1. 腹心 ( ふくしん )
深く信頼できる人。腹となり胸(こころ)となる者の意。
【例】 「万事腹心の部下に相談して決定する」
2. 腹に一物 ( はらにいちもつ )
心の中にたくらむことがある様子。
【例】 「腹に一物あるような物の言い方をする」
【類句】 胸に一物
3. 腹心を布く ( ふくしんをしく )
心の奥底をかくさず打ち明ける。思うことをすっかりのべること。
4. 腹は借り物 ( はらはかりもの )
母親の腹は一時借りただけで、生まれた子の貴賤(きせん)は、母は問題ではなく父による。
5. 腹が後へ寄って来る ( はらがうしろへよってくる )
腹の皮が背中のほうへ寄って来るということで、空腹になること。
6. 腹が立つなら親を思い出せ ( はらがたつならおやをおもいだせ )
腹が立った時には、自分をいつくしんでくれた親のことを思い浮かべると、自然に気持ちもなごやかになり気分が静まる。
7. 腹が減っては戦ができぬ ( はらがへってはいくさはできぬ )
空腹では何もできない、まず腹ごしらえだ、というときの言葉。
8. 腹が減ると腹が立つ ( はらがへるとはらがたつ )
人間は空腹になると怒りっぽくなる。
9. 腹立てるより義理立てよ ( はらたてるよりぎりたてよ )
義理の大切なことをいったもので、腹を立ててもなんにもならない。
それよりも義理を立てておくのが身のためということ。
10. 腹の皮が張れば目の皮が弛む
( はらのかわがはればめのかわがたるむ )
腹いっぱい食べて腹がふくれ、腹の皮が突っ張れば、その分だけ目の皮が弛む。
食べると眠くなる、という意味。
11. 腹の立つ事は明日言え ( はらのたつことはあすいえ )
腹が立ったからといって、それをすぐ口にだすなということ。
よく考えてからいうようにすれば失敗もすくないということ。
12. 腹の立つように家倉建たぬ ( はらのたつようにいえくらたたぬ )
お金をもうけるのは容易ではないということ。
倉を建てるのはそんな手軽なわけにはいかないのである。
13. 腹は立て損喧嘩は仕損 ( はらはたてそんけんかはしぞん )
思ってみても得るところはないし、喧嘩をすれば損をするから、怒りは押さえなければならない。
14. 腹八分目に医者いらず ( はらはちぶんめにいしゃいらず )
満腹になるまで食べず、八分目ぐらいでやめておけば腹をこわす心配はなく、医者に掛からないで済む。
暴飲暴食を戒める言葉。
15. 棒腹絶倒 ( ほうふくぜっとう )
大笑いをすること。腹をかかえ、ひっくり返って大笑いする、という意味。
【参考】 「抱腹」とも書くが、「棒腹」が正しい。
16. 鼓腹撃壌 ( こふくげきじょう )
平和な生活を楽しむようす。人民が腹いっぱい食べて腹つづみを打ち、地面をたたいて調子をとり歌を歌っていること。
17. 心腹に落つ ( しんぷくにおつ )
ふに落ちる。合点がゆく。「心腹」は、こころ。胸のうち。
18. 茶腹も一時 ( ちゃばらもいっとき )
お茶を飲んだだけでもしばらくは空腹をしのげる。
少しばかりのものでも、口に入れれば一時しのぎにはなる、ということ。
19. 後腹が病める ( あとばらがやめる )
出産したあとの腹痛。物事が済んだ後でも、何かと障害があって苦しむことにいう。
20. 魚腹に葬らる ( ぎょふくにほうむらる )
水死すること。水死して魚の餌となる意。
21. 粥腹も一時 ( かゆばらもいっとき )
かゆのように力にならぬものでも、食べておけば一時しのぎの役にたつことから、急場の間に合わせのたとえ。