1. 鼻祖 ( びそ )
元祖。「鼻」に始めという意味がある。
2. 鼻息を仰ぐ ( びそくをあおぐ )
相手のきげんや意向をうかがうこと。
3. 鼻欠けにもえくぼ ( はなかけにもえくぼ )
どんなに顔のみにくい者にも、どこか一つぐらいは人をひきつける美点があるものだということ。
4. 鼻糞丸めて万金丹 ( はなくそまるめてまんきんたん )
売薬の効き目のないのを冷やかしたことば。
「万金丹」は胃腸病・解毒その他諸病に効くとされている薬。
また、薬の原料には、案外つまらないものが多いという意味。
5. 鼻毛をよむ ( はなげをよむ )
女が、自分におぼれている男の弱味につけこんで、自由にあしらうこと。
6. 鼻面に藤を通す ( はなつらにふじをとおす )
人をこき使うことのたとえ。
「藤を通す」とは、牛の鼻に管を通すかわりに、ふじづるを通すと痛いのでそのとおりになる。
7. 鼻は山人は里 ( はなはやまひとはさと )
物にはそれぞれにふさわしい場所があるものだということ。
桜の花は山奥に人知れず咲いているのがおくゆかしく美しいが、人間は人里に出て見なければ、目指す人をさがしあてることができない。
8. 鼻へ食うと長者になる ( はなへくうとちょうじゃになる )
あかりをつけずに暗いところで食事をするような倹約な人は金持ちになるということ。
9. 阿鼻叫喚 ( あびきょうかん )
非常にむごたらしい状態に陥って、救いを求めて叫び声をあげる形容。
もともと、仏教で八大地獄の一つである、阿鼻地獄に落ちた者があげる苦しみの叫び。
10. 目糞鼻糞を笑う ( めくそはなくそをわらう )
目糞が鼻糞のことを、汚いといってあざ笑う。自分の欠点には気付かず、他人のことをあざ笑う。
お互いに欠点のある者同士がけなし合うこと。
【参考】 The pot calls the kettle black.
【例】 「君が彼に注意するなんて、目糞鼻糞を笑うようなものだ」
【類句】 猿の尻笑い
11. 木で鼻を括る ( きではなをくくる )
つっけんどんで愛想のないこと。ひどく冷淡に扱う様子。
【例】 「彼に借金を頼んでみたが、木で鼻を括ったような返事だった」
12. 目から鼻へぬける ( めからはなにぬける )
判断力が優れ、物事に素早く反応できる様子。
【例】 「彼女はいつも目から鼻に抜けるような行動をとる」
13. 得手に鼻突く ( えてにはなつく )
もっとも得意のことは鼻であしらってするので、かえって失敗すること。
得意のことには注意を払わないので失敗すること。
14. 目で見て鼻で嗅ぐ ( めでみてはなでかぐ )
注意に注意をすること。
15. 花の下より鼻の下 ( はなのしたよりはなのした )
きれいな花を見て楽しむよりは、食べていくことのほうが先だということ。
16. 時の用には鼻をそげ ( ときのようにははなをそげ )
目の前の急な用件を果たすためには、手段を選ばず、鼻をそぐようなことまで行え、ということ。
【参考】 「時の用には鼻」ともいう。
17. 女の知恵は鼻の先 ( おんなのちえははなのさき )
女の知恵は目先のことばかりにとらわれ、浅はかなことのたとえ。
18. 百石とっても手鼻かむ ( ひゃくこくとってもてばなかむ )
百石取りの身分になっても、成り上がり者は手鼻をかむような、いやしいときの習慣が抜け切らないということ。
19. お多福転けても鼻打たぬ ( おたふくこけてもはなうたぬ )
鼻の低いものは転んでも鼻にけがをしない、という悪口。
【類句】 おでこ転んでも鼻打たぬ