1. 老い木に花 ( おいきにはな )
一度衰えたものが再び盛んになることをいう。
【類句】 枯れ木に花
2. 老い木は曲らぬ ( おいきはまがらぬ )
若い木は弾力があって曲げられるが、老木になると曲げると折れてしまう。
人も若いうちなら性質もくせも直せるが、老人になってからは直らない、ということ。
3. 老いせぬ門 ( おいせぬかど )
長命を祝っていう言葉。また、皇居の門を祝ってもいう。
【参考】 「長生殿裏春秋富、不老門前日月遅」と和漢朗詠集にある。
4. 老いたる馬は道を忘れず ( おいたるうまはみちをわすれず )
年をとった馬は、長年通い慣れた道を忘れてはいない。代々主家に仕えて受けた恩恵を後々までも忘れない、という意味。
また、老婆はいろいろな道を通った経験があり、山道などで迷った時には、老馬を先に立てれば、必ず道に出る。
人生経験豊かな老人は物事の判断を誤らない、という教えにも言う。
5. 老いたるを父とせよ ( おいたるをちちとせよ )
老人は父のように思って尊敬せよ、ということ。
6. 追手に帆を上げる ( おいてにほをあげる )
追風の吹いてきたとき帆を上げて速く走る。
勢いに乗じて物事が順調に進むこと。
7. 老いては子に従え ( おいてはこにしたがえ )
年取ってからは、出しゃばらずに何事も子に任せて、その意見や方針に従った方がよい、という意味。
8. 老いてはますます壮なるべし ( おいてはますますさかんなるべし )
年をとっても元気が衰えず、ますます意気さかんでなければいけない、という意味。
困難にあっても志をますます堅くしてくじけてはならない。
9. 老いて再び児になる ( おいてふたたびちごになる )
年をとると、また幼い子供のようになること。
10. 老いの一徹 ( おいのいってつ )
老人の、一度思い定めたらどうしてもそれを通そうとする頑固な性質。
11. 老いの方人 ( おいのかたうど )
老人をその道の長老として尊ぶこと。また、尊敬される老人。
12. 老いの学問 ( おいのがくもん )
年をとってから学問をはじめること。老人になっても学ぶこと。晩学。
13. 老いの木登り ( おいのきのぼり )
老人にあわぬ無理をすることを、ひやかした言葉。
また無理なことをするなの戒めの言葉。
14. 老いの幸い ( おいのさいわい )
老後の楽しみ。老人の幸福。
15. 追剥原へ蛍狩り ( おいはぎはらへほたるがり )
追いはぎの出る原へホタル狩りに出かけると危険なように、
自分から求めて危険なところへ行くことのたとえ。
16. 老いらくの恋 ( おいらくのこい )
年老いてからの恋愛。老人の恋愛。
17. 枉駕 ( おうが )
相手の来訪を敬っていう語。
「枉」はまげる、「駕」は乗り物の意で、乗り物の行き先を変えて、わざわざおいで下さる、という意味。
18. 王侯将相寧ぞ種あらんや ( おうこうしょうそういずくんぞしゅあらんや )
王侯や将軍、大臣となるのは、家柄や血統できまっているのではなく、努力のいかんではだれでもなることができる、という意味。
「種あらんや」は特定の家柄に生まれなくてはならないということはない。
19. 往者は諫めず来者は追うべし
( おうしゃはいさめずらいしゃはおうべし )
すでに過ぎ去った事は今さら諫めてもしかたないが、これから将来へかけての事は追っかけても改めなければならない。
【参考】 「諫め」は、とどめること。
20. 応接に暇あらず ( おうせつにいとまあらず )
物事が次から次へと現れること。多忙なことの形容。
もともと、自然の景色が次々とひらけて、ゆっくり見ている暇がない意味。
21. 負うた子に教えられて浅瀬を渡る
( おうたこにおしえられてあさせをわたる )
背におぶった子供に、浅いところを教えてもらって川を渡る。
賢い者も老練な者も、時には、愚かな者や未熟な者から教えられることがある、という意味。
22. 負うた子より抱く子 ( おうたこよりだくこ )
背に負った子のことよりも、目の前に抱いている子のことを先にする。
離れている者より、身近の者を先にするのが人情の常である。
23. 負うた子を三年探す ( おうたこをさんねんさがす )
手近にあるのに気づかず、あちらこちらと探すこと。
人間には時にそんなことがある。
24. 逢うた時に笠を脱げ ( おうたときにかさをぬげ )
道で知った人に会ったら笠をぬいであいさつをすること。
また、すべて機会をはずさないようにせよ。チャンスをのがすな。
25. 近江泥棒に伊勢乞食 ( おうみどろぼうにいせこじき )
近江(滋賀県)や伊勢(三重県)の商人が江戸に出てきて、勤倹貯蓄して産をなし、
商権を握ったのに対し、宵越しの金を使わぬ江戸っ子がののしって言った言葉。
26. おうら山吹日陰の紅葉 ( おうらやまぶきひかげのもみじ )
おうらやましい、と人の身の上をうらやんで、我が身を日陰のもみじにという秀句。
27. 往を彰らかにして来を察す ( おうをあきらかにしてらいをさっす )
過去のことをよく調べて、未来のことを推測する。
過去の由来を明らかにして将来の計画をたてること。
28. 王を擒にせんと思わばその馬を射よ
( おうをとりこにせんとおもわばそのうまをいよ )
王様をとりこにしようと思えば、その乗っている馬を射よ。
頼みにしているものをまず攻めおとすのが成功の道である。
29. 大石で卵を砕く ( おおいしでたまごをくだく )
なんの造作もないこと。簡単なことのたとえ。
しかし、卵を砕くのにそんなむだな努力をしなくてもよい。
30. 大嘘は吐くとも小嘘は吐くな ( おおうそはつくともこうそはつくな )
大きなうそは人は信用しないから害はないが、ちょっとしたうそは人が信用するから実害があること。