121. 人は言わぬが我れ言うな ( ひとはいわぬがわれいうな )
秘密のことは絶対にしゃべってはいけない。自分の口を封ずることが大切である。
122. 人は生まれながらにして知る者にあらず
( ひとはうまれながらにしてしるものにあらず )
人は生まれながらに智能があるわけではない。
教育によってのみ、智徳をみがくことができるのである。
123. 人は落目が大事 ( ひとはおちめがだいじ )
人間は、おちぶれかかったときが最も大事で、ここで頑張らないとついにはどん底へ落ちでしまう。
友人たる者は落ちぶれた時にこそ援助や同情をよせるべきである。
124. 人は陰が大事 ( ひとはかげがだいじ )
人はだれも見ていない所でこそ行いを慎むべきである。
125. 人は故郷を離れて貴し ( ひとはこきょうをはなれてたっとし )
故郷の人たちは、その生まれや、生立ちなどを知っているので、たとえ立派に出世しても、たいしてえらいとは思わない。
126. 人は心が百貫目 ( ひとはこころがひゃっかんめ )
人はその姿や容貌の美しいよりも心の美しいのが尊いのである。
127. 人は十歳木は一丈 ( ひとはじゅっさいきはいちじょう )
人は十歳くらいになればその子の将来がだいたいわかるものでる。
木でも一丈(約3メートル)にもなれば、これからどんなに伸びるか見当がつく。
128. 人は筋目が恥しい ( ひとはすじめがはずかしい )
血統というものは大事で、そのよしあしは、なにかにつけてあらわれる。
先祖をうらむわけではないが、血統の悪いのをかくそうとする者は、自分の血統の悪いのを、かえりみてはずかしくなる。
129. 人は善悪の友による ( ひとはぜんあくのともによる )
人は交友の善悪によって、人柄がよくも悪くもなる、ということ。
【類句】 朱に交われば赤くなる / 水は方円の器に随う
130. 人は足るを知らざるを苦しむ ( ひとはたるをしらざるをくるしむ )
人間はこれで満足だということがなく、次から次へと欲望の生ずる困ったもの。
131. 人は情の下で立つ ( ひとはなさけのしたでたつ )
人の世というものは情でもっている。血も涙もないような人になってはならない。
132. 人は盗人火は焼亡 ( ひとはぬすびとひはしょうぼう )
人を見たら盗人と思え、とは情けないことだが、火のほうはどんなに用心しても、しすぎるということはない。
133. 人はパンのみにて生くるにあらず
( ひとはぱんのみにていくるにあらず )
人は、パン(食物)だけを食べて生きているのではない。
人間にとって、精神生活がいかに大切であるか、ということを教えたもの。
【参考】 新約聖書にある言葉。
134. 人は人中、田は田中 ( ひとはひとなかたはたなか )
人は大勢の中できたえられるのがよく、田は真ん中にある田がよい田である。
135. 人は人我は我 ( ひとはひとわれはわれ )
他人は他人、自分は自分。他人のすることにかかわらず、自分の信ずるところを行なえ、という意味。
136. 人は見かけによらぬもの ( ひとはみかけによらぬもの )
人の性質や行動は、外見だけでは判断がつかない。
その人の本心や人柄の善悪は、一見した印象とは必ずしも一致しない、という意味。
【参考】 「人はうわべによらぬもの」ともいう。
【例】 「あの人は恐い顔をしているが、ボランティア活動をしているなんて、人は見かけによらぬものだ」
137. 人はみめよりただ心 ( ひとはみめよりただこころ )
人間は、顔かたちよりも心の持ち方が大切である。
138. 人は病の器 ( ひとはやまいのうつわ )
人間のからだは病気の入れ物のようなものである。
人間のからだは複雑で故障がおこりやすいものである。
139. 人は悪かれわれ善かれ ( ひとはわるかれわれよかれ )
他人はどんなひどい目にあってもかまわない。自分さえよければそれでよい。というのである。
これは利己的な人をあざける言葉。
140. 人一たびして之を能くすれば己之を百たびす
( ひとひとたびしてこれをよくすればおのれこれをひゃくたびす )
努力を重ねれば必ず目的を達することができる。
他人がすぐれた才能を持っていて、一度でできるならば、自分はそれに百倍する努力を重ねて、目的に到達する。
141. 人増せば水増す ( ひとませばみずます )
家族が多くなれば、それに応じて費用は増大するものだ。
【参考】 「口増せば水増す」ともいう。
142. 人見て使え ( ひとみてつかえ )
人を使うときには、その人の才能を見抜いて、上手な使い方をせよということ。
143. 一人口は食えぬが二人口は食える
( ひとりぐちはくえぬがふたりぐちはくえる )
同じ収入でも、二人ではどうにか生活できるが、一人ではその割に生活はできない。
【参考】 「二人口は過ごせるが一人口は過ごせぬ」ともいう。
144. 一人自慢の誉手なし ( ひとりじまんのほめてなし )
ひとりよがりで、だれもほめてくれる人がないから、自分ひとりでほめること。
145. 一人っ子は国にはばかる ( ひとりっこはくににはばかる )
ひとり子はわがままでゆうずうがきかないから、人からきらわれる。
146. 一人の文殊より三人のたくらだ
( ひとりのもんじゅよりさんにんのたくらだ )
「たくらだ」は、ばか、うつけ者。麝香鹿(じゃこうじか)に似た獣。
すぐれた人が一人で考えるよりは愚かな者でも大勢集まって考えれば、よい知恵がうかぶことのたとえ。
147. 一人娘と春の日はくれそうでくれぬ
( ひとりむすめとはるのひはくれそうでくれぬ )
ひとり娘は親が惜しがってなかなか嫁にやらないということ。
148. 独りを慎む ( ひとりをつつしむ )
たとえ人の見ていない所においても、悪いことをしないように自ら慎むこと。
149. 人我に辛ければ我また人に辛し
( ひとわれにつらければわれまたひとにつらし )
人が自分に辛く当たれば、自分もまた人にじゃけんにするようになる。
世間は相対的なもので、相手の出方次第で自分のやり方も変わる、という意味。
150. 人を怨むより身を怨め ( ひとをうらむよりみをうらめ )
人のやり方をうらむより、まず自分のいたらぬことを思え。