26. 芋の煮えたも御存知ない ( いものにえたもごぞんじない )
芋が煮えたか煮えないかの区別もわからない。
世間知らずの物事にうかつな者を、あざけって、また、からかっていう言葉。
27. 芋茎で足を衝く ( いもがらであしをつく )
うっかり(油断)して思わぬ失敗をすること。また、大げさなことのたとえ。
28. 長芋で足を突く ( ながいもであしをつく )
油断して思わぬ失敗をすること。
29. 山の芋鰻とならず ( やまのいもうなぎとならず )
世の中にはとてつもない変化などというものはない。
30. 家柄より芋茎 ( いえがらよりいもがら )
落ちぶれても家柄を自慢する者をあざけったことば。家柄よりも、食べられる芋茎の方が値打ちがあるという意味。
31. 畠あっての芋種 ( はたけあってのいもだね )
女親がよくなくてはよい子供は生まれないということ。
どんなに種がよくても畑がなければ子はできない。
32. 山椒は小粒でもぴりりと辛い
( さんしょうはこつぶでもぴりりとからい )
体は小さくても、決して侮れない才覚・手腕・気迫などを備えていることのたとえ。
33. 驚き桃の木山椒の木 ( おどろきもものきさんしょのき )
これは驚いた、というときに使う語。
「驚き」の「き」に「木」をかけて語呂合わせした語。
34. 鴨が葱を背負って来る ( かもがねぎをしょってくる )
鴨だけでなく葱までも、ということは、鴨鍋にするのに好適であるということ。
こんな都合のいいことはない。おあつらえ向きだ、という意味。
35. 倹約とけちは水仙と葱 ( けんやくとけちはすいせんとひともじ )
倹約とけちとはよく似ているが、まったく違ったものである。
それは水仙とねぎが似てはいるがまるで違うのと同じである。
【参考】 「ひともじ」は、ねぎの女房言葉。
36. 雨後の筍 ( うごのたけのこ )
雨が降ったあと、筍が勢いよくあちこちに出るように、似たような物事が次から次へと続いて多く出てくるたとえ。
37. 縁の下の筍 ( えんのしたのたけのこ )
頭がつかえて出身できない。うだつが上がらない人のたとえ。
38. 竹の子の親まさり ( たけのこのおやまさり )
竹の子の成長が早いことから、子がその親よりすぐれていることのたとえ。
39. 人参飲んで首くくる ( にんじんのんでくびくくる )
高価な朝鮮人参を飲んで病気はなおしたが、かんじんのその薬代のためにどうにもならなくなって自殺するということ。
結果をよく考えてしないと、よいはずの事がわざわいのもとになるという戒め。
40. 独活の大木 ( うどのたいぼく )
独活は茎が長く伸びるが、柔らかくて役に立たない。
からだが大きいばかりで能力も体力も十分でなく、役に立たない人をあざけっていう。
41. 菽麦を弁ぜず ( しゅくばくをべんぜず )
愚か者。大ばか者。「菽」は豆。
豆と麦との違いも見分けられない愚か者という意味。
42. 苦瓢にも取柄あり ( にがひさごにもとりえあり )
どんなつまらぬ物にも長所があるという事。
苦瓢はにがくて食えないが、ひしゃくにはなる。ひょうたんのこと。
43. 献芹 ( けんきん )
人に物を贈るときの謙遜(けんそん)の語。
野人がつまらない芹(せり)を、美味だとして身分の高い人に献上するという意味から。
また、君主に忠義を尽くすことをへりくだっていう。
44. 人の牛蒡で法事する ( ひとのごぼうでほうじする )
自分が当然しなければならないことをするのに、人の物を使ってするということ。
45. 匂い松茸味しめじ ( においまつたけあじしめじ )
キノコの中で、匂いのよいのは松茸、味のよいのはしめじである、ということ。
【参考】 ここでいう「しめじ」は「ブナしめじ」などではなく、「本しめじ」のこと。
46. 雨を冒し韮を剪る ( あめをおかしにらをきる )
友情の厚いことのたとえ。
後漢の郭林宗のところに、ある夜はげしい雨の中を友人が訪れて来た。
林宗は喜んで、雨の中をおかして韮を切り、餅をつくって歓待したという故事。
47. 秋茄子は嫁に食わすな ( あきなすはよめにくわすな )
秋茄子はおいしいので、しゅうとめが嫁に食べさせたがらないという意。また、食べると体を冷やすので、
また、秋茄子は種が少ないので子供が出来ないという縁起をかついで、嫁に食べさせなかったともいう。
【類句】 秋梭魚は嫁に喰わすな
48. 瓜の蔓に茄子はならぬ ( うりのつるになすびはならぬ )
平凡な親から非凡な子は生まれない。血統は争えない、という意味。
【参考】 「鳶が鷹を生む」の対。
【類句】 蛙の子は蛙
49. 一富士二鷹三茄子 ( いちふじにたかさんなすび )
初夢に見るものの中で縁起のよい順を並べていった語。
【参考】 一説に駿河の国(静岡県中央部の旧称)の名物ともいう。
50. 親の意見と茄子の花は千に一つもむだはない
( おやのいけんとなすびのはなはせんにひとつもむだはない )
茄子にはむだ花がなく、花が咲くと必ず実がなるように、親が子にする意見には決してむだがない。
【類句】 冷や酒と親の意見は後できく