31. 余殃 ( よおう )
あとに残る災い。祖先が悪いことを行った報いとして、子孫の代に来る凶事のこと。
32. 世が世ならば ( よがよならば )
現在が自分にとって昔と同様にいい時代だったらの意で、今の恵まれない境遇を嘆いて言う言葉。
【例】 「世が世ならば、こんなさびしい食事をしてなかったのに」
33. 余儀なくされる ( よぎなくされる )
他にどうしようもなく、心ならずもその方法を選ばざるを得なくなる。
【例】 「車が故障したので、電車通勤を余儀なくされた」
34. よく言う ( よくいう )
大それた物言いをした相手に対して、よくもぬけぬけと厚かましくそんなことが言えたものだと、あきれた気持ちを表わす言葉。
【例】 「自分がいたから優勝できただなんて、まったく彼よく言うよ」
35. 善く游ぐ者は溺る ( よくおよぐものはおぼる )
人は得意な方面で失敗することが多いたとえ。泳ぎのうまい者は水で死ぬ、という意味。
【類句】 川だち(川辺に育った者)は川で果てる
36. 欲が深い ( よくがふかい )
要求や願望の度が過ぎていて、利害損失にひどく執着する様子。
【例】 「もう十分儲けたのに、さらに儲けようだなんて君も欲が深いな」
37. よくしたもの ( よくしたもの )
世の中は不合理なことばかりのように見えて、案外うまく釣り合いがとれているものだということ。
【例】 「世間はよくしたもので、運が悪い者にもたまにはクジが当たるようだ」
38. 欲と二人連れ ( よくとふたりづれ )
欲につられて何かを一生懸命にすること。
【例】 「彼は親切で手伝っているように見えるが、本心は欲と二人連れで、あの店の女性が目当てだ」
39. 欲には目見えず ( よくにはめみえず )
欲に目がくらんで物の道理がわからなくなること。
40. 欲の皮が張る ( よくのかわがはる )
むやみに欲張ること。
【参考】 「欲の皮が突っ張る」また、単に「欲が張る」ともいう。
【例】 「あの時止めておけばよかったのに、欲の皮が張ったばっかりに損してしまった」
41. 欲も得もない ( よくもとくもない )
事態が差し迫ったり、窮地に立たされたりして、利害損失を考えている余裕がない様子。
【例】 「災害現場では欲も得もなく、一生懸命復旧活動を行なった」
42. 欲を言えば ( よくをいえば )
今のままでも不足はないが、なお一層望ましい状態を期待するとすれば。
【参考】 「欲を言うと」ともいう。
【例】 「なかなかおもしろい映画だと思うが、欲を言えば、最後をハッピーエンドにして欲しかった」
43. 欲を掻く ( よくをかく )
ほどほどのところで満足すべきなのに、もっともっとと欲張る。
【例】 「夕食に十分な量の貝が捕れたのに、欲を掻いて続けるから、すっかり日が暮れてしまった」
44. 余慶 ( よけい )
祖先が善いことを行なった報いとして、子孫の代に来る吉事。
【参考】 余殃
45. 予言者郷里に容れられず ( よげんしゃきょうりにいれられず )
優れた先覚者も、郷里の人からは尊ばれないことが多い。
【参考】 新約聖書にある言葉。
46. 横紙破り ( よこがみやぶり )
和紙は縦に漉(す)き目があって、横に裂けにくいということから、無理を承知で、自分の考えを押し通そうとすること。
【例】 「彼の横紙破りに、いつもまわりの者が迷惑している」
47. 横車を押す ( よこぐるまをおす )
後ろから押すべき車を横から押す意から、筋の通らないことを無理に押し通そうとする。
【例】 「今国会では与党が横車を押して、増税をしようとしている」
48. 横になる ( よこになる )
体を横たえて休む。
【例】 「船酔いして気分が悪いので、船室で横になった」
49. 横の物を縦にもしない ( よこのものをたてにもしない )
ちょっとしたことでもめんどうに思って、しようとしない様子。
【参考】 「縦の物を横にもしない」ともいう。
【例】 「うちの娘は横着者で、横の物を縦にもしない」
50. 横道に逸れる ( よこみちにそれる )
話題などが本筋から外れる。
【例】 「いつも彼と話をしていると、いつのまにか話が横道に逸れている」
51. 横目を使う ( よこめをつかう )
他人に気付かれぬように何かを観察したり、そっと合図を送ったりするために、
顔を前に向けたまま、目だけ動かして横の方を見る。
【例】 「彼は彼女に気があるので、授業中いつも横目を使って彼女のことを見ている」
52. 横槍を入れる ( よこやりをいれる )
他人の話や仕事にわきから非難めいたことをいう。
【参考】 自動詞形は「横槍が入る」
【例】 「今回の企画に反対だからといって、会議中に横槍を入れるのはよくない」
53. 横を向く ( よこをむく )
相手の言うことを拒否したり無視したりする。
【例】 「都会で助けを求めたが、みんな横を向いて通り過ぎるだけだった」
【類句】 そっぽを向く
54. 葦の髄から天のぞく ( よしのずいからてんのぞく )
蘆の茎の細い管の中から天を見ても、全体を見ることができない。
狭い見聞に基づいて大局を判断することはできない。見識の狭いことをいう言葉。
【参考】 「葦の髄から天井覗く」ともいう。
【類句】 管の穴から天を覗く / 管を以て天を窺う
55. 誼を通じる ( よしみをつうじる )
打算的な目的があって、親しい関係を結ぼうと働きかける。
【例】 「業界トップの人物と誼を通じて、会社の業績アップを目論む」
56. 余勢を駆る ( よせいをかる )
何かをやりとげた勢いに乗って、さらに別のこともやってしまおうとする様子。
【例】 「難しい問題が解けた余勢を駆って、次の難問も一気に解いてしまった」
57. 余喘を保つ ( よぜんをたもつ )
「余喘」は、今にも絶えそうな息の意で、今にも絶えそうな息をしながらやっと生き続けている意から、
何かがかろうじて存続していること。
【例】 「近くに大型スーパーが出来てから、この商店街も数店が余喘を保つだけになった」
58. 装いを新たにする ( よそおいをあらたにする )
今までとは違った印象を与えるように外観などを新しく作り変える。
【例】 「駅前のパチンコ屋が、また装いを新たにするらしい」
59. 余所に聞く ( よそにきく )
自分とは何の関係もないこととして、何かを聞く。
【例】 「妻の言っていることを余所に聞きながら、ひたすらテレビを見る」
60. 余所にする ( よそにする )
自分には何の関係もないこととして、無視する。
【例】 「勉強を余所にしてゲームばかりしている」