1. 江戸の敵を長崎で討つ ( えどのかたきをながさきでうつ )
江戸で恨みを受けた相手を長崎で敵討ちする、ということから、意外なところで、あるいは筋違いのことで仕返しをする、という意味。
2. 江戸っ子は五月の鯉の吹き流し
( えどっこはさつきのこいのふきながし )
江戸っ子は言葉使いは荒っぽいが、腹の中はさっぱりしていて悪気がない。
3. 江戸っ子は宵越しの銭は使わぬ
( えどっこはよいごしのぜにはつかわぬ )
江戸の者には金離れがよく,その日にもうけた金はその日のうちに使ってしまって、翌日に繰り越して使わない。
【参考】 「江戸っ子は宵越しの金は持たない」ともいう。
4. 江戸からも立ち序 ( えどからもたちついで )
よい時機を見はからうこと。チャンスを待つ。
江戸から地方へ旅立つにも、なにかのよいついでを待って、時機を見はからって出かけることをいう。
5. 江戸っ子の往き大名、還り乞食
( えどっこのゆきだいみょう、かえりこじき )
江戸っ子が旅をするときは、行くときはあと先の考えもなく大名のようにぜいたくをし、
そのため帰りにはすっからかんの一文なしになって、こじきのようにみじめな姿でかえってくることから、
後の考えもなく気前よく金を使うことのたとえ。
6. 江戸の八百八町、大阪の八百ハ橋
( えどのはっぴゃくやちょう、おおさかのはっぴゃくやばし )
江戸と大阪の広いことをいったもの。
江戸には町の数が多く、大阪には川や掘割にかかった橋が多かったことから。
7. 江戸べらぼうと京どすえ ( えどべらぼうときょうどすえ )
江戸と京都の方言の特色をいったもの。また、江戸者と京者との性格を言ったもの。
江戸者は気が短くて、口が荒くて、すぐ人をばか、あほうなどとののしる。
京者は気が長く優しく、ですか、ですよ、とおっとりいう。
8. 箱根知らずの江戸話 ( はこねしらずのえどばなし )
箱根山も知らない関西の人が江戸の話を得意に話すことで、そこに行ったこともなければ、見たこともないが、
いかにも知っているかのように話すことをいう。
9. 口では大坂の城も建つ ( くちではおおさかのしろもたつ )
口先では、どんなこともたやすくできるように言うことができる、という意味。
【参考】 明治四年に「大坂」を「大阪」と改めた。
10. 京の夢大坂の夢 ( きょうのゆめおおさかのゆめ )
京にいて夢を見る時、かえって大坂の夢を見る。また、夢の中では京都も見られ大坂も見られる。
あるいは、京都の人の見る夢、大坂の人の見る夢、それぞれに違う、ともいい、定解がない。
【参考】 古くは「大阪」を「大坂」と書いた。
11. 京の着倒れ大坂の食い倒れ
( きょうのきだおれおおさかのくいだおれ )
京都の人は着物道楽で、生活費の大部分を衣服に使い、大坂の人は食い道楽で、食物に金を使う傾向があり、そのためには家産を傾けることもある。
【参考】 古くは「大阪」を「大坂」と書いた。
12. 江戸の八百八町、大阪の八百ハ橋
( えどのはっぴゃくやちょう、おおさかのはっぴゃくやばし )
江戸と大阪の広いことをいったもの。
江戸には町の数が多く、大阪には川や掘割にかかった橋が多かったことから。
13. 伊勢へ七度熊野へ三度 ( いせへななたびくまのへさんど )
あちこちの寺社へ何度も信心参りをする。信心の厚いことをいう。
【参考】 伊勢は三重県の伊勢神宮、熊野は和歌山県の熊野三社をさす。
14. 難波の葦は伊勢の浜荻 ( なにわのあしはいせのはまおぎ )
難波(今の大阪)で葦といわれる植物は、伊勢(今の三重)では浜荻という。
同じ物でも所によって呼び名がたいそう変わることを言ったもの。
【参考】 『菟玖波集(つくばしゅう)』に「草の名も所によりて変わるなり難波の葦は伊勢の浜荻」とある。
【類句】 所変われば品変わる
15. 近江泥棒に伊勢乞食 ( おうみどろぼうにいせこじき )
近江(滋賀県)や伊勢(三重県)の商人が江戸に出てきて、勤倹貯蓄して産をなし、
商権を握ったのに対し、宵越しの金を使わぬ江戸っ子がののしって言った言葉。
16. 牛に引かれて善光寺詣り ( うしにひかれてぜんこうじまいり )
善光寺(長野市にある寺)の近くに住んでいた老婆が、さらしていた布を、隣家の牛が角に引っかけて走っていくのを追って行くうちに、
