24. 向こうを張る ( むこうをはる )
相手が何かをしたのに対し、負けずに張り合う。
【例】 「君の向こうを張って、僕もスポーツカーを買ったよ」
25. 婿三代続けば金持ちになる ( むこさんだいつづけばかねもちになる )
婿取りが三代続けば金持ちになるということで、婿がまじめによく働くことをいったもの。
26. 虫がいい ( むしがいい )
自分に好都合なようにしか考えない、ずうずうしい様子。
【例】 「寝ていて儲かるなんて、虫のいい話はない」
27. 虫が知らせる ( むしがしらせる )
何か不幸な出来事が起こるような、嫌な予感がする、という意味で、
これといった理由もなくいつもとは違った行動をとったことを、後に思い起こして言う言葉。
【例】 「今思えば虫が知らせたのか、違う道を通ったため難を免れた」
28. 虫が好かない ( むしがすかない )
はっきりした理由はないが、何となく嫌だと思う様子。
【例】 「あの上司はどうも虫が好かない」
29. 虫がつく ( むしがつく )
草木や衣類・書画などが虫のために損なわれる、ということから、未婚の女性に好ましくない男ができる。
【例】 「悪い虫がつかないように、きちんとしつけをする」
30. 虫酸が走る ( むしずがはしる )
不快なものに接して、嫌でたまらない感じがする。
【参考】 「虫酸」は胃から口に出てくる酸っぱい液体のこと。
【例】 「あいつの顔を見ると虫酸が走る」
31. 虫の息 ( むしのいき )
息も絶え絶えで、今にも死にそうな状態。
【例】 「彼女は事故に遭い、虫の息だ」
32. 虫の居所が悪い ( むしのいどころがわるい )
機嫌が悪く、ちょっとしたことにでも腹を立てやすい様子。
【例】 「虫の居所が悪いときは、相手にしないほうが賢明だ」
33. 虫も殺さない ( むしもころさない )
殺生なことなどとてもできないと思われるほど性質の優しい様子。
【例】 「虫も殺さないような顔をして、ひどいことをする」
34. 狢と狸 ( むじなとたぬき )
駆け引きの多いずる賢い者同士が、あらゆる手段を用いて対抗すること。
【類句】 狐と狸の化かし合い
35. 狢の穴で狸を捕る ( むじなのあなでたぬきをとる )
仲間は住んでいるところもだいたい同じだということ。
36. 矛盾 ( むじゅん )
前後のつじつまが合わないこと。昔、盾と矛とを売る人があり「自分の盾は非常に堅くて、どんなに鋭い矛でも、
突き通すことはできない」といい、また「自分の矛は非常に鋭く、どんなに堅い盾でも、必ず突き通すことができる」
と自慢した。そこで、ある人が「お前の矛でお前の盾を突いたらどうなるのか」というと、その人は返事ができなかったという故事。
37. 無尽蔵 ( むじんぞう )
いくら取ってもなくならない。「尽くること無き蔵」と読み、いくら取り出しても、無くなることの蔵の意味。
【例】 「次から次へと無尽蔵に水がわき出ている」
38. 娘三人あれば身代が潰れる
( むすめさんにんあればしんだいがつぶれる )
結婚適齢期の娘が三人いると、その嫁入り支度のために財産がなくなってしまう、という意味。
【参考】 「身代」は、「身上」ともいう。「女三人あれば身代が潰れる」ともいう。
39. 娘一人に婿八人 ( むすめひとりにむこはちにん )
望む者が多くて、これに応ずる者が少ないということのたとえ。
40. 娘を見るより母を見よ ( むすめをみるよりははをみよ )
母親の人柄を見れば、どんな娘かわかるということ。
つまり、嫁をもらうときには娘を見なくても、母親を見ればどのような娘かわかるということ。
41. 鞭を投じて流れを断つ ( むちをとうじてながれをたつ )
軍勢が多く勢いが盛んなこと。川を渡る兵士の数が多く、鞭を投げ込めば揚子江の流れをせき止めることができる、という意味。
42. 胸に一物 ( むねにいちもつ )
心の中にひそかに考えていることがあるのをいう。
【参考】 「腹に一物」ともいう。
43. 胸に釘 ( むねにくぎ )
心中の弱点を突かれること。
44. 無用の用 ( むようのよう )
世の中で無用とされている物も、見方を変えれば、かえって大いに役に立つことがある、ということ。
また、一見したところ用途のないようなものが、実際は人間の知見を超えた働きがある、という意味。
45. 無理が通れば道理が引っ込む ( むりがとおればどうりがひっこむ )
道理にはずれたことが公然と世の中に行われると、道理にかなったことが行われなくなる。
道理に合わないことの方が、世に行われやすいことをいう。
【参考】 「無理が通らば道理引っ込め」という語もある。
46. 無理もない ( むりもない )
一見納得しかねるようなことが、よく考えれば十分に道理があり、当然であると認められる様子。
【例】 「勘違いをしていただけなのに、そんなに言われれば彼が怒るのも無理はない」