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「ゆ」からはじまる ことわざ 1

1. 唯我独尊 ( ゆいがどくそん )

 自分だけ優れていると自負すること。ひとりよがり。
 【参考】 釈迦が生まれたとき、人格の尊厳を説いて「天上天下唯我独尊」と言ったという句に基づく。

2. 幽谷より出でて喬木に遷る ( ゆうこくよりいでてきょうぼくにうつる )

 低い地位から高い地位にうつることを望む意。栄転を望むこと。 鶯(うぐいす)が谷間から出て喬木(高い木)にうつること。

3. 勇者は懼れず ( ゆうしゃはおそれず )

 論語にある言葉で、「智者はまどわず、仁者はうれえず、勇者はおそれず」という。 まことの勇者は何事もおそれない。

4. 勇者は諂えるがごとし ( ゆうしゃはへつらえるがごとし )

 本当の大人物たる者は、その仕える主君に対して、おごりたかぶることなく、いつも非常に謙虚であることをいう。

5. 有終の美 ( ゆうしゅうのび )

 最後までしとげて、立派な成果をあげること。しめくくりが立派なことをいう。

6. 勇将の下に弱卒なし ( ゆうしょうのもとにじゃくそつなし )

 勇気のある将軍の部下に臆病な兵士はいない。 指導者の勇気や個性が、その集団の力や性格を大きく左右することをいう。
【参考】 「強将の下に弱卒なし」ともいう。

7. 融通が利く ( ゆうずうがきく )

 その場その場に応じた適切な応対・処理が出来る。困った時などに形式・慣習にとらわれない考え方、 気転の利いた判断ができることや、経済的に余裕があり、不時の出費などにもあわてずに応じられることを表わす。
 【例】 「結婚してから、お金の融通が利かなくなった」

8. 夕立は馬の背を分ける ( ゆうだちはうまのせをわける )

 夕立は馬の片側をぬらしても他の片側はぬらさないということから、夕立は局地的なものだというたとえ。

9. 雄飛 ( ゆうひ )

 雄鳥の飛揚するように勢い盛んに勇ましく活動すること。
 【参考】 「雌伏」の反対語。

10. 雄弁に物語る ( ゆうべんにものがたる )

 何かが疑いのない事実であることを端的に表わしている。
 【例】 「通帳の残高が、今の生活を雄弁に物語っている」

11. 雄弁は銀、沈黙は金 ( ゆうべんはぎんちんもくはきん )

 上手によどみなく話すことは大切であるが、いつ、どのように沈黙しているべきかを、心得ているのは更に大切である、ということ。
 【参考】 「沈黙は金、雄弁は銀」ともいう。
 【参考】 Speech is silvern (or silver), silence is golden. の訳語。

12. 幽明境を異にする ( ゆうめいさかいをことにする )

 「幽」は暗い意味であの世を、「明」はこの世をのことをいい、死んであの世に行く、死別する、という意味。 ある人と死に別れる意の文章語的な言い方。
 【参考】 弔辞や追悼文などに多く用いる。
 【例】 「長年連れ添った君と幽明境を異にする。」
 【類句】 幽明処を隔つ / 幽明相隔つ

13. 勇名を馳せる ( ゆうめいをはせる )

 勇敢なことをやって世間に名が知れ渡ること。多少皮肉な気持ちを込めて用いることがある。
 【例】 「彼女は泥棒を捕まえて勇名を馳せた人だ」

14. 夕焼けに鎌を研げ ( ゆうやけにかまをとげ )

 西の空に夕焼けを見たら、明日は晴天だから、鎌を研いで草刈りや稲刈りの準備をせよ、ということ。

15. 悠々自適 ( ゆうゆうじてき )

 煩わしい俗世間を離れ、のんびりと気ままに暮らす様子。
 【例】 「定年を迎え、田舎で悠々自適の暮らしをしている」

16. 悠揚迫らず ( ゆうようせまらず )

 切迫した事態や困難な状況にあっても、平生と変わらず落ち着きはらっている様子。
 【例】 「彼は災害現場で、悠揚迫らぬ態度で救出作業を行った」

17. 幽霊の浜風 ( ゆうれいのはまかぜ )

 幽霊も、塩気を含んだ強い浜風に吹きまくられればかなわない、という意味。
 【類句】 青菜に塩

18. 勇を鼓して ( ゆうをこして )

 勇気を奮い起こして何かをする様子。
 【例】 「勇を鼓して、友人に真実を打ち明ける」

19. 行き当たりばったり ( ゆきあたりばったり )

 先の見通しを立てず、成り行きにまかせて行動すること。
 【例】 「いつも旅行に行くときは、行き当たりばったりで旅館を決める」

20. 往きがけの駄賃 ( ゆきがけのだちん )

 馬子が問屋へ空馬を引いて行くついでに、荷物を載せて運び、運賃を自分のものとすることから、 本来の仕事のついでに一稼ぎすることのたとえ。

21. 往き大名の帰り乞食 ( ゆきだいみょうのかえりこじき )

 行きにはえらぶって金を使ってみせるが、帰りにはまったく金を使い果たして、あわれな乞食どうぜんになること。 つまり、はじめにむちゃくちゃに金を使ってしまって、あとではどうにもならなくなることのたとえにいう。

22. 雪と墨 ( ゆきとすみ )

 正反対なことのたとえ。
 【類句】 鷺と烏 / 月とスッポン / 提灯に釣り鐘

23. 雪の上に霜 ( ゆきのうえにしも )

 ありあまる所へさらにふやすことのたとえ。 また、よけいなことをすること。

24. 雪は豊年の瑞 ( ゆきはほうねんのしるし )

 実際には稲や麦の作柄の豊凶を、雪の量との間には、それほど密接な関係はなく、 むしろ悪い影響を与えることのほうが多い。

25. 雪を欺く ( ゆきをあざむく )

 雪のように真っ白な様子。特に、女性の肌の白さを言う。
 【例】 「夏になり、半袖になった彼女は雪を欺く白い肌をさらけ出していた」

26. 行く馬に鞭 ( ゆくうまにむち )

 強くてはやい馬に、その上、鞭をいれるのだから、なおさらはやくなる。 つまり、強いものにさらに力を添えること。

27. 行くに径によらず ( ゆくにこみちによらず )

 道を行くのに大通りを歩き、近道を通るようなことはしない、ということから、 いつも正しい道を行って、よこしまな行為はしない、という意味。

28. 湯気を立てる ( ゆげをたてる )

 ひどく腹を立て、怒りや興奮のあまり顔が上気する様子。
 【例】 「君が約束を破ったといって、彼女は頭から湯気を立てて怒っていたよ」

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