1. 豆を植えて稗 ( まめをうえてひえ )
好結果を得ようとして、かえって予想外の不結果を招くことのたとえ。
2. 炒豆と小娘はそばに置かれぬ
( いりまめとこむすめはそばにおかれぬ )
炒豆がそばにあると、知らず知らずのうちに手を出している。
それと同じで、小娘にも男が手を出す。
3. 炒豆に花 ( いりまめにはな )
炒った豆から芽が出て、それに花が咲く。
一度死んだものや、衰えたものが再び栄える。ありうべからざることをいう。
【参考】 「炒豆に花が咲く」ともいう。
【類句】 枯れ木に花が咲く
4. 鳩に豆鉄砲 ( はとにまめでっぽう )
きょとんとするさま。あまり突然のことにびっくりして、目を丸くし、ほっぺたをふくらますこと。
5. 豚肩豆を掩わず ( とんけんとうをおおわず )
豚の肩の肉を盛ったのが少量のため、器をおおうほどでないという意で、非常に倹約することのたとえ。
晏子が先祖をまつるのに質素であった、という故事による。
【参考】 「豆」は、木製の器(高杯)をいう。
6. 寸馬豆人 ( すんばとうじん )
遠くの人馬が小さく見えること。また、画中の人馬が小さく描かれていること。
7. 戸板に豆 ( といたにまめ )
8. 日陰の豆も時が来ればはぜる ( ひかげのまめもときがくればはぜる )
日の当たらないところで育った豆でも、日数がたって適当な時期が来ると自然にさやが割れてはじけ出る。
人間も同様に、一定の年齢が来れば、成長が遅れていた者もそれぞれ一人前になる、という意味。
【参考】 「陰裏(かげうら)の豆もはじける時」ともいう。
【類句】 豌豆は日陰でもはじける
9. 鳩を憎み豆を作らぬ ( はとをにくみまめをつくらぬ )
つまらない事にとらわれて、根本のつとめを怠り、自分が損するばかりか世間にも損害を与えてしまうこと。
10. 人の事より足もとの豆を拾え
( ひとのことよりあしもとのまめをひろえ )
他人のことをかれこれというよりもまず、自分のことに注意せよということ。
11. 豌豆は日陰でもはじける ( えんどうはひかげでもはじける )
熟れた豌豆は日陰でもはじけるように、年頃になると自然に男女の情に目ざめる。
また、心身の発達の遅れている者もいつか生長することをいう。
12. 小豆の豆腐 ( あずきのとうふ )
あるはずのないもの。ありえないもののたとえ。
小豆では豆腐はできない。空論などを戒める言葉。
13. 這っても黒豆 ( はってもくろまめ )
事理明白であるにもかかわらず、その道理に従わないで、あくまでも自説を主張する人のことをいう。
14. 大根食うたら菜っ葉は干せ ( だいこんくうたらなっぱはほせ )
大根を食ったら、その葉は捨てないで干しておけば、あとで役に立つ。
どんなつまらぬものでも、しまっておけば、役に立つことがあるのたとえ。
15. 大根を正宗で切る ( だいこんをまさむねできる )
大げさなことをする。大根ぐらいを切るのに、正宗の名刀を使うことはない。
また、大人物につまらぬ仕事をさせること。
16. 青菜に塩 ( あおなにしお )
青菜に塩をふりかけると、しおれてしまうことから、すっかり元気をなくしてしおれている様子。
【例】 「彼女は秘書検定に落ちて、青菜に塩の状態だった」
17. 男に青菜を見せるな ( おとこにあおなをみせるな )
青菜はゆでると、かさがゴッソリ減ってしまう。男はその事を知らない、だからゆでる前の青菜は男に見せるなという意味。
18. わさびを利かせる ( わさびをきかせる )
問題の核心を鋭くえぐり出して、相手に強い印象を与えるような話をする様子。
【例】 「今日の会議でわさびを利かせた話をしたら、私の企画が採用された」
19. 瓜田に履を納れず ( かでんにくつをいれず )
瓜の畑で靴がぬげて、かがんで靴を履こうとすると、瓜を盗むと疑われる、ということから、
疑いを受けるような、まぎらわしい行為は避けたほうがよい、というたとえ。
【参考】 「李下に冠を正さず」の句と対になる。
20. 瓜に爪あり爪に爪なし ( うりにつめありつめにつめなし )
「瓜」の字と「爪」の字とは、よく似ていて間違いやすいので、字画の区別を覚えさせるための言葉。
「瓜」の字には「つめ」のような形があるが、「爪」の字には反対に「つめ」がない。
21. 瓜の蔓に茄子はならぬ ( うりのつるになすびはならぬ )
平凡な親から非凡な子は生まれない。血統は争えない、という意味。
【参考】 「鳶が鷹を生む」の対。
【類句】 蛙の子は蛙
22. 瓜を投りて瓊を得 ( うりをおくりてたまをう )
少しばかりの贈り物をして貴重な返礼をもらうこと。
23. 瓜二つ ( うりふたつ )
二つに割った瓜のように、親子や兄弟などの顔かたちがよく似ている様子。
【例】 「長男は父親に瓜二つだ」
24. 破瓜 ( はか )
女子の十六歳をいう。瓜の字を二つに割ると八の字が二つできることから。
また、女性の処女膜の破れることをいう。
【参考】 「破瓜期」は女の思春期のこと。
25. 柿の皮は乞食に剥かせ瓜の皮は大名に剥かせよ
( かきのかわはこじきにむかせうりのかわはだいみょうにむかせよ )
柿の皮は薄くむいたほうがよいから、乞食にむかせたほうがよく、瓜の皮は厚くむいたほうがよいから、
おおような大名にむかせるのがよい。皮のむき方の適否について言った言葉。
【参考】 「瓜の皮は大名に剥かせよ柿の皮は乞食に剥かせよ」ともいう。
【類句】 魚は大名に焼かせよ餅は乞食に焼かせよ