1. 性相い近く習い相い遠し ( せいあいちかくならいあいとおし )
		
			 人の性質というものは、生まれ持ったものは大きな相違のあるものではないが、長じて大差が生ずるのは、習慣や環境のためである。
		
		2. 生ある者は必ず死あり ( せいあるものはかならずしあり )
		
			 生きている者はいつか必ず死ぬ時がある。だから生命は永遠のものではない。
			 【参考】 「生者必滅」と同じ意。「生ある者は必ず滅す」ともいう。
		 
		3. 青雲の志 ( せいうんのこころざし )
		
			 「青雲」は高い空をいい、高い地位にたとえ、立身出世して高い地位につこうとする心、功名を立てようとする心のことをいう。
			 【例】 「青雲の志を抱いて上京する」
		
		4. 青雲の士 ( せいうんのし )
		
			 学問や徳行が高くて世に知られた人。また高位高官に立身した人。
		
		5. 精衛海を填む ( せいえいうみをうずむ )
		
			 出来もしないことを計画して、結局失敗に終わることのたとえ。「精衛」とは、中国に伝わる想像上の鳥。夏の神。
			災帝の女が東海に溺れ、精衛に化身して現われ、東海を埋めようと、西山の木や石を運んだが、徒労に終わったという。
		
		6. 青眼 ( せいがん )
		
			 晋の阮籍は、歓迎する人に会う時は青眼(黒目)で、気に食わない人に会う時は白眼で対した、という故事から、
			歓迎の心を現わした目つき、好意に満ちた目つきのことをいう。
		
		7. 晴耕雨読 ( せいこううどく )
		
			 晴天には田を耕し、雨天の日は家で読書をする。
		
		8. 成功の下久しく処る可からず ( せいこうのもとひさしくおるべからず )
		
			 成功して地位も名誉も得たら、その地位をはやく退くべきである。
			そうしないと人にうらやまれたり、怨みを受けたりして身の禍を招くということ。
			 【参考】 「功成りて居らず」ともいう。
		
		9. 正鵠を失わず ( せいこくをうしなわず )
		
			 「正」も「鵠」も、弓を射る的の真ん中のこと。転じてねらい、要点。要点をつく、急所をつくの意。
			 【参考】 「正鵠」は「せいこう」とも言う。
		
		10. 青山ただ青を磨く ( せいざんただせいをみがく )
		
			 青々と茂った山がいつまでもその美しさを失わないように、君子もまたその徳を失うことはない。
		
		
		11. 青史 ( せいし )
		
			 歴史。記録。昔の書物は竹の札を用い、青竹を火であぶって油を出しその青味を取り去り、書きやすくしたので青の名がある。
		
		12. 精神一到何事か成らざらん ( せいしんいっとうなにごとかならざらん )
		
			 精神を集中して努力すれば、どんな困難なことでも出来ないことはない。精神力の大切なことをいった語。
			 【参考】 Where there's a will, there's a way.
		 
		13. 聖人に夢無し ( せいじんにゆめなし )
		
			 聖人は心がいつも安らかで、清らかであるから、雑夢などみないで安眠する。
		
		14. 聖人は褐を被て玉を懐く ( せいじんはかつをきてたまをいだく )
		
			 聖人は外見上は粗末であるが、玉のように美しく汚れのない心を持っている。
		
		15. 清濁併せ呑む ( せいだくあわせのむ )
		
			 度量が大きく、分け隔てしないでだれでも受け入れる。包容力が大きいこと。
			 【参考】 「清濁」は、正と邪、善人と悪人の意。
		
		16. 清談 ( せいだん )
		
			 世間離をれした、趣味・芸術・学問などの話。
			もともと、魏晋時代に社会の道徳や礼儀などを無視し、
			自分たちだけが俗世間から逃れて清い生活をしようとした人たちが話し合った談話。
		
		17. 成竹 ( せいちく )
		
			 画家が竹を書く前に、竹のようすを胸の中に想像し、その後に筆をとる、ということから、
			事前に計画を立てること。また、事前に立てた計画。
		
		18. 掣肘 ( せいちゅう )
		
			 そばからよけいな口出しをして、自由な行動をさせないこと。
			孔子の弟子のフク子賤が任地に行く時、魯の哀公の側近の書記二人を借りて行き、書類を書かせた。
			二人が書き始めるとフク子賤は、そばから二人の肘を引っ張って邪魔し、字の出来が悪いと叱った。
			二人が帰って魯公にその事情を話すと、魯公は、それはフク子賤が自分(魯公)の、任に当たる者を信じて任せず、
			いろいろと口出しする不明を諫めようとしているのだ、と悟り、早速使者をやってフク子賤の思うとおりに任地を治めさせた、
			という故事に基づく。
		
		19. 井中星を視る ( せいちゅうほしをみる )
		
			 井戸の中から星を見ればわずかしか見えない。
			私心にとらわれて物事を見れば、正しい全容を知ることは出来ない。広い心で物事を見なさいということ。
		
		20. 掣肘を加える ( せいちゅうをくわえる )
		
			 そばからあれこれと干渉して、行動の自由を束縛すること。
			 【参考】 「掣肘」は肘を引く意。
			 【例】 「新人社員には掣肘を加えるのではなく、自由にさせることが大事だ」
		
		
		21. 急いては事をし損じる ( せいてはことをしそんじる )
		
			 焦って事を急ぐと、しなくてもよい失敗をするものだの意で、功を急ぐことを戒める言葉。
			 【参考】 Haste makes waste.
			 【例】 「君はすぐ思ったことを実行するが、急いては事をし損じるだから、気を付けた方がよい」
			 【類句】 急がば回れ
		 
		22. 青天の霹靂 ( せいてんのへきれき )
		
			 晴れた青空に急に起こった雷鳴のことで、突然に起こった大事件のたとえ。
			 【例】 「株価暴落はまさに青天の霹靂であった」
		
		23. 青天白日 ( せいてんはくじつ )
		
			 心にやましいところが全くないこと。また、無罪であることが明らかなこと。身が潔白なこと。
		
		24. 晴天をほめるには日没を待て 
  ( せいてんをほめるにはにちぼつをまて )
		
			 朝、晴れていたからといっても、夕方にならなければその日の天気はわからない。
			人の幸も死ぬまではなんとも言えない。
		
		25. 盛年重ねて来たらず ( せいねんかさねてきたらず )
		
			 若い元気のよい時は一生のうち二度と来ないから、その時代を無駄に過ごしてはいけない、ということ。
		
		26. 生は難く死は易し ( せいはかたくしはやすし )
		
			 苦しさに耐えて生きていくことはむずかしいけれども、死ぬことは極めてやさしい。
			だから生命は軽く考えてはいけない。
		
		27. 生は寄なり死は帰なり ( せいはきなりしはきなり )
		
			 人がこの世に生きているのは、短い間仮に身を寄せているのであって、死ぬということは、本来いたはずの所へ帰るようなものである。
		
		28. 清白を子孫に遺す ( せいはくをしそんにのこす )
		
			 いさぎよく清らかな心を子孫に伝える。
		
		29. 生は死の始め ( せいはしのはじめ )
		
			 この世に生まれるということは、やがて死んであの世の人となる始まりである。
		
		30. 政は正なり ( せいはせいなり )
		
			 「政」という字は「正」が音を表わす。すなわち国家を正しく治めることである。