1. 足の裏の飯粒 ( あしのうらのめしつぶ )
足の裏にはりついた飯粒はなかなかとれない。じゃまでわずらわしいもののたとえ。
2. 足下から鳥が立つ ( あしもとからとりがたつ )
突然、身近なところに意外な事件が起こるたとえ。
また、急に思いついたように物事を始めるたとえにもいう。
3. 足下を見られる ( あしもとをみられる )
弱点を見抜かれてつけ込まれる。弱みをにぎられる。
【参考】 「足下を見る」ともいう。
【例】 「人気商品だということから、足下を見られて値引きしてくれなかった」
4. 足を知らずして靴を為る ( あしをしらずしてくつをつくる )
同じ種類のものは性質も共通する、という意味。
人の足の大きさには大差がないから、いちいち足の大きさを知らなくとも、靴を造ることができる。
5. 足寒うして心を痛む ( あしさむうしてしんをいたむ )
わざわいは下の者の不平から起きることのたとえ。
現在では、足を冷やすと心臓に悪いという意味に使う。
6. 二足の草鞋を履く ( にそくのわらじをはく )
江戸時代、ばくち打ちで捕吏(ほり)を兼ねる者があったことから、表向きの仕事、公的な仕事のほかに、
同じ人がそれと相反するような他の仕事を同時にすること。
【例】 「最近は医者でタレントというような二足の草鞋を履く人が増えてきた」
7. 蛇足 ( だそく )
余計なつけたし。無用のもの。
昔、楚(そ)の国で数名の者が酒を賭(かけ)にして、蛇(へび)を早く描(か)きあげる競争をした。
早くできた一人が得意になり、不必要な足まで描き加えたために、酒をもらいそこなったという故事。
8. 驥足を展ぶ ( きそくをのぶ )
すぐれた才能のある者が、十分に能力を発揮するたとえ。
「驥」は、一日に千里を走るという名馬。名馬が全力を出して走る意。
9. 手足を措く所なし ( しゅそくをおくところなし )
安心していられない。気を許して手や足を置くところもない状態である、という意味。
10. 駿足長阪を思う ( しゅんそくちょうはんをおもう )
足の速い良馬は、長い坂道があればよいと思う。
有能な人は、むしろ困難なことが起こればよいと願う。
11. 手足を擂粉木にする ( てあしをすりこぎにする )
手足をすり減らすほどに、一生懸命に奔走することの形容。
12. 百足の足は死して僵れず ( ひゃくそくのあしはししてたおれず )
むかでは足がたくさんあるから、死んでもひっくりかえらないということで、
支持する者や助ける者が多いものはなかなか滅びないことのたとえ。
13. 頭寒足熱 ( ずかんそくねつ )
頭を冷やし足もとを暖かにすること。健康を保つコツの一つ。
14. 蛇の足より人の足 ( へびのあしよりひとのあし )
足もとに気をつけよということ。
15. 芋茎で足を衝く ( いもがらであしをつく )
うっかり(油断)して思わぬ失敗をすること。また、大げさなことのたとえ。
16. 長芋で足を突く ( ながいもであしをつく )
油断して思わぬ失敗をすること。
17. 冷板で足を焼く ( ひやいたであしをやく )
あるはずのない事が起こることもあるということ。
18. 首くくりの足を引く ( くびくくりのあしをひく )
滅びかかっている者に、いっそう滅亡を早めるようなことをするたとえ。
19. 手の舞い足の踏む所を知らず
( てのまいあしのふむところをしらず )
こおどりして喜ぶさま。無我夢中になって喜ぶようす。
20. 兄弟は手足たり ( けいていはてあしたり )
兄弟は自分の手足のようなものであって、かけがえがない。
一度失えば再び得ることができないものである、ということ。
21. 馬鹿の大足 ( ばかのおおあし )
大きな足の人間をあざけっていう言葉。
【参考】 「馬鹿の大足、のろまの小足、ちょうどいいのは俺の足」と続ける。
22. 人の事より足もとの豆を拾え
( ひとのことよりあしもとのまめをひろえ )
他人のことをかれこれというよりもまず、自分のことに注意せよということ。
23. 千里の行も足下に始まる ( せんりのこうもそっかにはじまる )
千里も遠いところに旅行する場合にも、その第一歩は足下から始まる、ということから、
どんな大きな仕事も手近なところから始まる、という意味。
24. 一挙手一投足 ( いっきょしゅいっとうそく )
わずかの骨折り。少しの労力。一度手を挙げ、一度足を動かす、という意味。
25. 手がはいれば足もはいる ( てがはいればあしもはいる )
一度気を許せば、だんだん深入りされて、ついにはすべて侵されてしまうたとえ。
26. 仲人は草鞋千足 ( なこうどはわらじせんそく )
仲人の骨折りは大変なものだということ。
昔、仲人が縁談を一つまとめるためには、わらじをたくさん履き切ったといわれた。
27. 地獄の上の一足飛び ( じごくのうえのいっそくとび )
極めて危険なことのたとえ。
28. 事ある時は仏の足を戴く ( ことあるときはほとけのあしをいただく )
日ごろ不信心のものも、いったん事ある場合には、仏の足下にひれ伏して、救いを祈る。
29. しゃべる者は半人足 ( しゃべるものははんにんそく )
仕事をしながらしゃべる者は、半人前しかできない。仕事に雑談は禁物。