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 ことわざ について
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「い」からはじまる ことわざ 8

208. 倚門の望 ( いもんのぼう )

 他郷に勉学中の子供が、無事に卒業して帰郷するのを、待ち望んでいる母親の気持ちをいう。 戦国時代の王孫賈(おうそんか)の母が、賈が朝早く家を出て夜おそく帰る時は、家の門に寄りかかって、帰りを待ちわびた故事。

209. いやいや三杯 ( いやいやさんばい )

 口では辞退しながら、進められるままに飲み食いを過ごすこと。 遠慮は口先ばかりであるのを笑うのにも使う。

210. 入り日よければ明日天気 ( いりひよければあすてんき )

 夕日が美しいと明日も天気だという天気占い。

211. 入り船あれば出船あり ( いりふねあればでふねあり )

 世はさまざまであることのたとえ。

212. 炒豆と小娘はそばに置かれぬ
   ( いりまめとこむすめはそばにおかれぬ )

 炒豆がそばにあると、知らず知らずのうちに手を出している。 それと同じで、小娘にも男が手を出す。

213. 炒豆に花 ( いりまめにはな )

 炒った豆から芽が出て、それに花が咲く。 一度死んだものや、衰えたものが再び栄える。ありうべからざることをいう。
 【参考】 「炒豆に花が咲く」ともいう。
 【類句】 枯れ木に花が咲く

214. 入るを量りて出づるを為す ( いるをはかりていづるをなす )

 収入によってそれに応じた支出をすること。 収入の額をよく計算して、それに応じた支出をすること。

215. 色気より食い気 ( いろけよりくいけ )

 色欲よりも食欲のほうが先である。飾りより実質を重んじる、ということ。 まだ色気よりも食い気が盛んな年頃の意にも使い、食糧の不足の時には、食物の確保が優先する意にも使う。
 【類句】 花より団子

216. 色の白いは七難隠す ( いろのしろいはしちなんかくす )

 女性は色が白ければ、顔かたちが少々醜くてもその欠点をカバーして美しく見える。 色白が女の人の第一条件である、という意味。

217. 色は思案の外 ( いろはしあんのほか )

 男女間の愛情に関することは、理屈や常識では推し量れない、という意味。

218. 曰く言いがたし ( いわくいいがたし )

 言葉では言い表しにくい内容や性質のものであって、説明を求められても何とも言いようがない。 簡単には言うことができない。

219. 鰯網で鯨を捕る ( いわしあみでくじらをとる )

 思いがけない幸運をつかむこと。 鰯を捕る網に大きな鯨がかかったという意味。
 【類句】 兎の罠に狐がかかる

220. 鰯で精進落ち ( いわしでしょうじんおち )

 鰯のようなつまらない魚を食べて、せっかく精進してきたのをむだにする。 つまらないことで禁戒を破る、というたとえ。

221. 鰯の頭も信心から ( いわしのあたまもしんじんから )

 信じて拝めば、鰯のようにつまらないものでも、ひどくありがたく思われる、という意味。
 【参考】 節分の夜、鰯の頭をひいらぎの枝にさして門口につけ、悪鬼を追い払うまじないにする風習がある。

222. 言わぬが花 ( いわぬがはな )

 何から何まで口に出して言ってしまわないほうがよい。 露骨に言ってしまっては、実もふたもないので、言わないほうがよい、という意にも使う。

223. 言わぬ事は聞こえぬ ( いわぬことはきこえぬ )

 言わなくてもわかっているだろう、と思ってだまっていたのでは人に理解させることはできない。 あとで聞かなかったといわれるとそれまでである。 よく話して念をおしておかなければ、あとで争いのもとになる。

224. 言わぬは言うに優る ( いわぬはいうにまさる )

 口に出して言わないのは、言ってしまうよりも効果がある。 また、黙ってはいるが、その表情から、口で説明する以上に気持ちが先方に通じる、という意味にも使う。
 【類句】 雄弁は銀、沈黙は金

225. 言わねば腹脹る ( いわねばはらふくる )

 言いたいことを言わずにいると、不満が腹の中にたまるものである。

226. 夷を以て夷を制す ( いをもっていをせいす )

 「夷」は異民族、つまり外国の意味で、外国を利用して外国をおさえる。 自国の武力を用いず、外国どうしを戦わせて自国の安全を図ること。
 【参考】 中国の伝統的な外交政策。

227. 殷鑑遠からず ( いんかんとおからず )

 戒めとする前例が近いところにある。他人の失敗のあとを見て、自分の戒めとする、という意味。 「殷」は「夏」の次の古代中国の王朝。夏の最後の王である桀は、暴虐をほしいままにし、殷に滅ばされた。 その殷も、紂王が暴政を行なって周に滅ぼされた。

228. 因果応報 ( いんがおうほう )

 よい行為をした人にはよい報い、悪いことをした人には悪い報いがある。 もともと、仏教で、過去および前世の因業(いんごう)に応じて果報があるという意。

229. 因果の小車 ( いんがのおぐるま )

 悪行とその報いはとは、回転の早い小さな車のまわるようにめぐってくるものである。 因果とは原因と結果。
 【類句】 因果はめぐる小車

230. 印形は首とつりかえ ( いんぎょうはくびとつりかえ )

 一たん押印するときは、首と交換するほどの覚悟で印を押すことが肝要である。 軽率に印を押して後で苦しむ例が多いのを戒めた語。

231. 慇懃無礼 ( いんぎんぶれい )

 表面はきわめて礼儀正しく丁寧であるが、内心には誠意のないこと。

232. 咽喉の地 ( いんこうのち )

 最も重要な土地。人間のからだののどくびに相当するような大切な土地という意味。

233. 陰徳あれば陽報あり ( いんとくあればようほうあり )

 人に知られない善事を行なう人は、必ず明らかなよい報いを受けるものである。
 【参考】 「陰徳陽報」ともいう。

234. 員に備わるのみ ( いんにそなわるのみ )

 人数の中に加えられるだけで、役に立たないこと。

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