29. 三楽 ( さんらく )
君子の三つの楽しみ。父母兄弟が健在であること、心にやましいことがないこと、英才を教育すること、の三つ。
30. 三たび肱を折って良医となる ( みたびひじをおってりょういとなる )
苦労や体験を積み重ねなければ、人間は立派になれないということ。
31. 三日先知れば長者 ( みっかさきしればちょうじゃ )
先の見通しのきく人は、あまり少ないということ。
ほかの人より、わずか三日先のことがわかっただけでも、長者になれるということ。
32. 三日天下 ( みっかてんか )
短期間だけ政権や地位を得ること。
明智光秀が織田信長を倒して天下を取ったが、わずか十二日間で滅亡した故事による。
33. 三日坊主 ( みっかぼうず )
出家して僧になることは尊い行いとされ、先祖から末代まで、一族の者が救われるといわれているが、
反面、その修行・戒律はきびしく、頭をそったものの、耐えられなくなって還俗してしまう。
転じて、飽きやすく、一つのことが長続きしない人を、あざけっていう言葉。
34. 三日見ぬ間の桜 ( みっかみぬまのさくら )
たった三日間見ない間に、つぼみであった桜は満開になってしまい、満開の桜は散ってしまう。
物事の状態がわずかな間にどんどん変化する。また、この世のはかないことをいう。
35. 三つ子の魂百まで ( みつごのたましいひゃくまで )
幼いころの性格や気質は一生変わらないものだということ。
【参考】 「三つ子」は三歳児のこと。
【参考】 The child is the father of the man.
36. 法三章 ( ほうさんしょう )
漢の高祖が秦を破った後、秦の繁雑で過酷な法律を排除して、人を殺したものは死刑、人を傷つけるのと人の物を盗んだものは処罰する、
という三条だけにした、という故事から、きわめて簡単な法律のことをいう。
37. 娘三人あれば身代が潰れる
( むすめさんにんあればしんだいがつぶれる )
結婚適齢期の娘が三人いると、その嫁入り支度のために財産がなくなってしまう、という意味。
【参考】 「身代」は、「身上」ともいう。「女三人あれば身代が潰れる」ともいう。
38. 艪三年に棹八年 ( ろさんねんにさおはちねん )
船頭の修行をいったもの。ろを一人前に使えるようになるには三年、さおがうまく使えるようになるのには八年もかかるということで、
さおのほうがろよりも難しいといわれる。
39. 婿三代続けば金持ちになる ( むこさんだいつづけばかねもちになる )
婿取りが三代続けば金持ちになるということで、婿がまじめによく働くことをいったもの。
40. 女三人寄れば姦しい ( おんなさんにんよればかしましい )
女はとかくおしゃべりだから、三人も寄り合うと大層やかましい。
【参考】 「女」の字を三つ合わせた「姦」の字を「かしましい」と読むところからできた言葉。
41. 子三人子宝 ( こさんにんこだから )
子供は子宝というが、あまり多いとやはり厄介だから、三人ぐらいがちょうどよく、それなら本当の子宝といえる。
42. 千三つ ( せんみつ )
取引がまとまるのは千件に三件ぐらいというところから、土地建物の売買や周旋を商売とする人をいう。千三つ屋。
また、千のうち真実は、三つしかないということから、うそつき・ほらふきのことをいう。
43. 朝三暮四 ( ちょうさんぼし )
人を口先でうまくだますこと。また、目前の差別にばかりこだわっていて、結果が同じになるのを知らないこと。
猿にどんぐりの実を、朝三つ夕方四つ与えようとしたら怒ったので、朝四つ夕方三つ与えようといったら喜んだという故事による。
44. 張三李四 ( ちょうさんりし )
ありふれた平凡な人。張と李とは中国にありふれた姓。
張家の三男、李家の四男という、身分も低く有名でない、平凡な人たち。
45. 禍も三年たてば用に立つ ( わざわいもさんねんたてばようにたつ )
現在は災難となるものであっても、時がたてば幸せの種となることがあるということ。
46. 韋編三絶 ( いへんさんぜつ )
書物を熟読すること。また、読書に熱心なこと。
昔の書物は竹の札に字を書き、それを韋(なめし皮)のひもで編んであった。
書物を何べんも繰り返して読んだために、そのひもが三度も切れたという孔子の故事。
47. 商い三年 ( あきないさんねん )
商売を始めても三年たたなければ利益を得るまでに到らない。
何事でも三年間の辛抱が肝要であるたとえ。
48. 犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ
( いぬはみっかかえばさんねんおんをわすれぬ )
犬は三日飼っただけでも、三年間その恩を忘れない。
まして人は恩知らずであってはいけない、という意味。
49. 猫は三年飼っても三日で恩を忘れる
( ねこはさんねんかってもみっかでおんをわすれる )
犬は三日飼えば三年恩を忘れないというが、猫は犬とは反対に、主人の恩を感じない動物だということ。
50. 鳩に三枝の礼あり烏に反哺の考あり
( はとにさんしのれいありからすにはんぽのこうあり )
鳩は親鳥から三本下の枝に止まる。烏は養われた恩を忘れずに、成育してからは親鳥の口にえさを含ませて恩を返す。
烏ですら子は親に礼儀を守り孝養を尽くしている、ということ。
51. 桃栗三年柿八年 ( ももくりさんねんかきはちねん )
桃と栗は芽が出てから三年、柿は八年たてば実を結ぶ。
52. 子は三界の首枷 ( こはさんかいのくびかせ )
子は親にとって、この三千世界を生きていくのを妨げる首枷(罪人の首にはめて自由を束縛する刑具)のようなものである。
親は子を思う心のために自分の意志を曲げて一生自由を束縛されがちである、という意味。
53. 二束三文 ( にそくさんもん )
二束で三文ということで、量が多くても値段が非常に安いこと。
金剛ぞうり(いぐさ・わらなどで作った丈夫なぞうり)が二足で三文だったことからいう。
54. 一日三秋 ( いちじつさんしゅう )
非常に、思い慕うこと。わずか一日会わないと、三年も会わないように感じられて待ち遠しい。
【参考】 「三秋」は三度の秋で、三年の意。「一日千秋(いちじつせんしゅう)」ともいう。
55. 金は三欠くにたまる ( かねはさんかくにたまる )
金をためようと思ったら、義理を欠き、人情を欠き、交際を欠かなければならない、という意味。
56. 水は三尺流れれば清くなる
( みずはさんしゃくながれればきよくなる )
流れている水は、三尺下へ流れれば汚れがなくなるということ。
よどんでいる水は腐るが、流れている水は腐らない。