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数字 の「三」を含む ことわざ 1

1. 界に垣なし六道に辺なし ( さんがいにかきなしろくどうにほとりなし )

 三界へでも六道へでも、各人の心がけ次第でどこへでも行ける。 善因には善果が、悪因には悪果が、必然的に生ずるものだ。 三界とは、欲界・色界・無色界の三つの世界で、これをいっさいの衆生が生死輪廻する。 六道とは、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上で、いっさいの衆生が善悪の業因によって、 必ず行かねばならない六種の迷界。「辺」は境界。

2. 界の首枷 ( さんがいのくびかせ )

 人生の愛着や苦悩におぼれて、逃れることのできないきずな。
 【参考】 子は三界の首枷

3. ( さんこ )

 目上の人が、ある人に仕事を引き受けてほしいと、礼を厚くして頼むこと。 三国時代に、蜀(しょく)の劉備(りゅうび)が諸葛孔明(しょかつこうめい)を三度その草庵(そうあん)に訪ね、軍師として迎えた故事による。

4. 顧の礼 ( さんこのれい )

 目上の人が優れた人に礼を尽くして仕事などを頼むこと。
 【参考】 三顧

5. 国一 ( さんごくいち )

 天下第一。日本、唐(中国)、天竺(インド)の三国で全世界を表わす。
 【参考】 「三国一の花嫁・花婿」などと使う。

6. 歳の翁百歳の童子 ( さんさいのおきなひゃくさいのどうじ )

 幼少でも思慮分別を備えた人がおり、年をとっても愚かな人もいる。

7. 舎を避く ( さんしゃをさく )

 恐れはばかって相手を避けること。また、相手に一目置くこと。 相手に対して、三日の行程だけ退いて敬意を表する意。
 【参考】 「一舎」は、軍隊の一日の行程で三十里(わが国の五里、約20キロメートル)。

8. 尺下がって師の影を踏まず ( さんじゃくさがってしのかげをふまず )

 先生に随行する時は、先生から三尺後ろに下がって従い、先生の影も踏んではいけない。先生を敬う心掛けを説いた言葉。 もと仏教の作法で、師僧に従って歩く場合の心得であった。
 【参考】 「七尺去って師の影を踏まず」ともいう。

9. 寸の舌に五尺の身を亡ぼす
 ( さんずんのしたにごしゃくのみをほろぼす )

 不用意な言葉や失言のために、災いを招き身を滅ぼすことが多い、という戒め。

10. 寸の見直し ( さんずんのみなおし )

 三寸ぐらいの誤差による不体裁は、見直せばそんなに目立たなくなる。 顔のぶかっこうも、見慣れればそんなに苦にならなくなるなどのたとえ。

11. 寸俎板を見抜く ( さんずんまないたをみぬく )

 厚いまないたの下までも見通すということで、眼識(がんしき)の鋭いことのたとえ。

12. ( さんせい )

 たびたび反省する。「三」は、三回ではなくしばしばの意味。 孔子の弟子の曾子が日に何回も自分の行ないを反省した故事による。

13. 度の火事より一度の後家 ( さんどのかじよりいちどのごけ )

 三度火事にあって家を失うよりも、一回だけでも配偶者に死なれるほうが、もっと不孝である。

14. 度目の正直 ( さんどめのしょうじき )

 何かをする時、初めの一、二回は失敗しても、三回目ぐらいにはうまくいくものだということ。

15. 人行えばわが師あり ( さんにんおこなえばわがしあり )

 わずか三人でも、一緒に何か仕事をすると、その中に手本とすべき人がいるものだ、ということ。

16. 人市虎を成す ( さんにんしこをなす )

 根も葉もないうそでも、大勢の人がそう言うと、まことになってしまう、という意味。
 【参考】 「市に虎あり」ともいう。

17. 人旅の一人乞食 ( さんにんたびのひとりこじき )

 三人で同じことをすれば、その中の一人は窮乏(きゅうぼう)する。 つまり三人のうち一人は貧乏くじをひく。また、三人でする物事は、その中の一人が仲間はずれにされやすい。
 【参考】 「一人旅するとも三人道中するな」ともいう。

18. 人寄れば公界 ( さんにんよればくかい )

 人が三人集まれば、表向きの場所となる。秘密ではすまされないこと。 公界は、公の場所。世間。

19. 人寄れば文殊の知恵 ( さんにんよればもんじゅのちえ )

 平凡な人間でも、三人寄り集まって考えれば、文殊菩薩の知恵のようにすぐれた知恵が出る、という意味。
 【参考】 「文殊」は知恵をつかさどる仏様。
 【参考】 Two heads are better than one (, even if the one's a sheep's).
 【例】 「三人寄れば文殊の知恵で、一人で考えるよりいい企画ができた」
 【類句】 三人寄れば師匠のでき

20. 年たてばつになる ( さんねんたてばみっつになる )

 時の経過とともに、物事は変化する。歳月は無為には過ぎ去らない意。

21. 年飛ばず鳴かず ( さんねんとばずなかず )

 じっと隠忍自重(いんにんじちょう)して、他日の雄飛の機会を待つこと。 鳥が三年の間、飛ばず鳴かずでいるが、ひとたび飛べば天高く飛び上がり、鳴けば必ず人を驚かすという大鳥にたとえる。
 【参考】 「三年鳴かず飛ばず」ともいう。

22. 拝九拝する ( さんぱいきゅうはいする )

 繰り返しお辞儀をする意で、何回も頭を下げて物事を頼むこと。

23. 拍子揃う ( さんびょうしそろう )

 小鼓(こつづみ)・大鼓(おおかわ)・笛など三つの楽器で拍子をとることから、その人の名を高めるのに必要な三つの条件がうまく揃う。 好ましいことにもそうでないことにも用いる。

24. 釜の養 ( さんぷのよう )

 親に孝養を尽くすため、薄給をいとわないで仕官すること。 また、わずかな給料の中から、親に孝養を尽くすこと。 一釜は六斗四升、わが国の約一リットル、三釜はその三杯で、わずかな食録のこと。

25. 遍回って煙草にしょ ( さんべんまわってたばこにしょ )

 夜回りが、三度見回って異状のないことを確かめてから、ひと休みしてたばこを一服する。 念を入れてよく調べて仕事に手落ちがないようにせよという戒め。

26. ( さんまい )

 仏教で精神を一つの事に集中すること。一心不乱になること。

27. 面六臂 ( さんめんろっぴ )

 顔が三つで腕が六本ある仏像の姿。一人であらゆる方面の仕事を処理する手腕を発揮して、何人分もの働きをすることをいう。
 【参考】 「臂」は腕、ひじではない。「八面六臂」ともいう。

28. ( さんよ )

 勉学に最も適当な三つの時期。冬(歳の余り)・夜(日の余り)・雨(時の余り)。

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