82. 美味も喉三寸 ( びみものどさんずん )
うまい物といっても喉を通るわずかな時間だけで、腹の中に入ってしまえば、うまいもまずいもない。
83. 一誹二笑三惚四風邪 ( いちそしりににわらいさんほれしかぜ )
くしゃみの数による占い。くしゃみを一つすれば人が悪口をいっているしるし、
二つなら笑っている、三つなら惚れられ、四つなら風邪をひくしるし。
84. 雨垂れは三途の川 ( あまだれはさんずのかわ )
家の軒先から一歩出ればどんな危険が待ち構えているかわからないということ。
雨垂れの落ちる軒があの世とこの世の境だから、家を出たら用心せよとの教え。
85. 負うた子を三年探す ( おうたこをさんねんさがす )
手近にあるのに気づかず、あちらこちらと探すこと。
人間には時にそんなことがある。
86. 多し少し子三人 ( おおしすくなしこさんにん )
子供は多からず少なからずがよく、三人というところが理想的である。
87. 石の上にも三年 ( いしのうえにもさんねん )
冷たい石の上にも、三年すわり続ければ暖まる、ということから、つらくてもがまんして続ければ必ず成功する。
しんぼう強く根気よく勤めることが大切、という意味。
【例】 「石の上にも三年で、なんとかデイトレードで利益が出るようになった」
88. 一押し二金三男 ( いちおしにかねさんおとこ )
女性を獲得するには、第一に押しが強いことが必要で、金があることや男前のよいことは、二の次三の次である。
【類句】 押しの一手
89. 茨の中にも三年 ( いばらのなかにもさんねん )
苦しくてもじっと辛抱していれば、そのうちには必ず目的を達することができる。
世の中に楽な商売や仕事はない、どこにも苦労はつきものである。
90. 火の中にも三年 ( ひのなかにもさんねん )
火の中にも三年、がまんしているということで、辛抱強いことのたとえ。
91. 一引き二才三学問 ( いちひきにさいさんがくもん )
出世の第一条件は、上の人からの引き立てである。
本人の才能や手腕は二の次で学問がこれに次ぐ。
92. 七年の病に三年の艾を求む
( しちねんのやまいにさんねんのもぐさをもとむ )
七年もの長い病気に灸をすえようとして、これから三年もかわかさねばならないもぐさを求めていたのでは、
間に合わないということから、普段用意せずに、事あるとき急に求めても得られない。
93. 一時違えば三里の遅れ ( いっときちがえばさんりのおくれ )
一時は、約二時間。二時間出遅れると、先に出た人に三里も遅れてしまう。
94. 一富士二鷹三茄子 ( いちふじにたかさんなすび )
初夢に見るものの中で縁起のよい順を並べていった語。
【参考】 一説に駿河の国(静岡県中央部の旧称)の名物ともいう。
95. 下種の一寸のろまの三寸馬鹿の明けっ放し
( げすのいっすんのろまのさんずんばかのあけっぱなし )
戸や障子をしめる時、下種は一寸ほど残し、のろまは三寸ほど残し、愚か者は明けっ放しにしたままにする。
それによって人の注意力や品格の劣っていることがわかる、という意味。
【参考】 「一寸」は約三センチ。「馬鹿の三寸間抜けの一寸」ともいう。
96. 二人は伴侶三人は仲間割れ
( ふたりははんりょさんにんはなかまわれ )
二人なら仲良くやっていけるが、三人になると、とかく一人が仲間はずれになってうまく行かなくなることが多い、という意味。
【参考】 Two is company, but three is none. の訳語。
97. 娑婆で見た弥三郎 ( しゃばでみたやさぶろう )
知っている人を、知らないふりをすること。
【参考】 弥三郎は弥次郎とも弥十郎ともいう。
98. 立聞きは地が三寸くぼむ ( たちぎきはじがさんずんくぼむ )
人の話をこっそり立ち聞きすることは、罪深いことであるのをいう。
99. 人の痛いのは三年でも辛抱する
( ひとのいたいのはさんねんでもしんぼうする )
人がどんなに困っていても、少しも同情せずに、平気で見ているということ。
100. 二度あることは三度ある ( にどあることはさんどある )
同じことが二度起これば続けてもう一度起こる場合が多い、ということ。
【例】 「今日は二度も転んだ。二度あることは三度あるというから、これからも気を付けよう」
101. 一人の文殊より三人のたくらだ
( ひとりのもんじゅよりさんにんのたくらだ )
「たくらだ」は、ばか、うつけ者。麝香鹿(じゃこうじか)に似た獣。
すぐれた人が一人で考えるよりは愚かな者でも大勢集まって考えれば、よい知恵がうかぶことのたとえ。
102. 思うようなら子と三人 ( おもうようならことさんにん )
思い通りになるなら親子三人が一番よい。
103. 一升徳利こけても三分 ( いっしょうどっくりこけてもさんぶ )
一升徳利はころげて酒がこぼれても三分くらいは残っている。
金持ちは多少無駄遣いをしても、全然なくなってしまうことはない、という意味。
104. 舎を道傍に作れば三年にして成らず
( しゃをどうぼうにつくればさんねんにしてならず )
家屋を道のほとりに造り始め、往来の人に相談する時は、それぞれ勝手なことを言うから、三年たっても完成しない。
異論が多くてまとまらないことのたとえ。
【類句】 船頭多くして船山へ上る
105. 伊勢へ七度熊野へ三度 ( いせへななたびくまのへさんど )
あちこちの寺社へ何度も信心参りをする。信心の厚いことをいう。
【参考】 伊勢は三重県の伊勢神宮、熊野は和歌山県の熊野三社をさす。
106. 売り家と唐様で書く三代目 ( うりいえとからようでかくさんだいめ )
初代が苦心して築いた財産も、三代目となるとぜいたくに慣れ、遊芸などに凝って持ちこたえられず、
家屋敷までも手放すようになる。その売り家の札も、中国風のしゃれた書体で書いていることから、
奢侈(しゃし)に流れ、商売をおろそかにしたことが察せられる、という川柳。
107. 大鍋の底は撫でても三杯 ( おおなべのそこはなでてもさんばい )
もうないといっても大鍋の底をさらうと三杯もあるように、規模の大きいものは、何から何まで大きいこと。
108. 七度契りて親子となり三度結びて兄弟と生まる
( ななどちぎりておやことなりさんどむすびてきょうだいとうまる )
親子、兄弟の縁は遠く前世からの深い因縁によって成り立っているということ。