1. 髪結いの亭主 ( かみゆいのていしゅ )
髪結いを女房にすると亭主はその稼ぎで遊んで暮らせる意から、女房の稼ぎで養われている男。俗に「ひも」とも。
2. 苦髪楽爪 ( くがみらくづめ )
苦労の多い時は毛髪が早く伸び、楽をしている時は爪が伸びるといわれる。
【参考】 「苦爪楽髪」ともいう。
3. 怒髪冠を衝く ( どはつかんをつく )
非常に怒ったようす。はげしい怒りのために髪の毛がさかだち、かぶっている冠をつきあげる、という意味。
4. 怒髪天を衝く ( どはつてんをつく )
『史記』の言葉から、怒りで髪の毛が逆立つ意で、激怒する様子のたとえ。
【参考】 「怒髪冠を衝く」ともいう。
5. 一髪千鈞を引く ( いっぱつせんきんをひく )
非常に危険なこと。一本の髪の毛で、三千斤の重いものを引っ張る意。
【参考】 「一鈞」は三十斤(約6.68キログラム)。
6. 間髪を容れず ( かんはつをいれず )
ほとんど間をおかずに。時間的余裕が全くなく。すぐに。ただちに。
事態がさしせまって、その間に髪の毛一本を入れるすきまもないということ。
【参考】 注意として、「かんぱつをいれず」と続けて読まずに、「かん、はつをいれずに」と、ちょっと切って読む。
7. 白髪三千丈 ( はくはつさんぜんじょう )
積もる憂いの形容。長年の憂いが積もって頭髪が白くなり、長く伸びた、と嘆じた語。
「三千丈」は、長いことを示す誇張した表現。
8. 女の髪の毛には大象も繋がる
( おんなのかみのけにはたいぞうもつながる )
女の髪の毛で作った網は、大きな象を繋いで引っ張っても切れないほど強い。
女の色香が男を引き付ける力の強いことをたとえていう。
9. 身体髪膚これを父母に受く ( しんたいはっぷこれをふぼにうく )
からだ全体、髪の毛や皮膚に至るまで、すべて父母から受けているものであるから、大切にせよ。
10. 吐哺握髪 ( とほあくはつ )
人材を求めるのに熱心なこと。食事中に人が来訪すれば、一度口に入れた食べ物を吐き出してすぐに会い、
髪を洗っている時に人が来訪すれば、ぬれた髪を握ったまま、すぐさま出迎えたという周公(しゅうこう)の故事。
【参考】 『史記』は、「吐哺捉髪(そくはつ)」であるが、『韓詩外伝(かんしげでん)』巻三と『十八史略』巻一とには「吐哺握髪」とある。
11. 危機一髪 ( ききいっぱつ )
極めてあぶないこと。あぶない瀬戸際。
一本の髪の毛で千鈞の重さの物をつり上げるような極めて危険なたとえ。
今は、一つまちがえば危険に身をさらされようとする意に用いる。
12. 髭の塵を払う ( ひげのちりをはらう )
中国の宋の丁謂が、宰相こう準の髭が吸い物で汚れたのをふいて、たしなめられたという故事から、
人の髭についたゴミをとってやることから、目上の者にこびへつらう、という意味。
13. 竜の髭を蟻がねらう ( りゅうのひげをありがねらう )
弱い者が身のほども考えず、無鉄砲な勇気をふるって、強い者に立ち向かうこと。
14. 竜の髭を撫で虎の尾を踏む ( りゅうのひげをなでとらのおをふむ )
非常な危険を冒すことのたとえをいう。
15. 濁り酒は髭につく ( にごりざけはひげにつく )
そまつな物や安い物にはそれ相応の短所があるということ。
「濁り酒」は清酒に対するもので、昔はかすごめといった。
16. 食わぬ飯が髭に付く ( くわぬいいがひげにつく )
身に覚えがないのに疑いを受けること。
盗んで食べもしないのに、ひげに飯がついているといって疑われる。
無実の罪をなすりつけられること。
17. 比丘尼にひげ出せ ( びくににひげだせ )
無理難題をいうことのたとえ。
18. 眉を伸ぶ ( まゆをのぶ )
心配事がなくなること。人は心配があると、眉をしかめるから。
【参考】 「眉を開く」「愁眉を開く」ともいう。
19. 愁眉を開く ( しゅうびをひらく )
「愁眉」は心配そうな顔つきの意で、状況が好転し、明るい気分になる。
【類句】 眉を開く
20. 白眉 ( はくび )
多くの中で最もすぐれているもの。傑出しているもの。
三国時代、蜀(しょく)の馬氏(ばし)に五人の子がいて、皆すぐれていたが、その中でも馬良(ばりょう)が最もすぐれていた。
その馬良の眉に白い毛がまじっていたので、世人は五人兄弟のうち、白眉が一番よいといった故事による。
21. 柳眉を逆立てる ( りゅうびをさかだてる )
「柳眉」は美人の眉のことで、美人が激しく怒る様子。
【例】 「約束の時間に遅れてしまい、彼女に柳眉を逆立てて怒られた」
22. 死ぬ子は眉目よし ( しぬこはみめよし )
とかく早く死ぬ子は、器量がよいものである。早死にした者は惜しまれるたとえ。