29. 縄目の恥を受ける ( なわめのはじをうける )
罪人として縄で縛られる意で、世間から犯罪者として軽蔑され、屈辱を受ける。
30. 刮目して見る ( かつもくしてみる )
目を刮(こす)ってよく注意して見ること。
今までとは違った見方で相手の進歩や変化を見直すことをいう。
31. 鬼の目にも涙 ( おにのめにもなみだ )
どんなに無慈悲冷酷だと思われている人でも、時には温かい人間味を発揮するものだ、ということ。
【例】 「鬼の目にも涙で、いつもきびしい監督も今回の優勝には喜んでいた」
32. 鬼の目にも見残し ( おにのめにもみのこし )
観察の非常に精密な人にも時としては見落としがある。
情け容赦もなく過酷なことをする人にも手ぬかりがあること。
33. 尻に目薬 ( しりにめぐすり )
見当ちがいのこと。また全く効き目のないこと。
34. 親に目なし ( おやにめなし )
我が子かわいさのあまり、子の欠点や誤りがわからない。
何か子供が事件を起こすと「うちの子に限って・・・」が、それである。
35. 縁の目には霧が降る ( えんのめにはきりがふる )
縁があって結ばれているものにには、霧が降っているように相手の欠点が見えないで、かえって美しく見える。
36. 藪に目くばせ ( やぶにめくばせ )
藪ににらみのような目つきをして、違う方向を見ることで、よそ見することのたとえ。
37. 網の目に風たまらず ( あみのめにかぜたまらず )
網を張っても風の防ぎにはならない。
いくらつぎこんでも漏れる所があればたまらないこと。
38. 後に目無し ( うしろにめなし )
うしろに目はないから、見えない、知らない。人間に盲点のあることのたとえ。
39. 弱り目に祟り目 ( よわりめにたたりめ )
悪い条件の時に災いが発生する。不運な上に不運が重なることをいう。
【類句】 泣きっ面に蜂
40. 網の目に風とまる ( あみのめにかぜとまる )
あるはずがないことのたとえ。
ありえないことでもまれにはあるということ。
41. 都は目恥ずかし田舎は口恥ずかし
( みやこはみはずかしいなかはくちはずかし )
都会の人は目がこえているから、はたで自分をどうみているかと心をくばり、自分を恥じるが、
地方の人は口うるさいから、なんと言っているだろうと気がひける、ということ。
42. 鵜の目鷹の目 ( うのめたかのめ )
獲物を求める鵜や鷹の目つきが非常に鋭いことから、何かを探し出そうとして、鋭い目つきであたりを見回す様子。
また、その時の目つき。
【例】 「掘り出し物がないか、鵜の目鷹の目でフリーマーケット会場を見て回る」
43. 魚の目に水見えず人の目に空見えず
( うおのめにみずみえずひとのめにそらみえず )
水の中で生活している魚は、水というものの存在に気がつかない。
それと同じように、人間は空気中で空気を吸って生きているが、空気の存在に注意しない。
このようになくてはならぬものでありながら、あまり近い存在なために目に入らないこと。
我が身に関することはかえって気がつかないこと。
44. 男の目には糸を引け女の目には鈴を張れ
( おとこのめにはいとをひけおんなのめにはすずをはれ )
男の目は細くまっすぐなのがよく、女の目はぱっちりと開いたのがよい。
45. 罰は目の前 ( ばちはめのまえ )
悪いことをした者にはすぐ悪い報いがめぐってくるということ。
46. 流行目なら病目でもよい ( はやりめならやんめでもよい )
はやりと名がつけば、なんでもかまわないということで、流行を追う者をからかうことば。
47. 抜け目がない ( ぬけめがない )
他人はどうあれ、自分だけは得をしようと気を配り、要領よく振る舞う様子。
【例】 「彼は普段優しいが、あれでなかなか抜け目がない奴だ」
48. 夜の目も寝ずに ( よのめもねずに )
寝る間も惜しんで何かをする様子。
【例】 「明日のテストに向けて、夜の目も寝ずに勉強した」
49. 四つの目は二つの目より多くを見る
( よっつのめはふたつのめよりおおくをみる )
何事でも、一人だけで見たり判断したりするよりは、大勢で見たり判断したりするほうが確かである。
【参考】 Four eyes see more than two. の訳語。
50. 恋は盲目 ( こいはもうもく )
恋をする人は理性を失い、分別をなくし、全く目が見えないも同然である。
【参考】 Love is blind. の訳語でもある。
51. 欲には目見えず ( よくにはめみえず )
欲に目がくらんで物の道理がわからなくなること。
52. 昼には目あり夜には耳あり ( ひるにはめありよるにはみみあり )
昼は人の目が光っており、夜は人の耳が聞いている。
壁に耳あり障子に目ありで、秘密のことは特に注意すること。
【類句】 天に口あり地に耳あり
53. 青葉は目の薬 ( あおばはめのくすり )
読書や仕事などで目が疲れたときには、みずみずしい青菜を眺めると目の疲れが癒される。
54. 見るは目の毒 ( みるはめのどく )
何も見なければ欲望も起らないが、見ればそれなりに刺激されて心も動く。
不必要なものは見ないに越したことはない、という意味。
【参考】 「聞くは気の毒、見るは目の毒」と続けることもある。
55. 餓鬼の目に水見えず ( がきのめにみずみえず )
餓鬼(常に飢えと渇きに苦しむ亡者)はいつものどが渇いているので、かえってそばに水があっても気付かない。
あまり焦って求めると、かえって求めるものが見付からない、という意味。
56. 耳聞は目見に如かず ( じぶんはもくけんにしかず )
耳で聞いて得た知識よりも、目で見た見識のほうが確かである。
聞きかじりよりも、体験によって得た知識が正確である。