1. よい内から養生 ( よいうちからようじょう )
前もって用心すれば、しくじらないということ。
【類句】 転ばぬ先の杖
2. 酔いが回る ( よいがまわる )
酒によって、正常な判断力や運動感覚が失われた状態になる。
【例】 「睡眠不足が続いていたためか、ひどく酔いの回るのが早い」
3. 良い事は真似でもせよ ( よいことはまねでもせよ )
人真似はよくないとされるが、良いことは人の真似でもよいからせよ、という意味。
4. 宵っ張りの朝寝坊 ( よいっぱりのあさねぼう )
夜は遅くまで起きていて、朝はいつまでも寝ていること。また、そういう人のことをいう。
5. よい仲の小いさかい ( よいなかのこいさかい )
親密な間柄の者には、かえって小さい争いごとがあるということ。
6. 容喙 ( ようかい )
「喙」はくちばし、「容」は入れる。くちばしを入れることから、横からさし出口をする、という意味。
【例】 「これは決定事項なので容喙を許さない」
7. 用が足りる ( ようがたりる )
用件を処理したり必要を満たしたりすることができる。
【例】 「私が行かなくても彼だけで用が足りるでしょう」
8. 要求をのむ ( ようきゅうをのむ )
相手の要求を認め、そのまま受け入れる。
【例】 「ずっと小遣いアップをお願いしていたが、やっと今日要求をのんでくれた」
9. 羊質にして虎皮す ( ようしつにしてこひす )
中味は羊でうわべだけが虎のこと。
実質が平凡であるのに外観だけが立派なこと。
10. 用舎行蔵 ( ようしゃこうぞう )
出処進退がよろしきにかなうこと。すぐれた君主がいて、自分が用いられた時は、役人となって世に出て自分の理想を行い、
捨てられて用いられない時は、去ってその身を隠し時節の到来を待つ、という意味。
11. 養生に身が痺せる ( ようじょうにみがやせる )
養生をしようとして苦労し、かえって身が痩せるということ。
12. 用心に怪我なし ( ようじんにけがなし )
用心さえしていれば、失敗することはないということ。
13. 用心は前にあり ( ようじんはまえにあり )
失敗せぬように前もって用心すること。
14. 用心は勇気の大半なり ( ようじんはゆうきのたいはんなり )
事をなすのに十分用心するのは、勇気の現われであって、卑怯なふるまいではない。
勇気のある者こそ用心して事に当たるものである、という意味。
15. 様子ありげ ( ようすありげ )
その人の表情・態度やその場の雰囲気から、いつもと違う特別な事情があるらしいと感じられる様子。
【例】 「彼女は最近、様子ありげに外を見ていることが多い」
16. 夜討ち朝駆け ( ようちあさがげ )
夜に人の家を訪問し、翌朝また同じ家を訪れる意で、用事があって、時間に構わず何度も同じ家を訪れること。
【例】 「夜討ち朝駆けで親に借金を頼んで、なんとか貸してもらえた」
17. 羊腸 ( ようちょう )
羊は草食動物で腸が長く、曲がりくねっていることから、山道などが、幾重にも曲りくねっていることをいう。つづら折り。
18. 膺懲 ( ようちょう )
「膺」は撃つ、「懲」は懲らす、という意味から、悪い者を撃ち懲らすこと。
19. 羊頭を懸けて狗肉を売る ( ようとうをかけてくにくをうる )
羊の頭を看板に出しておき、その実は狗(いぬ)の肉を売ることから、
見かけだけ立派にして、実質が伴わないたとえ。看板に偽りがあること。
【参考】 「羊頭狗肉」「羊頭を懸けて馬肉を売る」「牛首を懸けて馬肉を売る」ともいう。
【類句】 看板に偽りあり
20. 杳として ( ようとして )
事情が全く分からない様子。特に、行方が知れなくなった人について用いる。
【例】 「別れた後の、彼女の行方は杳として知れない」
21. 用に立つ ( ようにたつ )
何かと応用がきき、いざという時に役に立つ。
【例】 「今度のキャンプには、見かけによらず意外と用に立つ彼を連れて行こう」
22. 洋の東西を問わず ( ようのとうざいをとわず )
「洋の東西」は、東洋と西洋の意で、東洋とか西洋とかいった区別なく、何かが認められる様子。
【例】 「彼の料理店は、洋の東西を問わないので、いつも繁盛している」
23. 漸く佳境に入る ( ようやくかきょうにはいる )
だんだんとよくなる。次第に興味が深まること。サトウキビを食べるのに、しっぽから食べ始めるので、
人がそのわけを聞くと、だんだんうまくなるからであると答えたという故事。
24. 揺籃の地 ( ようらんのち )
「揺籃」は、揺りかごの意で、新たな文物がそこに起こり、後の発展の基盤を築いた所。
【例】 「長崎は日本における近代医学の揺籃の地だといってよい」
25. 要領がいい ( ようりょうがいい )
要点を的確にとらえ、能率よく物事が処理できる意から、うまく立ち回り、自分の立場を有利にする才能がある様子。
【参考】 「要領が悪い」は反対。
【例】 「彼はいつも要領がいいので、上司に気に入られている」
26. 要領を得ない ( ようりょうをえない )
相手が何を言おうとしているのか、肝心な点がはっきりしない様子。
【例】 「話が断片的すぎて要領を得ないので、もう少し頭の中でまとめてから話してくれ」
27. 要を得る ( ようをえる )
要点を押さえている。
【例】 「この企画に対する彼の意見は要を得ている」
28. 用を足す ( ようをたす )
用事を済ませる。また、大小便を済ませる意の遠回しな表現。
【例】 「たまっていた仕事の用を足そうと思ったが、今日中には無理そうだ」
29. 俑を作る ( ようをつくる )
「俑」は木で作り、葬式の時、墓に埋める人形のことで、顔かたちが、よく人間に似ており、
これが殉死の風習の起こるもととなったというので、孔子がその創始者を憎んだという故事から、悪い前例を始めることをいう。
30. 用をなさない ( ようをなさない )
そのものの機能が正常に発揮されず、役に立たない。
【例】 「その機械は故障しているのでまったく用をなさない」