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「え」からはじまる ことわざ 3

55. 縁と命は繋がれぬ ( えんといのちはつながれぬ )

 人の命は一度死ねば生き返らないように、縁もいったん切れると再びつなぐことはできない。 縁は大切にせよ、ということ。

56. 縁と浮世は末を待て ( えんとうきよはすえをまて )

 良縁と好機会とは、時節の来るのを待つべきもので、あせってもだめである、という意味。

57. 縁と月日の末を待て ( えんとつきひのすえをまて )

 良縁とよい時機(チャンス)とは、自然にやってくるのを待っているのがよい。 あせってはいけない、という意味。

58. 豌豆は日陰でもはじける ( えんどうはひかげでもはじける )

 熟れた豌豆は日陰でもはじけるように、年頃になると自然に男女の情に目ざめる。 また、心身の発達の遅れている者もいつか生長することをいう。

59. 縁なき衆生は度し難し ( えんなきしゅじょうはどしがたし )

 いかに仏でも仏縁のないものは救済しにくいように、人の言うことを聞きいれないものは救いようがない、という意味。
 【参考】 「度」は「済度(衆生を救うこと)」の意。

60. 炎にして付き寒にして棄つ ( えんにしてつきかんにしてすつ )

 精力の盛んな時にはこびつき、衰えると離れ去ることで、人情のうすいこと。浮簿なことをいう。

61. 縁に連るれば唐の物 ( えんにつるればとうのもの )

 何かの因縁で思わぬものと関係が生じる、という意味。

62. 縁の切れ目は子でつなぐ ( えんのきれめはこでつなぐ )

 子供という"カスガイ"で、とっくにばらばらになっていると思われる夫婦を繋いでいるという意味。

63. 縁の下の鍬使い ( えんのしたのくわつかい )

 縁の下だから、頭があがらないこと。 また、窮屈でどうにも働けないことのたとえ。

64. 縁の下の筍 ( えんのしたのたけのこ )

 頭がつかえて出身できない。うだつが上がらない人のたとえ。

65. 縁の下の力持ち ( えんのしたのちからもち )

 他人のために陰で骨を折ること。また、その人。多く、表面で活躍している人に対し、陰でそれを支える力となっている人のことを言う。
 【例】 「私がここまで活躍できたのは、君が縁の下の力持ちになってくれたからだ」
 【類句】 縁の下の舞

66. 縁の目には霧が降る ( えんのめにはきりがふる )

 縁があって結ばれているものにには、霧が降っているように相手の欠点が見えないで、かえって美しく見える。

67. 縁は異なもの ( えんはいなもの )

 男女の仲は不思議なもので、常識では判断できない微妙な結び付きがあるものだ、という意味。
 【参考】 「縁は異なもの味なもの」は、江戸のいろはがるたの一つ。

68. 円木警枕 ( えんぼくけいちん )

 苦学して寝るのも忘れること。苦学力行。 宋の司馬温公は、若いとき円い木で枕をつくって、眠りかけると木がころがって目が醒めるようにして勉強したいという故事から。

69. 遠慮なければ近憂あり ( えんりょなければきんゆうあり )

 遠い将来のことまでよく考えて行動しない人は、必ず急な心配事に苦しむものである。 目前の利害にとらわれた軽率な行動を戒めた言葉。

70. 遠慮は無沙汰 ( えんりょはぶさた )

 あまりたびたび訪れては迷惑になるだろうと遠慮するが、遠慮も度がすぎれば無沙汰になり、かえって失礼になり、疎遠になってしまって無関係になる。

71. 遠慮ひだるし伊達寒し ( えんりょひだるしだてさむし )

 遠慮して食べなければ空腹をがまんしないければならないし、美しく見せようとして薄着すれば寒さを辛抱しなければならない。 見栄、外見をかざることの戒め。

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