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数字 の「三」を含む ことわざ 3

57. 女は界に家なし ( おんなはさんがいにいえなし )

 女は、若い時は父に従い、嫁に行っては夫に従い、老いては子に従うものだから、 この広い世界のどこにも安住できる場所を持たない。古いことわざ。
 【参考】 「女に定まる家なし」ともいう。

58. 奢は年の費え ( おごりはさんねんのついえ )

 ぜいたくによって消費した赤字の金は、三年の間元通りにならないほど大きい。

59. 櫂は年艪は( かいはさんねんろはみつき )

 舟をあやつるのに、櫂の使い方は艪の使い方よりもむずかしい。
 【参考】 「棹は三年艪は三月」ともいう。また、反対の「艪三年に棹八年」というのもある。

60. 孟母遷の教え ( もうぼさんせんのおしえ )

 子供の教育によい環境を選ぶこと。孟子の母は、初め墓地の近くに住んだが、孟子が葬式の真似をして遊ぶので、 市場の近くに引っ越した。すると、商売の真似をして遊ぶので、学校のそばに引っ越した。 孟子は礼儀作法など学習の真似事をするので、母は初めて安心して住居を定めたという故事。
 【参考】 「三」は、三回ではなく、たびたびの意。「孟母三遷」「三遷の教え」ともいう。
 【類句】 断機の戒め

61. 小糠合持ったら婿に行くな ( こぬかさんごうもったらむこにゆくな )

 養子というものは気苦労が多いものであるから、たとえわずかでも自分の財産があったら、養子になど行くものではない。
 【参考】 「小糠三合持ったら養子に行くな」ともいう。

62. 長者( ちょうじゃさんだい )

 祖父は苦労して財産をつくり、子はそのあとをついで守るが、孫に至っては、豊かな生活の中に育ったため、ぜいたくに流れ、 ついに家産を傾ける結果となり、長者の家は三代よりは続かないということ。

63. 長舌( ちょうぜつさんずん )

 表面では調子のよいことを言って、かげでは舌を出して笑うこと。「長舌」は、長い舌。人にこびること。

64. 益者( えきしゃさんゆう )

 交際して自分の易になる三種の友人。 つまり、まっすぐ(正直)な人、誠のある人、多くのことを聞いて知っている知識のある人である。

65. 乞食を日すれば忘れられぬ
  ( こじきをみっかすればわすれられぬ )

 乞食を三日もすれば、働かないで暮らせるという気楽さを忘れられない、ということから、 悪い習慣というのは、うっかり身につけたら最後、なかなかやめられなくなる、という意味。

66. 阿呆の杯汁 ( あほうのさんばいじる )

 汁のおかわりは二杯までで、三杯目からはばかといわれる。 うまくておかわりをもらうときに、自分からこう言って予防線を張るときに用いる。

67. 君子に畏有り ( くんしにさんいあり )

 君子には三つのおそれ慎むべきものがある。 一は天命をおそれ、二は有徳の大人をおそれ、三は聖人の言をおそれる。
 【参考】 論語の中の言葉。

68. 君子に戒有り ( くんしにさんかいあり )

 君子は若い時は色欲を戒め、壮年には人と争うことを戒め、 老いては欲深くなることを戒めなければならない。

69. 君子に楽有り ( くんしにさんらくあり )

 君子には三つの楽しみがある。 父母ともに健在で兄弟が無事なこと、自分の行いが天地人に恥じないこと、 天下の英才を集めて教育すること。

70. 酒屋へ里豆腐屋へ二里 ( さかやへさんりとうふやへにり )

 いなかの不便な土地のたとえ。

71. 師弟は( していはさんぜ )

 師弟の縁は、過去・現在・未来の三世に渡る深い因縁でつながっている。

72. 引越し( ひっこしさんりょう )

 引越しをすれば何やかやで出費がかかる。 じっとしていればなんでもないのに少しでも動けば多少なりとも金のかかるものである。

73. 主従は( しゅじゅうはさんせ )

 もと、主人と家来の契りは、過去・現在・未来にわたる、ということ。
 【参考】 「親子は一世、夫婦は二世、主従は三世」という。

74. 砂原は里行けば二里戻る ( すなはらはさんりいけばにりもどる )

 砂地というのは歩きにくいものだということ。

75. 馬鹿の杯汁 ( ばかのさんばいじる )

 愚かな人間がお代わりをして飲む三杯の汁。 「馬鹿の大食い」と同じく、食事の時何杯も汁のお代わりをする大食漢を、あざけっていう言葉。
 【類句】 阿呆の三杯汁

76. 盗人にも分の理 ( ぬすびとにもさんぶのり )

 盗人にも、盗みを正当化する少しの理屈はあるものである。どんなことでも理屈は何とか付けられる、という意味。
 【参考】 「泥棒にも三分の理」ともいう。

77. 背の子を年探す ( せなのこをさんねんさがす )

 すぐそばにあるものを、あちこちと探し回ることのたとえ。

78. 仏の顔も度まで ( ほとけのかおもさんどまで )

 円満の徳を備えている仏でも、その顔を三度なで回されれば腹を立てる、ということから、 いかに無邪気な人、慈悲深い人でも、礼儀知らずな行いを繰り返されれば、腹を立てる。 たび重なる侮辱はがまんできない、という意味。
 【参考】 「地蔵の顔も三度まで」ともいう。
 【例】 「今まで我慢してきたが、仏の顔も三度までで、今度はもう許せない」

79. いやいや( いやいやさんばい )

 口では辞退しながら、進められるままに飲み食いを過ごすこと。 遠慮は口先ばかりであるのを笑うのにも使う。

80. 早起きは文の徳 ( はやおきはさんもんのとく )

 朝早く起きると何かしらよいことがあるものである。
 【参考】 「朝起きは三文の徳」ともいう。「徳」は「得」とも書く。
 The early bird catches the worm. の訳語。

81. 士別れて日即ち当に刮目して相待つべし
  ( しわかれてみっかすなわちまさにかつもくしてあいまつべし )

 男子は別れて三日もあわないと、その間にすばらしい進歩をとげるから、よく目を見開いて見るようにしてほしい。

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