善光寺に達し、日頃は不信心であったが、それが縁で信仰するようになったという話から、
本心からではなく、他のものに誘われてたまたま善いことをする、という意味。
17. 京に田舎あり ( きょうにいなかあり )
繁華な都にも、開けない田舎めいた所があることをいう。
18. 京の着倒れ大坂の食い倒れ
( きょうのきだおれおおさかのくいだおれ )
京都の人は着物道楽で、生活費の大部分を衣服に使い、大坂の人は食い道楽で、食物に金を使う傾向があり、そのためには家産を傾けることもある。
【参考】 古くは「大阪」を「大坂」と書いた。
19. 京の夢大坂の夢 ( きょうのゆめおおさかのゆめ )
京にいて夢を見る時、かえって大坂の夢を見る。また、夢の中では京都も見られ大坂も見られる。
あるいは、京都の人の見る夢、大坂の人の見る夢、それぞれに違う、ともいい、定解がない。
【参考】 古くは「大阪」を「大坂」と書いた。
20. 盲も京へ上る ( めくらもきょうへのぼる )
めくらでも世に立とうと決心して都へ出て、高い位にまで上る人もある。
志をたてて一生懸命に努力すれば、成功しないはずがないということ。
21. 似ぬ京物語 ( にぬきょうものがたり )
人聞きや想像で語れば、結局事実と似ないはなしになるということ。
何事も、自ら見聞しないで語ることはできない。
22. 田舎に京あり ( いなかにきょうあり )
田舎にもにぎやかなところもあれば、みやびたところもある。ばかにしたものではない。
【参考】 「京に田舎あり」と続く。「田舎に名所あり」ともいう。
23. 東男に京女 ( あずまおとこにきょうおんな )
男女のとりあわせは、男は関東、女は京都がよいという語。
威勢がよくて粋な江戸っ子に、美しくやさしい京女をとりあわせた。
24. 口あれば京へ上る ( くちあればきょうへのぼる )
わからないことでも人に聞けばやれる、その気になれば何事も出来るという意味。
25. 江戸べらぼうと京どすえ ( えどべらぼうときょうどすえ )
江戸と京都の方言の特色をいったもの。また、江戸者と京者との性格を言ったもの。
江戸者は気が短くて、口が荒くて、すぐ人をばか、あほうなどとののしる。
京者は気が長く優しく、ですか、ですよ、とおっとりいう。
26. 田舎の学問より京の昼寝 ( いなかのがくもんよりきょうのひるね )
田舎にいて学問をしてもたかが知れている、それよりも都会にいて昼寝をする方が深い見識を身に付けることができる、という意味。
27. 出雲の神より恵比寿の紙 ( いずものかみよりえびすのかみ )
出雲の神は、縁結びの神、恵比寿の紙は紙幣のことで、好いた好かれたの色恋より、お金の方が良い、という意味。
28. 出雲の神の縁結び ( いずものかみのえんむすび )
結婚は出雲の神様が決められるので、人間の自由意志によってどうにもなるものではない。
29. ローマは一日にしてならず ( ろーまはいちにちにしてならず )
偉大なローマ帝国は、長期にわたる努力と歴史の結果建設されたもので、すべて大きな事業は、
長い年月を必要とする、ということから、物事は一朝にしては成らない、という意味。
【参考】 Rome was not built in a (or one) day.
30. すべての道はローマに通ず ( すべてのみちはろーまにつうず )
ローマ帝国の盛んであった時代には、勢力範囲の各地から道路がローマに通じていた。
一つの真理にあらゆることが適用される。また、ある目的を達するのに手段は幾つもある、という意味。
【参考】 All roads lead to Rome. の訳語。
【類句】 百川海に朝す(ひゃくせんうみにちょうす)
31. カエサルの物はカエサルに ( かえさるのものはかえさるに )
君主の物は君主に返せ、の意から、公民としての法律上の義務を果たせ、の意味に用いる。
【参考】 新約聖書に「カイザルの物はカイザルに、神の物は神に返しなさい」とキリストが言った、とある。
32. ナポリを見てから死ね ( なぽりをみてからしね )
風光明媚(ふうこうめいび)なナポリを見ないうちは死ぬのはもったいない。イタリアのナポリの風景の美しさをいう言葉。
【参考】 See Naples and then die. の訳語。
【類句】 日光を見ずして結構と言うな