1. 弄瓦の喜び ( ろうがのよろこび )
女子出生の喜びをいう。女の子にいとまきをおもちゃとして与え、手芸の巧みな人になるように望むこと。
瓦は糸を紡ぐのに用いる土で作った道具、いとまきのこと。
【参考】 男子出生の場合は「弄璋の喜び」という。
2. 老驥千里を思う ( ろうきせんりをおもう )
英雄が年は老いても元気が衰えないというたとえ。
老驥とは老いた駿馬(しゅんめ)、老いたる英傑(えいけつ)のこと。
3. 老骨に鞭打つ ( ろうこつにむちうつ )
年を取って気力・体力共に衰えた自分を励まして、何かのために努力しようとすること。
【例】 「孫にものを頼まれ、老骨に鞭打って頑張った」
4. 労して功なし ( ろうしてこうなし )
骨を折るばかりで効果がないこと。
【類句】 骨折り損のくたびれもうけ
5. 狼子野心 ( ろうしやしん )
おおかみの子は人に飼われても、いつまでも山野にいた時の猛悪な心を失わないで、飼い主になれないこと。
人になれず、ともすれば人を害しようとする心をいう。
6. 老醜を晒す ( ろうしゅうをさらす )
なまじ人目につくようなことをしたために、年を取って醜くなった姿や頑迷な考え方などを人前に晒し、
恥をかく結果になる。老人が自らを謙遜する言い方としても用いる。
【例】 「カラオケ大会で優勝したために、とんだ老醜を晒すことになった」
7. 弄璋の喜び ( ろうしょうのよろこび )
男子が産まれたことの喜びをいう。子供に璋をもてあそばせ、その玉の徳にあやかって、将来天子を助けるすぐれた臣下になるように祈ること。
璋は圭を半分にした物。圭は、上がとがって下が四角な玉のこと。これは天子が諸侯を封ずるときに賜った。
8. 老少不定 ( ろうしょうふじょう )
老人が必ずしも先に死ぬとは限らず、少年が長生きすると決まっていない。
人間の寿命は定まらない、はかないものである、という意味。
9. 狼藉 ( ろうぜき )
乱れ散らかったようす。乱雑なさま。狼が草をしいて寝たあとが、乱れ散らかっている、という意味。
【参考】 「狼藉をはたらく」と使う。「杯盤狼藉」と同じ意味。
10. 蝋燭は身を減らして人を照らす
( ろうそくはみをへらしてひとをてらす )
自分のことは犠牲にして、他人の幸福のためにつくすことをいう。
11. 壟断 ( ろうだん )
利益や権利を独占すること。「壟」は丘、「断」は、丘が断ち切ったようになっているという意味。
昔の市場は露天であったから、市場の中でいちばん高い場所を見つけて、市場全体をながめ、値段を見比べて利益を独占することから。
12. 老婆心 ( ろうばしん )
行き過ぎた親切心。親切過ぎて、不必要なまでに世話をやくこと。
老婆はあれこれと心づかいをするものであるからいう。
【参考】 「婆心」ともいう。
13. 老馬の智 ( ろうばのち )
経験豊かな者は、物事の方針を誤らないたとえ。
昔、斉の管仲が桓公に従って雪の中で道に迷い、老馬を放って、そのあとについて道がわかったという故事。
14. 牢番の盗み酒 ( ろうばんのぬすみさけ )
賤(いや)しい人間の、あさましい行為をいう。
15. 隴を得て蜀を望む ( ろうをえてしょくをのぞむ )
一つの望みをとげて、更にその上を望むこと。欲にはきりがないこと。
「隴」も「蜀」も国名。後漢の光武帝が、隴を平らげた後に蜀をも手に入れようとした故事による。
【参考】 「望蜀」ともいう。
16. 労を多とする ( ろうをたとする )
何かに苦労したことを評価する、という意味で、相手の働きに感謝する気持ちを表わす言葉。
【例】 「今回のプロジェクトが成功したことに、君たちの労を多とする。」
17. 労をとる ( ろうをとる )
めんどうがらずに、何かのために骨を折る。
【例】 「限定販売の商品を買うために、彼が労をとって朝から並んでくれた」
18. ローマは一日にしてならず ( ろーまはいちにちにしてならず )
偉大なローマ帝国は、長期にわたる努力と歴史の結果建設されたもので、すべて大きな事業は、
長い年月を必要とする、ということから、物事は一朝にしては成らない、という意味。
【参考】 Rome was not built in a (or one) day.
19. 艪櫂の立たぬ海はない ( ろかいのたたぬうみはない )
どんな困難なことでも、やってやれないことはない。
20. 魯魚の誤り ( ろぎょのあやまり )
文字の誤り。書き誤り。「魯」と「魚」とは字の形が似ているところから、書き誤りやすいということ。
【参考】 「虎虚の誤り」と同じ。
【類句】 魯魚亥豕(がいし)の誤り / 魯魚帝虎(ていこ)の誤り / 焉馬(えんば)の誤り