからいばりする言葉。
		
		188. 百人を殺さねば良医になれぬ 
   ( ひゃくにんころさねばりょういになれぬ )
		
			 医者は患者を扱うことによって、腕をみがくものだということ。
		
		189. 百年河清を俟つ ( ひゃくねんかせいをまつ )
		
			 いくら望んでも実現できないたとえ。
			いつも濁っている黄河の水の澄むのを、待ち望んでいても不可能である、という意味。
			 【参考】 「河清を俟つ」ともいう。
		
		190. 百年の歓楽も一日にみつる 
   ( ひゃくねんのかんらくもいちにちにみつる )
		
			 百年もの永い歓楽でも、たった一日で尽きてしまうということで、栄枯盛衰、世のならいをいったもの。
		
		
		191. 百年論定まる ( ひゃくねんろんさだまる )
		
			 人物や業績は、死後長い年月がたって、ようやく評価が定まるものである。
		
		192. 百聞は一見にしかず ( ひゃくぶんはいっけんにしかず )
		
			 人の話を何度も聞くよりも、一度実際に自分の目で見たほうがよい、という意味。
			 【例】 「ここで説明するより、百聞は一見にしかずで、見に行けばわかるよ」
		
		193. 百里来た道は百里帰る ( ひゃくりきたみちはひゃくりかえる )
		
			 行きが百里ならば帰りも百里あるのは当然のことで、自分のした事にはそれ相応の報いが必ずあるものである。
		
		194. 百里の道は九十里が半 ( ひゃくりのみちはくじゅうりがなかば )
		
			 百里の道を行こうとする者は、九十里行ってやっと半分まで来たと考えよ。何事も完成に近づくと気がゆるみ失敗しやすいから、
			九分どおり済んだあたりを半分と心得て努力せよ、という意味。
			 【参考】 「百里を行く者は九十里を半ばとす」ともいう。
		
		195. 百家争鳴 ( ひゃっかそうめい )
		
			 いろいろな立場の学者や文化人が、自由に意見を出し合い論争するさまをいう。
		
		196. 百貫の鷹も放さねば知れぬ 
   ( ひゃっかんのたかもはなさねばしれぬ )
		
			 高い金を払って買った鷹も、鳥をとらせてみなければ、働きがあるのかないのかわからない。
		
		197. 冷板で足を焼く ( ひやいたであしをやく )
		
			 あるはずのない事が起こることもあるということ。
		
		198. 冷や酒と親の意見は後できく 
   ( ひやざけとおやのいけんはあとできく )
		
			 冷や酒は初めは酔わないが、後でゆっくり酔いがまわる。
			親の意見もその当座はうるさく思うが、後になってから成る程と思い当たるものである。
		
		199. 冷飯から湯気が立つ ( ひやめしからゆげがたつ )
		
			 実際にありようがないことのたとえ。
		
		200. 平仄が合わぬ ( ひょうそくがあわぬ )
		
			 つじつまが合わないこと。
			漢詩を作るには、字の配置に音声の上から一定の規則があり、それに合わないと調子が外れるから。
		
		
		201. 氷炭相愛す ( ひょうたんあいあいす )
		
			 全然性質の違う者どうしが愛し合うこと。性質がちがうからこそ引かれるのかもしれない。
		
		202. 氷炭相容れず ( ひょうたんあいいれず )
		
			 互いに反対で、調和・一致しない。氷と炭火とは性質が違うから、一つ所に置くことができない、という意味。
		
		203. 瓢箪から駒 ( ひょうたんからこま )
		
			 瓢箪の中から本物の馬が飛び出す。意外なところから意外な事物が現れる。
			実際には考えられないことから、思いがけない結果が生ずることをいう。
		
		204. 瓢箪鯰 ( ひょうたんなまず )
		
			 丸い瓢箪で鯰をつかまえようとすることから、のらりくらりしてつかまえどころがないたとえ。
			また、さっぱり要領を得ないことをいう。
			 【参考】 「瓢箪で鯰を押さえる」ともいう。
		
		205. 瓢箪に釣り鐘 ( ひょうたんにつりがね )
		
			 大小・軽重などが比較にならないほどひどく違うことのたとえ。
			 【類句】 提灯に釣り鐘
		 
		206. 瓢箪の川流れ ( ひょうたんのかわながれ )
		
			 うきうきして、落ち着きのないようすをいう。軽薄な態度のたとえ。
		
		207. 氷炭は言わずして冷熱の質自ずから明らかなり 
   ( ひょうたんはいわずしてれいねつのしつおのずからあきらかなり )
		
			 なんにもことばに出して言わなくても、だれでもが氷は冷たく、炭火は熱いぐらいわかっている。
			つまり、人の心も誠実であるかないかぐらいは一目見ればわかるということ。
		
		208. 豹は死して皮を留め人は死して名を残す 
   ( ひょうはししてかわをとどめひとはししてなをのこす )
		
			 人は死後に名誉・功績を残すべきである、というたとえ。
			豹が死んで美しい皮を残すように、人は死後に美名を残さなくてはならない、という意味。
		
		209. 屏風と商人は直ぐには立たぬ 
   ( びょうぶとあきんどはすぐにはたたぬ )
		
			 屏風は折り曲げないと倒れてしまうように、商人も正しいばかりではなく、客の意を迎えるために自分の気持ちを曲げなければならない。
			 【類句】 人と屏風は直ぐには立たず
		 
		210. 比翼連理 ( ひよくれんり )
		
			 男女の相思相愛の仲をいう。また、夫婦の情愛の深いことのたとえ。「比翼の鳥と連理の枝」のこと。
			「比翼の鳥」は、雌雄が目と翼が一つずつしかなく、常に一体となって飛ぶ鳥、
			「連理の枝」は、根元は別々の二本の木の枝が、途中でくっついて、木目が連なった木。
			 【参考】 相愛の男女を一緒に葬った墓を「比翼塚(ひよくづか)」という。