1. 赤い信女が子をはらみ ( あかいしんにょがこをはらみ )
信女とは、墓の石塔に書いてある戒名。赤い信女とは未亡人のことで、子をはらまないのに子をはらむという意。
2. 赤いは酒の咎 ( あかいはさけのとが )
顔が赤いのは酒のせいで、私が悪いのではありません。という酒の上での軽口。
3. 赤縄を結ぶ ( せきじょうをむすぶ )
夫婦の縁を結ぶこと。
【参考】 「赤縄の契り」ともいう。月下氷人
4. 赤貧 ( せきひん )
極端な貧乏。「赤」は何もない意味。何一つ所有物がないほどの、ひどい貧乏。
5. 赤心を推して人の腹中に置く
( せきしんをようしてひとのふくちゅうにおく )
人に接するのに、少しの隔てもなく真心をもってすること。
6. 赤貧洗うが如し ( せきひんあらうがごとし )
「洗うが如し」は洗い流したように何一つ物がないということで、無一物といっていいほど貧しい暮らしをしている様子。
7. 好きに赤烏帽子 ( すきにあかえぼし )
どんな変わったものでも、人は好き好きだということ。
8. 石塔の赤い信女が又孕み ( せきとうのあかいしんにょがまたはらみ )
未亡人が私通して妊娠すること。
夫が死んだとき、墓石には夫婦の戒名を並べて刻むが、生きている未亡人のは朱を塗っておく風習があった。
【参考】 戒名では女は大姉か信女となる。
9. 大人は赤子の心を失わず ( たいじんはせきしのこころをうしなわず )
一国の主君たる者は、その領地の民をあかごのようにいたわって、民の心を失わない。
また、大徳の人はいろいろの事柄に通じていても、あかごのときのすなおで正直な心をいつまでも忘れないで、
これを広めて徳を大きくしたものだという意。
10. 隣の花は赤い ( となりのはなはあかい )
他人の物はよく見えてうらやましく思うのが人の常である、という意味。
【類句】 隣の薔薇(ばら)は赤い / 隣の芝生は青く見える
11. 亭主の好きな赤烏帽子 ( ていしゅのすきなあかえぼし )
烏帽子は黒塗りが普通であるが、亭主の好みとあれば、人から笑われるようなどんな変わったことでも、
家族はこれに調子を合わせねばならない。絶大な権力を握っているものには我意を曲げても従う、ということ。
12. 朱に交われば赤くなる ( しゅにまじわればあかくなる )
人間は交際する友達や身を置く環境を受けやすく、それによって良くも悪くもなるものだということ。
友人の感化力の大きさ、友人を選ぶことの重要さをいう言葉。
【参考】 He who touches pitch shall be defiled (therewith).
【類句】 人は善悪の友による / 水は方円の器に随う
13. 陶朱猗頓 ( とうしゅいとん )
大金持ち。富豪。陶朱公と猗頓とは、昔の有名な財産家であった。
14. 紅一点 ( こういってん )
多くの男性の中に、ただ一人の女性がいること。緑の草むらの中に、ただ一輪紅い花が咲いているという意味。
【例】 「彼女は工学部の中の紅一点だ」
15. 紅は園生に植えても隠れなし
( くれないはそのうにうえてもかくれなし )
ベニバナは花のたくさん咲いている庭園に植えても人目を引くものである。
才能のすぐれた人はどこにいても自然と目立つものである、という意味。
16. 朝に紅顔あって夕べに白骨となる
( あしたにこうがんあってゆうべにはっこつとなる )
世の中は無情で、人の生死が予測できないことをいう。
朝、元気で若々しい顔をしていた人が夕方には急死して、火葬にされて白骨になってしまうようなことがある。
17. 柳は緑花は紅 ( やなぎはみどりはなはくれない )
春の景色の美しさをいったことば。また、物にはそれぞれ、その物にふさわしい特性があるということ。
18. おうら山吹日陰の紅葉 ( おうらやまぶきひかげのもみじ )
おうらやましい、と人の身の上をうらやんで、我が身を日陰のもみじにという秀句。
19. 紺屋の明後日 ( こうやのあさって )
「紺屋」は染め物屋の意で、染め物屋は、布を乾かすのに天候に左右され、仕上げがとかく延びがちで、催促するといつも
「明後日にはできます」と、言い抜けてばかりいて当てにならない。当てにならない約束をいう意。
【参考】 「紺屋」は「こんや」ともいう。
20. 紺屋の白袴 ( こうやのしろばかま )
「紺屋」は染め物屋の意で、染め物屋でありながら、自分は染めない袴をはいていること。
他人のためにばかり忙しくしていて、自分のことをする暇がないことをいう。昔は紺屋は、普段、袴をはいていた。
【参考】 「紺屋」は「こんや」、「白袴」は「しらばかま」ともいう。
【類句】 髪結いの乱れ髪 / 医者の不養生
21. 黒白を弁ぜず ( こくびゃくをべんぜず )
物事の差別ができない。
22. 頭の黒い鼠 ( あたまのくろいねずみ )
髪が黒いことから人間を鼠にたとえたもので、物がなくなった時などに、その家の関係者が盗んだのだという意を表わす。
【例】 「今回のことは、頭の黒い鼠のしわざだと思う」
23. 這っても黒豆 ( はってもくろまめ )
事理明白であるにもかかわらず、その道理に従わないで、あくまでも自説を主張する人のことをいう。
24. 女房は家の大黒柱 ( にょうぼうはいえのだいこくばしら )
妻こそは一家の中心になるものである。妻は家庭を作り、子供を育てる。