29. 揺さぶりをかける ( ゆさぶりをかける )
相手の気持ちを動揺させたり相手側に混乱を起こさせたりするようなことを仕掛ける。
【例】 「彼はなかなか本当のことを言わないので、少し揺さぶりをかけてみよう」
30. 油断大敵 ( ゆだんたいてき )
自分の心の中の油断は、相手以上に恐ろしい大敵である。
油断は失敗や災害の原因になることが多いので、大いに慎まなければならない、とさとしたもの。
31. 油断も隙もならない ( ゆだんもすきもならない )
少しも油断することができない様子。「油断も隙もない」ともいう。
【例】 「最近は物騒な世の中になり、油断も隙もならない」
32. ゆっくり急げ ( ゆっくりいそげ )
急ぐ時こそ、落ち着いてあせらずに行動しなければならない、という意味。
33. 茹で蛸のよう ( ゆでだこのよう )
酒に酔ったり長湯をしたりして、顔や体がすっかり赤くなる様子。
【例】 「いい温泉だからといってずっと入っていると、茹で蛸のようになるぞ」
34. 湯に入りて湯に入らざれ ( ゆにはいりてゆにはいらざれ )
入浴する事は体のためによいが、いくら湯が体によいといって、長湯をしたり、二度も入ると、
かえってかぜをひいたり、健康をそこなうことがある。なにごとも度を過ぎてはならないというたとえ。
35. 湯の辞儀は水になる ( ゆのじぎはみずになる )
風呂を勧められた時、下手に遠慮したり辞退していたりすると、湯が冷めて水になってしまう、ということから、
辞退するのも時と場合により、過度の遠慮はかえって失礼になる、という意味。
36. 指一本も指させない ( ゆびいっぽんもささせない )
他人からの非難や干渉などは断じて許すまいという態度をとる様子。
【例】 「これは私たちの問題なのだから、部外者には指一本も指させないつもりだ」
37. 指折り数える ( ゆびおりかぞえる )
何かの実現する日が待ち遠しくて、後何日と数えながら待つ。
【例】 「新作ゲームの発売日を、指折り数えて待っている」
38. 指を惜しんで掌を失う ( ゆびをおしんでてのひらをうしなう )
わずかな物を惜しんで大きな物を失うことをいう。
39. 指をくわえる ( ゆびをくわえる )
うらやましいと思っても、自分の力ではどうすることもできず、むなしくそばで見ている。
【例】 「数量限定品が目の前で売り切れるのを指をくわえて見ていた」
40. 指を染める ( ゆびをそめる )
【参考】 手を染める
41. 弓折れ矢尽きる ( ゆみおれやつきる )
戦いに敗れて散々な目にあう意で、力尽きて、どうにもならない状態になること。
【例】 「大会一回戦で敗れた上に怪我までしてしまい、弓折れ矢尽きた感じだ」
【類句】 刀折れ矢尽きる
42. 湯水のように使う ( ゆみずのようにつかう )
金を、あるにまかせて無駄に使う。
【例】 「安月給なのだから、生活費を湯水のように使うことはできない」
43. 弓を引く ( ゆみをひく )
恩を受けた人などを裏切って、敵側に回る。
【例】 「大変世話になった彼に弓を引くような真似はできない」
【類句】 弓を向ける
44. 夢から覚めたよう ( ゆめからさめたよう )
何かに夢中になり、物につかれたようになっていた人が、ふと現実の自分自身の姿に気付く様子。
【例】 「彼は家族のためにと仕事ばかりしていたが、子供に好かれていないことに気付き、夢から覚めたように家族サービスをするようになった」
45. 夢が覚める ( ゆめがさめる )
何かに心を奪われ、他のことを考える余裕のなかった人が、それではいけないと気付き、本来の自分のあり方に立ち戻る。
【例】 「彼はギャンブルばかりして家族を困らせていたが、友人の説得でやっと夢が覚めたようだ」
46. 夢の夢 ( ゆめのゆめ )
ただ想像するだけの、ひどく現実離れしたはかない事柄。
また、過ぎ去った日の、遠くはかない思い出。
【参考】 「夢のまた夢」ともいう。
【例】 「こんな高級車を乗り回せるようになるなんて夢の夢だ」
47. 夢は五臓の煩い ( ゆめはごぞうのわずらい )
夢は体内の五臓の疲れによって生ずるものであるという漢方医の説。
【参考】 五臓は「肺臓・肝臓・腎臓・心臓・脾臓」
48. 夢は逆夢 ( ゆめはさかゆめ )
夢と事実は、反対になって現れることが多いから、悪い夢を見ても気にすることはない。
不吉な夢を見た時に慰めにいう言葉。
【参考】 これに対して、良い夢を見た時は、「夢は正夢(事実と一致する夢)」という。
49. 夢枕に立つ ( ゆめまくらにたつ )
夢の中に神仏や死んだ人が現れて、何かを告げ知らせる。
【例】 「最近亡くなった祖父が毎日のように夢枕に立つようになった」
50. 夢を描く ( ゆめをえがく )
こんな事が実現できたらすばらしいと、自分の将来や社会の未来像などについて想像をめぐらす。
【例】 「みんなが協力し合い、いい町作りが出来るようになればと夢を描く」
51. 夢を追う ( ゆめをおう )
実現の可能性がないに等しいにもかかわらず、こうしたいと思う理想を追い求める。
【例】 「彼女は女優になる夢を追い上京した」
52. 夢を託す ( ゆめをたくす )
こうしたいと思いながらも実現できなかったことが、代わりに他の人によって成し遂げられることを期待する。
【例】 「父が果たせなかった甲子園出場の夢を託し、息子に猛特訓をさせている」
53. 夢を見る ( ゆめをみる )
何かに心を奪われたりとりとめもない空想にふけったりして、なすべきことを忘れた状態になる。
【例】 「そんな成績で有名大学に入るだなんて、いつまでも夢を見てないでしっかり勉強しろ」
54. 夢を結ぶ ( ゆめをむすぶ )
眠る意の雅語的な言い方。
【例】 「今日は疲れたので、ベッドに入るとすぐ夢を結んでいた」
55. 湯を沸かして水にする ( ゆをわかしてみずにする )
せっかく骨折ったのにそれをむだにすることのたとえ。
また努力したのにぜんぜん効果があがらないこと。
【参考】 「湯を沸かして水に入る」ともいう。