31. 一富士二鷹三茄子 ( いちふじにたかさんなすび )
初夢に見るものの中で縁起のよい順を並べていった語。
【参考】 一説に駿河の国(静岡県中央部の旧称)の名物ともいう。
32. 一文惜しみの百知らず ( いちもんおしみのひゃくしらず )
わずか一文の銭を惜しんだために、あとで百文の損を招くことに気付かない愚。
目先の損得だけを考えず、将来の利益も考えて大いに使うことを知らなければならない、という意味。
33. 一文高の世の中 ( いちもんだかのよのなか )
金さえあれば幅がきく世の中。一文でも多く金さえあれば賢い世の中。
34. 一葉落ちて天下の秋を知る ( いちようおちててんかのあきをしる )
小さい前兆を見て、やがて後にくる衰えを察知する。
青桐の葉は、他の木よりも早く落葉する。その一枚の葉が落ちるのを見て、秋の気配を知る、という意味。
【参考】 A straw shows which way the wind blows.
35. 一陽来復 ( いちようらいふく )
よくないことが続いたあとに、いいことがめぐってくる意。
冬至になると寒さの極限に達し、やがて寒さが転換して陽気(暖かさ)が生じるから、落ち目のものが回復すること、
落ち目の者に回復の運がまわってくることにもいう。
36. 一利あれば一害あり ( いちりあればいちがいあり )
利の反面には害がある。
37. 一粒万倍 ( いちりゅうまんばい )
一粒の種をまいておくと、やがて一万倍もの収穫がある。わずかな元手から多くの利益を生じることをいう。
もともと仏教で一つの善根から多くの仏の報いが得られる意。
38. 一利を興すは一害を除くに如かず
( いちりをおこすはいちがいをのぞくにしかず )
一つの利益になることをやり始めるよりも、前からある一つの弊害を取り除いた方がよい。
元の名臣、耶律楚材(やりつそざい)が言った有名な言葉。
39. 一蓮托生 ( いちれんたくしょう )
死後、極楽の同じ蓮華の上に一緒に生まれるという仏教の教えから、結果がどうであろうと、
行動や運命を共にすること。特に、悪いことを一緒にすること。
40. 一を聞いて十を知る ( いちをきいてじゅうをしる )
才知がきわめて優れていること。一つのことを聞いて十のことまで知る。
わずかな示唆で、物事のすべてを理解するという意味。
41. 一を識りて二を知らず ( いちをしりてにをしらず )
知識や考え方が狭く浅いこと。一つのことだけを知って、その他の場合を知らないこと。
42. 一攫千金 ( いっかくせんきん )
一度にたやすく大金をもうける。たいした苦労をせずに、一仕事して大きな利益を得る。
【参考】 「一攫」は、ひとつかみ、という意味。
【類句】 濡れ手に粟
43. 一家言 ( いっかげん )
その人独特の主張や学説。また、一つの見識を持った意見。自分の意見の謙称にもいう。
44. 一竿の風月 ( いっかんのふうげつ )
一本のつりざおで俗事を忘れ、風流を楽しむこと。
45. 一気呵成 ( いっきかせい )
物事を一簣になしとげること。
「呵」は筆に息を吹きかける、ということから、文章などを一息に書き上げるという意味。
46. 一騎当千 ( いっきとうせん )
非常に勇ましく強いこと。
一騎で千人の敵を相手にするほど強いという意味。
【参考】 「一人(いちにん)当千」ともいう。
47. 一簣の功 ( いっきのこう )
最後のひと努力をいう。
【参考】 九仞の功を一簣に虧く
48. 一挙手一投足 ( いっきょしゅいっとうそく )
わずかの骨折り。少しの労力。一度手を挙げ、一度足を動かす、という意味。
49. 一挙両得 ( いっきょりょうとく )
一つの事をすることによって、二つの利益を収めること。
【例】「魚釣りは、楽しみながらおかずも得られ、一挙両得である」
50. 一見旧の如し ( いっけんきゅうのごとし )
一度会っただけで気心が合って昔からの友だちのように親しくなる。
51. 一犬虚に吠え万犬これに和す
( いっけんきょにほえばんけんこれにわす )
一匹の犬が何かの影を見てほえると、あたりのたくさんの犬が、その声につられてほえたてる、ということから、
誰かがいい加減なことを言い出すと、多くの人がよく確かめずにそれを言いふらす、ことをいう。
【参考】 「一犬影に吠ゆれば百犬声に吠ゆ」「一犬虚に吠ゆれば万犬実を伝う」ともいう。
52. 一口両舌 ( いっこうりょうぜつ )
前と後で話が違う。うそを言うこと。二枚舌を使うこと。
53. 一刻千金 ( いっこくせんきん )
かけがえのなく大切な時や楽しい時の、過ぎやすいことを惜しむ語。
わずかの時間が千金にも値する、という意味。
54. 一災起れば二災起る ( いっさいおこればにさいおこる )
一度あるわざわいは二度ある。悪いことは重なるもの。
【類句】 泣きっ面に蜂 / 弱り目に祟り目
55. 一視同仁 ( いっしどうじん )
差別待遇をしないこと。だれをも差別せずに、すべての人を平等に見て一様に仁愛をほどこす意。
56. 一瀉千里 ( いっしゃせんり )
物事が速くはかどること。また、文章や弁舌がすらすらとしてよどみのないこと。
川の水がひとたび流れ出すと、たちまち千里も走り流れる意。
57. 一将功成って万骨枯る ( いっしょうこうなってばんこつかる )
功績は上層の幹部だけのものとなり、その下で働いた多くの人たちの労苦は、顧みられないことを嘆く語。
一人の将軍が功名を立てるかげには、一万人もの兵卒の生命の犠牲があるという意。
58. 一升徳利こけても三分 ( いっしょうどっくりこけてもさんぶ )
一升徳利はころげて酒がこぼれても三分くらいは残っている。
金持ちは多少無駄遣いをしても、全然なくなってしまうことはない、という意味。
59. 一触即発 ( いっしょくそくはつ )
ちょっと触るだけですぐ爆発する意で、ちょっとしたきっかけですぐ大きな事件や事故が発生しそうな危機に直面していること。
60. 一寸先は闇 ( いっすんさきはやみ )
一寸先は真っ暗闇で、何が起るかわからない。
これから先の、また、近い将来にどんな不幸が待っているかは、全く予知することができない、という意味。