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 ことわざ について
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「の」からはじまる ことわざ

1. 能ある鷹は爪を隠す ( のうあるたかはつめかくす )

 有能な鷹は、平素は獲物を捕まえるための鋭い爪を隠しておく。 実力・才能のある人物は、むやみにそれを外部に表さず謙虚にしているが、いざという時その真価を発揮する、という意味。
 【参考】 「上手の猫が爪を隠す」ともいう。

2. 能書の読めぬ所に効目あり ( のうがきのよめぬところにききめあり )

 薬の効能書と同じように、およそ世の中は、わからぬところにありがたみがわいてくるとの意。 なんでも全部まる見えでないほうが尊いということ。

3. 能事畢る ( のうじおわる )

 「能事」はなすべきこと、なしとげるべきことがら、のことで、なすべき仕事は全部終わった、という意味。

4. 嚢中の錐 ( のうちゅうのきり )

 錐を袋の中に入れておくと、すぐにその先端が突き出てくることから、才能があれば必ず外にあらわれる、というたとえ。

5. 嚢中の物を探るが如し ( のうちゅうのものをさぐるがごとし )

 非常に簡単に出来ることのたとえ。袋の中の物を手で探るようである、という意味。

6. 能なしの口たたき ( のうなしのくちたたき )

 はたらきのない者にかぎって、くだらぬことをしゃべるものが多いこと。

7. 野くれ山くれ ( のくれやまくれ )

 野で日を暮し、山で日を暮し。長い旅路をいう語。

8. のけば他人 ( のけばたにん )

 一心同体などといっていた夫婦もいったん離婚すると、たちまちにして全然の他人になってしまうということ。 全くの他人になれないような間柄の夫婦だったら離婚することもないわけである。

9. のけば長者が二人 ( のけばちょうじゃがふたり )

 気の合わない二人で事業をくわだてても成功しないが、二人がたもとを分けた場合は、両方とも早晩りっぱに独立することができるとの意。

10. 残り物に福がある ( のこりものにふくがある )

 みんながあさり残した物に、意外によい物がある。 遠慮している者が、あとで案外な幸福を拾うことが多い、という意味。
 【参考】 「余り物に福がある」ともいう。

11. 後の百より今五十 ( のちのひゃくよりいまごじゅう )

 後でたくさん貰うよりも、少なくても今貰うほうがよい。先の大きな話より、小さくても今確実な話のほうがよいということ。
 【類句】 明日の百より今日の五十

12. 喉元過ぎれば熱さを忘れる ( のどもとすぎればあつさをわすれる )

 どんなに熱いものを飲んでも、喉を通りすぎればその熱さを忘れる。 苦しい経験も、それが過ぎ去ればけろりと忘れてしまう。 苦しい時に恩を受けても楽になると恩を忘れてしまう、という意味。

13. 咽を扼して背をうつ ( のどをやくしてせをうつ )

 前からはのどをしめ、うしろからは背中を打つことの意で、つまり人の急所をとらえて苦しめること。

14. 野に伏し山に伏す ( のにふしやまにふす )

 道中で艱難(かんなん)辛苦するたとえ。

15. 述べて作らず ( のべてつくらず )

 勝手に創作しないということで、昔から伝えられていることを述べるだけで、新しく創作することはしないこと。 これは、孔子が歴史や古典に対する自分の態度を説明した一句である。

16. 上り大名下り乞食 ( のほりだいみょうくだりこじき )

 京へ上る旅は、行きは十分に旅費があってぜいたくができるが、帰りは使い果たして見すぼらしくなること。

17. 昇れない木は仰ぎ見るな ( のぼれないきはあおぎみるな )

 身分不相応なことを望んでも無理だから、ほどよいところで満足せよということ。

18. 蚤蚊の夜話蠅の朝起き ( のみかのよばなしはえのあさおき )

 蚤のために夜通し眠れず、蠅がうるさくて早起きしてしまうこと。

19. 鑿と言えば槌 ( のみといえばつち )

 気が利いているたとえ。鑿を取れと言われたら、鑿だけを持って来ないで、一緒に槌を持ってくる。

20. 蚤の息も天に上がる ( のみのいきもてんにあがる )

 力の弱い者でも一心に行えばなし遂げることができるというたとえ。
 【類句】 蟻の思いも天に届く

21. 蚤の夫婦 ( のみのふうふ )

 蚤は雌の方が大きいことから、妻の方が夫より体の大きい夫婦のことをいう。
 【例】 「隣の家は奥さんの方が体が大きくて、蚤の夫婦だ」

22. 飲む打つ買う ( のむうつかう )

 大酒を飲み、ばくちを打ち、女を買う。男の代表的な三道楽のこと。

23. 野良の節供働き ( のらのせっくばたらき )

 普段のらくらと怠けている者に限って、人が休む節供の時に働くという意味。
 【類句】 怠け者の節供働き

24. 乗りかかった船 ( のりかかったふね )

 乗ってすでに出航してしまった船。船に乗れば、目的地に着くまでは降りられないと同様、いったんやり出した以上は、 途中でやめたり引き返したりは出来ない。事態や条件が悪化しても、前進・推進せざるを得ないことをいう。
 【例】 「乗りかかった船だから、最後まで付き合うよ」
 【類句】 渡りかけた橋

25. 暖簾に腕押し ( のれんにうでおし )

 垂れ下がっている暖簾を押すように、力を入れても、手応えがなく張り合いがないことから、 こちらが積極的になっても、相手の態度がいい加減で反応に乏しいことをいう。
 【例】 「彼女に要望を言っても、暖簾に腕押しで、まったく聞き入れようとしない」
 【類句】 豆腐に鎹 / 糠に釘

26. 詛うに死なず ( のろうにしなず )

 人からのろわれるような憎まれ者は、ぴんぴんしていてのろわれても死なない。 悪いことをするような者ほどたくましい。

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