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ことわざ 3

64. 五十歩百歩 ( ごじゅっぽひゃっぽ )

 戦場で退却する時、五十歩退却した者が百歩退却したものを臆病だと笑ったが、こわくて逃げたということでは両者とも変わりがない、 ということから、似たり寄ったりである。少しの違いだけで大差のない、という意味。

65. 人生僅か五十( じんせいわずかごじゅうねん )

 人間の寿命を五十歳としていったときの語。 唐の詩人杜甫(とほ)が「人生七十古来稀(まれ)なり」と詠じてから七十歳を「古稀(こき)」(古希)としていたが、 今は七十歳は稀(まれ)ではなく普通になり、百歳が稀となった。

66. 人間わずか五十( にんげんわずかごじゅうねん )

 人の寿命はたった五十年くらいだということで、人の一生の短いことをいったものだが、今は寿命がのびてこの語は通用しなくなった。 織田信長は四十九歳にして家臣の明智光秀のために本能寺で殺されたが、この語を愛誦(あいしょう)していた。 あたかも自分の寿命を知っていたかのように。

67. 後の百より今五十 ( のちのひゃくよりいまごじゅう )

 後でたくさん貰うよりも、少なくても今貰うほうがよい。先の大きな話より、小さくても今確実な話のほうがよいということ。
 【類句】 明日の百より今日の五十

68. 明日の百より今日の五十 ( あすのひゃくよりきょうのごじゅう )

 明日になればくれるという百文の銭より、今日くれる五十文のほうがありがたい。わずかでも、差し迫っている今、もらうほうがよい。 また、明日はどうなるか分らないから、わずかでも、今、確実に手に入るほうがよいということ。
 【類句】 後の百より今五十

69. 六十の手習い ( ろくじゅうのてならい )

 六十になって習字を始める意から、年を取ってから学問やけいこごとを始めること。
 【例】 「六十の手習いで、ピアノを始めた」

70. 流行事は六十( はやりごとはろくじゅうにち )

 あまり流行を追うものではないという戒め。

71. 女房の悪いは六十年の不作
  ( にょうぼうのわるいはろくじゅうねんのふさく )

 悪い妻をめとると一生の不幸である。また、自分の代だけでなく子孫の代まで悪い影響を及ぼす、 という意を男の側から述べた言葉。
 【類句】 悪妻は百年の不作

72. 初物七十五( はつものしちじゅうごにち )

 その年の初めての物を食べると、七十五日寿命が延びるということ。

73. 物には七十五( ものにはしちじゅうごたび )

 物には限度があるということ。

74. 人の噂も七十五( ひとのうわさもしちじゅうごにち )

 世人の噂は、よい噂も悪い噂も長く続くものではない。 時がたてばいずれは忘れられてしまうものだということ。
 【参考】 Wonders last but nine days.

75. 子を持てば七十五度泣く ( こをもてばしちじゅうごどなく )

 親は子のために、心配や苦労が多いものである。

76. 八十の手習い ( はちじゅうのてならい )

 年老いてから学問をはじめること。晩学だが学ぶにこしたことはないからいくらおそくてもおそすぎることはない。

77. 八十八夜の別れ霜 ( はちじゅうはちやのわかれじも )

 八十八夜を過ぎると、霜はおりなくなる。八十八夜は、立春から数えて八十八日目、五月二、三日ごろ。 「別れ霜」は、春の終わりにおりる霜。

78. 百里の道は九十里が半 ( ひゃくりのみちはくじゅうりがなかば )

 百里の道を行こうとする者は、九十里行ってやっと半分まで来たと考えよ。何事も完成に近づくと気がゆるみ失敗しやすいから、 九分どおり済んだあたりを半分と心得て努力せよ、という意味。
 【参考】 「百里を行く者は九十里を半ばとす」ともいう。

79. お前百までわしゃ九十九まで
  ( おまえひゃくまでわしゃくじゅうくまで )

 夫婦が仲むつまじく、ともに長生きすることを願ったもの。
 【参考】 「共に白髪の生えるまで」と続く。

80. 触り三百 ( さわりさんびゃく )

 うっかり触っただけで、三百文の損をする。 ちょっと口や手を出しただけで思わぬ損をすることがあるから、引っ込んでいた方がよい、という意味。

81. 四百四病の外 ( しひゃくしびょうのほか )

 恋の病をいう。四百四病は人間のかかる一切の病気。 仏教では、すべての物質を構成する四つの要素、地・水・火・風を四大(しだい)という。 人間の病気はこの四大の不調により生じ、四大のそれぞれに百一病があるという。 恋の病はこの中に入らないことから。

82. 八百( やおちょう )

 かねて両者の間で打ち合わせておき、他人の前では互いにそしらぬ顔で争ったりすること。 なれあいの勝負をいう。

83. 嘘八百 ( うそはっぴゃく )

 うそのありったけ。八百は多いこと。うそをたくさんいう。

84. 嘘八百を並べる ( うそはっぴゃくをならべる )

 何とか話のつじつまを合わせるために、次から次へと嘘をつき続ける。

85. 江戸の八百八町、大阪の八百ハ
  ( えどのはっぴゃくやちょう、おおさかのはっぴゃくやばし )

 江戸と大阪の広いことをいったもの。 江戸には町の数が多く、大阪には川や掘割にかかった橋が多かったことから。

86. 渡世は八百八( とせいははっぴゃくやしな )

 職業には千差万別いろいろの種類があるということ。

87. 身過ぎは八百八( みすぎははっぴゃくやしな )

 人の商売は種々様々で数えきれないほど有る。

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