57. 飛耳長目 ( ひじちょうもく )
物事の観察に鋭敏なこと。遠くのことをよく聞くことの出来る耳と、よく見る事の出来る目。
58. 親の欲目 ( おやのよくめ )
親は自分の子供のことになると愛情に引かれて公平な見方ができなくなり、実際以上にいい評価をしてしまうこと。
【例】 「親の欲目と言われるかもしれないが、この子は野球の才能がある」
59. 泣く子も目を見る ( なくこもめをみる )
相手の様子をみようということ。
だだをこねている子供でも、時々は親の顔色を見て様子をうかがう。
60. 手功より目功 ( てこうよりめこう )
手先の熟練よりも経験によって鑑識眼を養うほうがいいということ。
61. 耳を貴び目を卑しむ ( みみをたっとびめをいやしむ )
人から聞いた事は尊重するが、自分で見たことは軽んずる。
遠い昔のことを尊び、今のことを軽んずることにもいう。
【類句】 耳を信じて目を疑う
62. 膝っ子に目薬 ( ひざっこにめぐすり )
はなはだしい見当違いのこと。
63. 二階から目薬 ( にかいからめぐすり )
二階にいる人が階下にいる人に目薬をさすように、思うようにならないでもどかしいことから、
回り遠くて直接効果のないことを言う。
【参考】 「天井から目薬」ともいう。
64. 生き馬の目を抜く ( いきうまのめをぬく )
生きている馬の目玉を抜き取る、という意味から、他人を出し抜いて、すばしこく利益を得ることのたとえ。
【例】 「生き馬の目を抜く行動により、会社で昇進していった」
65. 死ぬ子は眉目よし ( しぬこはみめよし )
とかく早く死ぬ子は、器量がよいものである。早死にした者は惜しまれるたとえ。
66. 女の心は猫の目 ( おんなのこころはねこのめ )
女の心は猫の目のようにかわりやすいことのたとえ。
67. 病む身より見る目 ( やむみよりみるめ )
病気の本人もつらいが、その看病をしている人は、もっとつらい思いをしている、ということをいう。
68. 口は閉じておけ目は開けておけ
( くちはとじておけめはあけておけ )
言葉を慎んで活眼を開け。沈黙を守ってよく観察せよ、という意味。
【参考】 Keep your mouth shut and your eyes open. の訳語。
69. 蜻蛉の鉢巻きで目先が見えぬ
( とんぼのはちまきでめさきがみえぬ )
とんぼの目は頭についているので、鉢巻きをすると目が隠れてしまうことから、目先のきかないことをいう。
70. 士別れて三日即ち当に刮目して相待つべし
( しわかれてみっかすなわちまさにかつもくしてあいまつべし )
男子は別れて三日もあわないと、その間にすばらしい進歩をとげるから、よく目を見開いて見るようにしてほしい。
71. 腹の皮が張れば目の皮が弛む
( はらのかわがはればめのかわがたるむ )
腹いっぱい食べて腹がふくれ、腹の皮が突っ張れば、その分だけ目の皮が弛む。
食べると眠くなる、という意味。
72. 壁に耳あり障子に目あり ( かべにみみありしょうじにめあり )
どこで誰が聞いているか、どこで誰が見ているかわからない。
密談や秘事はとかく漏れやすい、という意味。
【参考】 「壁に耳あり」ともいう。
【参考】 Walls have ears. の訳語。
73. 碁に凝ると親の死に目に会えない
( ごにこるとおやのしにめにあえない )
囲碁は夢中になりやすいために、親の死に目にさえ会えないことがある。
遊びごとにふけると、とかくやめられないことをいう。
74. 聞けば気の毒見れば目の毒 ( きけばきのどくみればめのどく )
見たり聞いたりすれば煩悩が生じ、欲望が起こって、心身の苦しみが多い、という意味。
75. 能書の読めぬ所に効目あり ( のうがきのよめぬところにききめあり )
薬の効能書と同じように、およそ世の中は、わからぬところにありがたみがわいてくるとの意。
なんでも全部まる見えでないほうが尊いということ。
76. 眼光紙背に徹する ( がんこうしはいにてっする )
紙の裏まで見通す意で、読書の際、単に字句の解釈にとどまらず、その内容を深く読み取ること。
77. 青眼 ( せいがん )
晋の阮籍は、歓迎する人に会う時は青眼(黒目)で、気に食わない人に会う時は白眼で対した、という故事から、
歓迎の心を現わした目つき、好意に満ちた目つきのことをいう。
78. 白眼 ( はくがん )
人をにらみつける目つき。人を冷遇する目つき。
晋の阮籍は、自分の気に合った人には青眼(黒眼)で迎え、気に入らない人には白眼で迎えたという故事。
【参考】 「白眼視する。[冷たい目つきで人を見ること、冷遇すること。]」と使う。
79. 千里眼 ( せんりがん )
遠い所のできごとや人の心などを、直覚的に感知することができる能力。千里の先までも見抜く能力。
後魏(こうぎ)の楊逸(よういつ)は、民衆のための政治を心がけ、
耳目の役目をする者を広く配置して遠方の情報をよく知ったので、人が千里眼を持っていると言った。
80. 一隻眼 ( いっせきがん )
物を見抜く力のある独特の見識。
「隻」は一つ。他の人とは違った一つの目という意。
81. 大勢の眼鏡はたしか ( おおぜいのめがねはたしか )
多数の人の判断はだいたい正確である。
82. 雲煙過眼 ( うんえんかがん )
物事に深く心をとめない。あっさりとして執着しないこと。
雲や煙がたちまち目の前を通り過ぎて跡形もない、という意味。
【参考】 「煙」は「烟」とも書く、同字。
83. 背中に眼はない ( せなかにめはない )
後のほうは見えない。かげでこっそりやる悪事には気がつかないたとえ。
84. 目は人の眼 ( めはひとのまなこ )
目はいちばん大事な器官だということ。
その人がどんな人物であるかは目に現われている。
85. 富人来年を思い貧人眼前を思う
( ふうじんらいねんをおもいひんじんがんぜんをおもう )
富んでいる者は余裕があるから来年のことを考え、貧しい者は日々の生活に追われて暇がなく、ただ目前のみのさしあたったことだけを思うという意味。