25. 白河夜船 ( しらかわよふね )
ぐっすり眠りこんでいて、何があったかを全く知らないこと。
京都の白河のことを聞かれて、川の名だと思い、夜船で通ったから何も見えなかったと言ったために、
京見物に行ったといううそがばれてしまったことから生まれたことば。
【参考】 白河は京都の北にある地名。
26. 白眼 ( はくがん )
人をにらみつける目つき。人を冷遇する目つき。
晋の阮籍は、自分の気に合った人には青眼(黒眼)で迎え、気に入らない人には白眼で迎えたという故事。
【参考】 「白眼視する。[冷たい目つきで人を見ること、冷遇すること。]」と使う。
27. 白玉楼 ( はくぎょくろう )
文人が死んでから行くという楼。「楼」は高い建物。
【参考】 「若くして白玉楼中の人となる。[文芸に携わっていた人が、年若くして死んだ。]」と使う。
28. 白寿 ( はくじゅ )
九十九歳の俗称。「百」の字の「一」を除くと「白」になるからのしゃれ。
29. 白刃踏む可し ( はくじんふむべし )
刀のむきみを踏むことをも辞さない。勇気のあること。
30. 白髪三千丈 ( はくはつさんぜんじょう )
積もる憂いの形容。長年の憂いが積もって頭髪が白くなり、長く伸びた、と嘆じた語。
「三千丈」は、長いことを示す誇張した表現。
31. 白馬は馬に非ず ( はくばはうまにあらず )
戦国時代の公孫竜(こうそんりゅう)が唱えた、詭弁(きべん こじつけの議論)の説の一つ。
馬は白馬だけに限らない、白馬を馬といえば、他の黒馬や赤馬は馬でないことになる。
馬という抽象的概念と白馬という具体的概念とは違うのだから白馬は馬ではないのである、という論。
【参考】 堅白同異の弁
『韓非子(かんぴし)』外儲説(がいちょせつ)左上に、宋国(そうこく)の弁論家の児説(げいえつ)が、白馬は馬に非ず、というのを持論として、
斉(せい)の国都に集まっていた天下一流の弁論家たちを抑えつけ、得意になり白馬に乗って関所を通ったところが、あっさり馬の税を取られてしまった、という冷やかしの話がある。
32. 白眉 ( はくび )
多くの中で最もすぐれているもの。傑出しているもの。
三国時代、蜀(しょく)の馬氏(ばし)に五人の子がいて、皆すぐれていたが、その中でも馬良(ばりょう)が最もすぐれていた。
その馬良の眉に白い毛がまじっていたので、世人は五人兄弟のうち、白眉が一番よいといった故事による。
33. 白璧の微瑕 ( はくへきのびか )
ほとんど完全なものに、ごくわずかの欠点がある、というたとえ。
「白璧」は、輪の形をした平たく白い宝玉。これから「玉にきず」という語が出来た。
34. 白面の書生 ( はくめんのしょせい )
年が若くて経験に乏しい学者。青二才。
35. 白駒の隙を過ぐるが如し ( はっくのげきをすぐるがごとし )
年月のたつのが、非常に早いたとえ。
人の一生は、白い馬が隙間(すきま)をちらりと走り過ぎるのが見えるような、きわめて短いものである、という意味。
【類句】 光陰矢の如し / 烏兎匆匆
36. 清白を子孫に遺す ( せいはくをしそんにのこす )
いさぎよく清らかな心を子孫に伝える。
37. 黄白 ( こうはく )
おかね。金銭。「黄」は黄色の金、「白」は白色の銀。
38. 黒白を弁ぜず ( こくびゃくをべんぜず )
物事の差別ができない。
39. 堅白同異の弁 ( けんぱくどういのべん )
こじつけの論理。詭弁。
堅くて白い石は、目で見た時は色の白いのがわかるが堅いことはわからない。手で触れると堅いことはわかるが色はわからない。
だから、堅いことと白いこととは同時には成立しないといった、戦国時代の公孫竜(こうそんりゅう)が唱えた説。
【参考】 白馬は馬に非ず
40. 客と白鷺は立ったが見事 ( きゃくとしらさぎはたったがみごと )
お客は席を早く立つのが見事である。長座しないで早く帰ったのが美しいということ。
また、客も白鷺も座っているよりも立って舞うのが見事である。客に余興を求める言葉である。
41. 色の白いは七難隠す ( いろのしろいはしちなんかくす )
女性は色が白ければ、顔かたちが少々醜くてもその欠点をカバーして美しく見える。
色白が女の人の第一条件である、という意味。
42. 隣の白飯より内の粟飯 ( となりのしろめしよりうちのあわめし )
自分の家が一番よいということ。
43. 青蠅白を染む ( せいようはくをしむ )
白壁いっぱいに青ばえがたかって汚すこと。小人が君子の悪口を言うのにたとえる。
また、潔白な人に罪を着せることにも言う。
【参考】 「青蠅」はあおばえ、憎むべき小人。
44. 青天白日 ( せいてんはくじつ )
心にやましいところが全くないこと。また、無罪であることが明らかなこと。身が潔白なこと。
45. 紺屋の白袴 ( こうやのしろばかま )
「紺屋」は染め物屋の意で、染め物屋でありながら、自分は染めない袴をはいていること。
他人のためにばかり忙しくしていて、自分のことをする暇がないことをいう。昔は紺屋は、普段、袴をはいていた。
【参考】 「紺屋」は「こんや」、「白袴」は「しらばかま」ともいう。
【類句】 髪結いの乱れ髪 / 医者の不養生
46. 朝に紅顔あって夕べに白骨となる
( あしたにこうがんあってゆうべにはっこつとなる )
世の中は無情で、人の生死が予測できないことをいう。
朝、元気で若々しい顔をしていた人が夕方には急死して、火葬にされて白骨になってしまうようなことがある。
47. 親の脛囓る息子の歯の白さ
( おやのすねかじるむすこのはのしろさ )
生長しても独立できず親のおかげで生活している子が、
かえって人一倍身なりをきれいにして遊んでいることを皮肉った川柳。