211. 蕭牆の患 ( しょうしょうのかん )
一家の内部からおこる騒動。うちわもめ。蕭牆は、かき。へい。一家の内部。
212. 従心 ( しょうしん )
七十歳の称。孔子が「七十にして心の欲する所に従えども、矩(のり)を踰(こ)えず」といった語に基づく。
【参考】 不惑
213. 小心翼々 ( しょうしんよくよく )
つつしみ深く、細かい事にまで注意し、おろそかにしないさま。
転じて、気が小さくて、いつもびくびくしているさま。
214. 正直の頭に神宿る ( しょうじきのこうべにかみやどる )
正直に世を渡る者は神がいつもそばにいて守ってくれる、という意味。
215. 正直は一生の宝 ( しょうじきはいっしょうのたから )
正直にしていると他からの信用を得るのみならず、自ら精神的にも満ち足りるから、
正直という美徳は一生守るべき宝である。
【参考】 Honesty is the best policy.
216. 正直者が馬鹿を見る ( しょうじきものがばかをみる )
悪賢い者は、ずるく立ち回って得をするのに対して、正直者は、
まじめなためにかえって損をし、人から愚か者呼ばわりされることすらある。
217. 小事は大事 ( しょうじはだいじ )
小事だと思っておろそかにすると、それが大事を引き起こすもとになるから、小事は大切である。
218. 生者必滅 ( しょうじゃひつめつ )
生ある者は必ずいつかは死に滅びる。この世の無常をいう言葉。
【参考】 「せいじゃひつめつ」とも読む。
【類句】 生き身は死に身
【例】 「生者必滅、会者定離」と使う。
219. 霄壌の差 ( しょうじょうのさ )
非常に大きな違い。「霄」は空、「壌」は土地。
天と地ほどの大きな違いがある。
【類句】 雲泥の差
220. 小人閑居して不善を為す ( しょうじんかんきょしてふぜんをなす )
考えが浅く品性の劣っている人間は、暇があるとよくないことをする、という意味。
【参考】 「閑居」は、本来もの静かな暮らしや住居の意。
221. 小人の過ちや必ず文る ( しょうじんのあやまちやかならずかざる )
小人は過ちをおかした場合、これを悔い改めようとはしないで、これをうまくつくろって、その場をすまそうとする。
222. 小人の心を以て君子を量る
( しょうじんのこころをもってくんしをはかる )
自分の卑しい心を標準として、君子もそのようであろうと推しはかる。
223. 小水石を穿つ ( しょうすいいしをうがつ )
少しの水でも、絶えず流れていれば、ついには石をすりへらして穴をあける。
つまり、怠らずにつとめれば、どんな難事でも成しとげることができるというたとえ。
【類句】 雨だれ石を穿つ
224. 笑中に刀あり ( しょうちゅうにとうあり )
うわべをやさしく見せかけて、内心は陰険で、人を中傷するにたとえる。
225. 掌中の珠 ( しょうちゅうのたま )
いつも手のひらの中に持っている珠(真珠)のようなものという意味から、最愛の子または妻。
また、最も大切にしているものの意にも使う。
226. 焦頭爛額上客となる ( しょうとうらんがくじょうかくとなる )
火事がおこる前に、予防する方策を立てた者はほめられず、火事がおこってから頭をこがし、額をただらせて救った者がほめられる。
根本を忘れて末節のみをよしとすることのたとえ。また、参謀や文官は世に出ないが、戦功の武将だけが世の賞賛を受けるたとえ。
「焦頭爛額」は、頭をこがし、額をただらかす。つまり、一身を投げ出して消火に従うこと。
転じて、事変の渦中に身を投じて奔走すること。
227. 少年老い易く学成り難し ( しょうねんおいやすくがくなりがたし )
月日がたつのは早く、若いと思っていてもすぐ年を取ってしまい、学問はなかなか成就しにくい。
だからわずかな時間でも惜しんで勉強しなければならない。
【参考】 一寸の光陰軽んずべからず
228. 少年よ大志を抱け ( しょうねんよたいしをいだけ )
若者は大いに雄大な抱負を持って努力せよ。激励の言葉。
【参考】 Boys, be ambitious! の訳語。クラークが札幌(さっぽろ)農学校を去るにあたって述べた言葉。
229. 小の虫を殺して大の虫を助ける
( しょうのむしをころしてだいのむしをたすける )
大きい物事を成就させるためには、やむをえず小さい物事を犠牲にすることがある。
一部分を犠牲にして全体を助けること。
【参考】 「小の虫を殺して大の虫を生かす」とも。
230. 商売は草の種 ( しょうばいはくさのたね )
商売の種類は、考えもつかないほど多く、とても数えきれるものではない。商売の種は尽きないこと。
231. 商売は道によりて賢し ( しょうばいはみちによりてかしこし )
それによって生計を立てている人は、その専門の分野には、さすがによく通じているものである。
【類句】 芸は道によって賢し
232. 勝負は時の運 ( しょうぶはときのうん )
勝ち負けはその時の運によって左右される。
予想通りにはならないし、勝っておごることも、負けて落胆することもない、という意味。
負けた人を慰める言葉。
233. 正法に不思議なし ( しょうほうにふしぎなし )
正しい教えには何も不思議なことはない。不思議があるのは邪教である。
234. 消滅滅已 ( しょうめつめつい )
生死の世界を脱して、悟りの世界に入ること。
生と滅とがなくなって、共に存しないことからいう。
235. 将門に将あり ( しょうもんにしょうあり )
大将の家柄からは、やはり将軍が出る。名家からは名士が出る。
236. 証文の出し遅れ ( しょうもんのだしおくれ )
時機に遅れて役に立たないことのたとえ。
証拠になる書類を提出すれば自分が有利になるのに、その時機に遅れて効力を発揮しないこと。
237. 醤油で煮締めたよう ( しょうゆでにしめたよう )
白い布などが汚れて黒ずんでいるようすをいう。
238. 小利大損 ( しょうりたいそん )
わずかな利益を得ようとして、そのためにかえって大損をすること。
239. 将を射んとせば先ず馬を射よ ( しょうをいんとせばまずうまをいよ )
敵将を討ち取ろうとするならば、まずその乗っている馬を射て倒せ。
目的物を得るためには、その周囲にあるものから攻めて掛かるのが早道である、という意味。
【参考】 「人を射んとせば先ず馬を射よ」ともいう。
240. 章を尋ね句を摘む ( しょうをたずねくをつむ )
文章の章句の解釈にばかり力をこめて、文全体の意義を理解する才能がないこと。