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「ふ」からはじまる ことわざ 3

67. 舟は船頭に任せよ ( ふねはせんどうにまかせよ )

 なんでもその道の専門家にまかせたほうがよいということ。

68. 舟は帆でもつ帆は舟でもつ ( ふねはほでもつほはふねでもつ )

 舟(帆掛け舟)は帆がなくては走れない。また、帆も舟がなければ役に立たない。 世の中はお互いに助け合って初めて価値を生じるものである、という意味。

69. 舟は帆任せ帆は風任せ ( ふねはほまかせほはかぜまかせ )

 帆掛け舟の進むのはすべて帆任せ、その帆の働きはすべて風しだいである。 人の意志や努力では左右できないことを、成り行きに任せて放任する、という意味。

70. 舟を沈め釜を破る ( ふねをしずめかまをやぶる )

 決死の覚悟で事に当たること。
 【参考】 「背水の陣」と同じ。

71. 不偏不党 ( ふへんふとう )

 公正中立の立場をとること。「偏」は、一方に片寄る、「党」は、仲間になる。 どの主義や党派にも属さないこと。

72. 父母の恩は山よりも高く海よりも深し
  ( ふぼのおんはやまよりもたかくうみよりもふかし )

 両親から受けた恩は、何物にも比べることができないほど大きい。

73. 文はやりたし書く手は持たぬ ( ふみはやりたしかくてはもたぬ )

 恋文をやりたいが文字が書けず、人に代筆を頼むわけにもいかないという無筆な女のなげき。

74. 踏めばくぼむ ( ふめばくぼむ )

 なにかすれば多かれ少なかれ、その効果があらわれるということ。

75. 蜉蝣の一期 ( ふゆうのいちご )

 人の命のはかないことのたとえ。 「蜉蝣」はかげろうのことで、かげろうの一生は、朝生まれて夕方には死ぬほどのはかないものだが、人の一生もそれと選ぶところがない。

76. 冬来たりなば春遠からじ ( ふゆきたりなばはるとおからじ )

 暗い冬のあとに、やがて明るい春が来るのは天地の理である。 現在は不幸でも、前途には明るい希望が見えているから元気を出そう、という励ましの意に使う。
 【参考】 英国の詩人シェリーの「西風に寄する歌」に、If Winter comes, can Spring be far behind? とある。

77. 冬の氷売り ( ふゆのこおりうり )

 冬に氷売りを始めても売れないように、時機のよろしくないことのたとえ。

78. 冬の雪売り ( ふゆのゆきうり )

 どこにでもあり余るほどある物を売っても、買い手がないことのたとえ。

79. 降らぬ先の傘 ( ふらぬさきのかさ )

 雨が降らないうちに傘を用意しておく。先のことを考えて行動することのたとえ。
 【類句】 転ばぬ先の杖

80. 降りかかる火の粉は払わねばならぬ
  ( ふりかかるひのこははらわねばならぬ )

 自分の体の上に、降りかかってくる火の粉は、払わなければ自分の身が危険になる。 人から危害を加えられる時には、自分にやましいところがないからといって、澄ましているわけにはいかず、 それを防ぐ行動に出なければならない、という意味。

81. 降りみ降らず ( ふりみふらず )

 降ったりやんだりのこと。

82. 古川に水絶えず ( ふるかわにみずたえず )

 一見涸(か)れているように見える古い川も、実は地下の流れがあったりして、水が絶えることはない。 もと金持ちであった家は、落ちぶれてもなお残りの財産や利権があって、たやすく尽きることはない、という意味。

83. 古傷は痛み易い ( ふるきずはいたみやすい )

 古くなった傷は、治ったようでも陽気の変わり目などに時々痛む。 過去に侵した悪事が何かにつけてたたる。昔の悪行が、ひょっとしたことから思い出させられ、心を悩ませられる、という意味。

84. 古木に手をかくるな若木に腰掛くるな
  ( ふるきにてをかくるなわかぎにこしかくるな )

 先の見込みのないものをたよりにするな、将来のあるものには敬意を払えということ。

85. 不惑 ( ふわく )

 四十歳(しじゅっさい)の称。孔子が「四十而不惑(四十にして惑わず)」といった語に基づく。
 【参考】 志学而立知命耳順従心

86. 付和雷同 ( ふわらいどう )

 自分にしっかりした意見がなく、むやみに他人の意見に同調すること。
 【参考】 雷同

87. 刎頸の交わり ( ふんけいのまじわり )

 決して変わることのない深い交わり。 生死を共にし、その友人のためなら、頸(くび)を刎(は)ねられても悔いないほどの親しい交わり。
 【参考】 「刎頸の友」ともいう。

88. 粉骨砕身 ( ふんこつさいしん )

 力の続く限り努力すること。骨を粉にし身を砕いて働くという意味。

89. 文事ある者は必ず武備あり ( ぶんじあるものはかならずぶびあり )

 文武は両立して一方にかたよってはいけないということ。 「文事」とは、学問、文教などに関する事柄をいう。

90. 憤せざれば啓せず ( ふんせざればけいせず )

 発憤して自分から学ぶ心のない者には教えない。不熱心で積極的な学習意欲のない者には教えないということ。 「憤」は、学に志し未だ十分了解しない時のいらだち。「啓」は、ひらくこと。

91. 分相応に風が吹く ( ぶんそうおうにかぜがふく )

 人それぞれ、その身分に応じた処世の方法があるものである。

92. 踏んだり蹴ったり ( ふんだりけったり )

 ひどい目にあった上に、また重ねてひどい目に遭う様子。
 【例】 「さっきタンスに足をぶつけ、今度はドアに頭をぶつけた、まさに踏んだり蹴ったりだ」

93. 糞土の牆はヌる可からず ( ふんどのしょうはぬるべからず )

 性根のだめな者は、いくら教えても無駄である。はきだめの土で造った土壁は、こてで上塗りをすることはできない。 「ヌ」は壁を塗る「こて」。転じて、こてで塗ること。
 【参考】 朽木は雕る可からず

94. 文は人なり ( ぶんはひとなり )

 文は、その人の思想を表現したものであるから、筆者の全人格がそこに現れている。

95. 文は武に勝る ( ぶんはぶにまさる )

 すぐれた人々の統治下ではペンの力は剣の力より大きいということ。 リットンの戯曲「リシュー」の中の言葉から出た。

96. 分分に風は吹く ( ぶんぶんにかぜはふく )

 人にはそれぞれの身分にふさわしい暮らし方があるということ。

97. 分別過ぐれば愚に返る ( ふんべつすぐればぐにかえる )

 あまり考えすぎると、かえってつまらない考えにおちいることがある、という意味。

98. 蚊虻牛羊を走らす ( ぶんぼうぎゅうようをはしらす )

 蚊やあぶのような小さな虫が、牛や羊のような大きな動物にたかって、牛や羊がかゆくて走る出すように、弱小のものが強大なものを動かすたとえをいう。 小さな物でも油断をしていると、それが禍となり大害を引き起こすことがあるというたとえ。

99. 文を以て友を会す ( ぶんをもってともをかいす )

 ただぼんやりと友人たちと会合しないで、どうせあうなら学問の研究のために会合したいものである。 学問をもって友人と交わること。また君子の交友をいう。

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