1. 目は心の鏡 ( めはこころのかがみ )
目はその人の心を映し出す鏡である。目を見れば、その人の心の正邪が知れる。
心が清ければその瞳も澄んでおり、心が明るければその目も輝いているものである、という意味。
【参考】 「目は心の窓」ともいう。
2. 目病み女に風邪引き男 ( めやみおんなにかぜひきおとこ )
目を患っている女は、そのうるんだ目つきが色っぽく見え、ちょっと風邪を引いて、
のどに白い布でも巻いている男は粋に見えて、共に魅力的である。
3. 目糞鼻糞を笑う ( めくそはなくそをわらう )
目糞が鼻糞のことを、汚いといってあざ笑う。自分の欠点には気付かず、他人のことをあざ笑う。
お互いに欠点のある者同士がけなし合うこと。
【参考】 The pot calls the kettle black.
【例】 「君が彼に注意するなんて、目糞鼻糞を笑うようなものだ」
【類句】 猿の尻笑い
4. 目の上の瘤 ( めのうえのこぶ )
目の上にあって、始終気になっている瘤のことをいい、
自分より位置や実力が上で、何かにつけてじゃまになるもののことをさす。
【参考】 「目の上のたんこぶ」ともいう。
【例】 「私はいつも反対するので、私のことを目の上の瘤だと思っているだろう」
5. 目は口ほどにものを言う ( めはくちほどにものをいう )
口に出して言わなくても、目つきで気持ちを相手に伝えることができる。
6. 目から鱗が落ちる ( めからうろこがおちる )
新約聖書に出てくる言葉で、失明していた人が突然視力を回復する意で、
解けずに悩んでいた問題を解決する糸口が、ふとしたきっかけでつかめることをいう。
【例】 「ずっと悩んでいたなぞなぞが、一晩寝たら簡単に解けたのは目から鱗が落ちる思いだった」
7. 目の中へ入れても痛くない ( めのなかへいれてもいたくない )
子供をかわいくてたまらなく思う様子。
【例】 「彼は念願の娘が生まれたので、目の中に入れても痛くないほどかわいがっている」
8. 目を掩うて雀を捕らう ( めをおおうてすずめをとらう )
つまらない策を用いること。雀が逃げるのを恐れるあまり、逃げるのが見えないようにと、
自分の目を隠して捕らえようとする。
【類句】 耳を覆って鈴を盗む
9. 目には目を歯には歯を ( めにはめをはにははを )
相手の仕打ちに対しては、相手の仕掛けてきたと同じような手段で対抗せよ。
旧約聖書には「(相手に傷を負わせた時には)・・・目には目を、歯には歯を・・・
(相手と同じように自分の身を傷付けて)償わなければならない」と説いている。
10. 目の正月 ( めのしょうがつ )
「正月」は一年中で最も楽しい月であることから、珍しい物、美しい物などを見て楽しい思いをすることをいう。
【類句】 目の保養
11. 目の寄る所へは玉も寄る ( めのよるところへはたまもよる )
目が動くにつれてひとみも動く。同類の者が集まる。
何事か一つ起こると、同じようなことが続いて起こる、という意味。
12. 目から耳へ抜ける ( めからみみへぬける )
見ることは見ても、頭の中にはなにも残らずおぼえていないこと。
13. 目から鼻へぬける ( めからはなにぬける )
判断力が優れ、物事に素早く反応できる様子。
【例】 「彼女はいつも目から鼻に抜けるような行動をとる」
14. 目で見て口で言え ( めでみてくちでいえ )
実際に目で見て、それから口にせよというので、事柄を観察しないで、いたずらに口でいうものではない、という意味。
15. 目で見て鼻で嗅ぐ ( めでみてはなでかぐ )
注意に注意をすること。
16. 目は人の眼 ( めはひとのまなこ )
目はいちばん大事な器官だということ。
その人がどんな人物であるかは目に現われている。
17. 目元千両口元万両 ( めもとせんりょうくちもとまんりょう )
美人の形容で美人は目元が美しく口元が可愛いらしい。
18. 目渡る鳥 ( めわたるとり )
物事の過ぎ行くことが非常に早いのをたとえていう。
19. 目をむくより口を向け ( めをむくよりくちをむけ )
怒るより、よく説得する方がよいということ。
20. 目の保養 ( めのほよう )
美しい物や珍しいものを見て、目を楽しませること。
【例】 「久しぶりに美しい夜景を見せてもらい目の保養になった」
【類句】 目の正月
21. 目明千人盲千人 ( めあきせんにんめくらせんにん )
目の見える人が千人いれば、目の見えない人も千人いる。
世間には物の道理がわかる人もいれば、わからぬ人もいる、という意味。
盲人はものの道理がわからない、という意味ではない。
22. 見目は果報の基 ( みめはかほうのもと )
顔かたちが美しいと幸福になれるということ。
23. 見目より心 ( みめよりこころ )
人はその容貌が美しいことより、心の美しいのがよい。
24. 横目を使う ( よこめをつかう )
他人に気付かれぬように何かを観察したり、そっと合図を送ったりするために、
顔を前に向けたまま、目だけ動かして横の方を見る。
【例】 「彼は彼女に気があるので、授業中いつも横目を使って彼女のことを見ている」
25. 脇目も振らず ( わきめもふらず )
よそ見もしないで何かをする、という意味で、一つのことに心を集中して打ち込む様子。
【例】 「この三年間、脇目も振らず資格の勉強をしてきた」
【類句】 面も振らず
26. 夜目遠目笠の内 ( よめとおめかさのうち )
夜見るのと、遠くから見るのと、笠(かぶりがさ)をかぶっているのを見るのとは、
実際よりも女の人を美しく見せる。
【類句】 遠目山越し笠の内
27. 裏目に出る ( うらめにでる )
よかれかしと思ってしたことが、期待に反して好ましくない結果になる。
28. 傍目八目 ( おかめはちもく )
他人の打っている碁をわきで見ていると、いい悪いが対局者よりよくわかって、八手先まで見通すことが出来ることから、
第三者として冷静に観察する方が、物事のよい悪い、損得がはっきりわかる、という意味。
【参考】 「岡目八目」とも書く。
【参考】 Lookers-on(or Standers-by) see most of the game(or see more than players).