21. 六月無礼 ( ろくがつぶれい )
暑さのきびしい夏には多少服装が乱れても、とやかくいってはいけないということ。
ここでいう六月は旧暦の六月のこと。
22. 陸地に舟漕ぐ ( ろくじにふねこぐ )
陸で舟をこぐことで、できないことのたとえ。
23. 六十の手習い ( ろくじゅうのてならい )
六十になって習字を始める意から、年を取ってから学問やけいこごとを始めること。
【例】 「六十の手習いで、ピアノを始めた」
24. 禄を盗む ( ろくをぬすむ )
たいした働きもせずに高給を取る。非難の気持ちを込めて用いる。
【例】 「彼は大して仕事をせず、陰で禄を盗むだけだなどと言われている」
25. 禄を食む ( ろくをはむ )
棒給を得ることによって生計を立てる。特に、公務員についていう。
【例】 「禄を食んでいながら、横領する人が後を絶たない」
26. 艪三年に棹八年 ( ろさんねんにさおはちねん )
船頭の修行をいったもの。ろを一人前に使えるようになるには三年、さおがうまく使えるようになるのには八年もかかるということで、
さおのほうがろよりも難しいといわれる。
27. 路線を敷く ( ろせんをしく )
今後の方針を定め、その通り進めるような対策を立てること。
【例】 「情報化社会に対応させるための路線を敷く」
【類句】 レールを敷く
28. 六根清浄一根不浄 ( ろっこんしょうじょういちこんふじょう )
「六根」は仏教で眼・耳・鼻・舌・身・意の六欲をいう。「一根」は男子の性器のこと。
六根の欲望は、清らかさを保つことはできるが、ただ他の一つ、色欲だけは押さえることができないということ。
29. 路頭に迷う ( ろとうにまよう )
収入の道を断たれたり住む家を失ったりして、生活に困る。
【例】 「しっかり働かないと路頭に迷うことになるぞ」
30. 驢に騎りて驢をもとむ ( ろにのりてろをもとむ )
ロバに乗っていながら、ロバはいないかと捜すことで、近くに捜しているものがあるのに、遠くを探すことの愚かさをいう。
「牛に騎りて牛をもとむ」ともいう。
31. 路傍の人 ( ろぼうのひと )
たまたま路上ですれ違っただけの人の意で、自分とは何のかかわりもない人。
【例】 「彼女は私にとって路傍の人だが、困っていると知るとほうってはおけない」
32. 露命を繋ぐ ( ろめいをつなぐ )
露のようにはかない命をかろうじて保っている。細々と暮らしている、という意味。
【例】 「ぜいたくをせず、粗末な食事で露命を繋ぐ」
33. 艪も櫂も立たぬ ( ろもかいもたたぬ )
どうしようにも方法がないこと。
【参考】 「艪でも櫂でも行きにくい」ともいう。
34. 魯陽日をさしまねく ( ろようひをさしまねく )
不可能を可能にすること。また勢いの盛んなさまをたとえていう。魯の陽公が韓と戦ったとき、戦争の最中に日が没しようとしたので、
戈(ほこ)を抜いて日に差し招いたところ、一度沈みかけた日が、また昇って照り輝いたという。
35. 呂律が回らない ( ろれつがまわらない )
「呂律」は言葉の調子のことで、酒に酔ったりして舌がよく回らず、言葉が不明瞭になる様子。
【例】 「酒を飲み過ぎて呂律が回らなくなった」
36. 艪を押して柘は持たれぬ ( ろをおしてつげはもたれぬ )
一時に一人で両方はできないことをいう。
37. 論語読みの論語知らず ( ろんごよみのろんごしらず )
論語の文章だけはすらすら読めるが、その説くところの精神は、少しもわかっていない。
書物を読んで、言葉の上では理解するが、その真髄は体得せず、まして実行など出来ないことをいう。
38. 論陣を張る ( ろんじんをはる )
相手の反論まで十分予想してそれを封じ得る堅固な論理を組み立てた上で議論を展開する。
【例】 「今回の会議で彼女は堂々と論陣を張って頑張っている」
39. 論に負けても実に勝つ ( ろんにまけてもじつにかつ )
実利のあるほうを取ったほうがよいということ。つまり議論では負けても、得のいくほうがよいということ。
40. 論より証拠 ( ろんよりしょうこ )
物事を明らかにするには、口先だけで議論するよりも、実際に証拠を示すほうが早いし正確である、という意味。
【参考】 Seeing is believing.
41. 論を俟たない ( ろんをまたない )
論じるまでもないの意で、事実であることが明らかな様子。
【例】 「彼がこの一帯で一番であることは論を俟たない」