33. 竹帛の功 ( ちくはくのこう )
歴史に残るような大きな功績。
昔、紙が発明される以前は、竹の札や帛(絹)に文字を書いたので、書物や記録・歴史のことを竹帛といった。
34. 竹馬の友 ( ちくばのとも )
幼友達。共に竹馬に乗って遊んだ幼い時の友達。
【例】 「同窓会に出席して、久しぶりに竹馬の友に会った」
35. 竹に油を塗る ( たけにあぶらをぬる )
竹に油を塗るとよくすべることから、弁舌の達者なことのたとえ。
【参考】 「若竹に油を塗ったよう」は、年が若くて美しいことのたとえ。
36. 竹屋の火事 ( たけやのかじ )
竹は燃えるとパンパンとはじけて大きな音がすることから、怒ってぽんぽんと言うようすをいう。
37. 竹藪に矢を射る ( たけやぶにやをいる )
無益なことのたとえ。
38. 成竹 ( せいちく )
画家が竹を書く前に、竹のようすを胸の中に想像し、その後に筆をとる、ということから、
事前に計画を立てること。また、事前に立てた計画。
39. 木に竹を接ぐ ( きにたけをつぐ )
物事が調和しない。前後のつりあいが悪い。筋道が立たない。
木と竹は似ているが、種類が違うので、木に竹を接ぎ木することはできない、という意味。
40. 蛇は竹の筒に入れても真っすぐにならぬ
( へびはたけのつつにいれてもまっすぐにならぬ )
生まれつき精神の曲がっているものは、どんなにしても治しにくいこと。
41. 功名を竹帛に垂る ( こうみょうをちくはくにたる )
手柄と名誉を歴史に残す。「竹」は竹簡、「帛」は絹布。
中国で、紙が発明される前の書写の材料。よって書物や歴史の意に用いる。
42. 胸中成竹有り ( きょうちゅうせいちくあり )
竹を描くに先立って、胸の中ですでにできあがった構図がある。
仕事に取りかかる前に完成の見込みをつけること。
43. 燈心で竹の根を掘る ( とうしんでたけのねをほる )
柔らかくてもろい燈心で堅い竹の根を掘るように、一生懸命につとめても、事がなしとげられないことのたとえ。
44. 松の事は松に習え、竹の事は竹に習え
( まつのことはまつにならえたけのことはたけにならえ )
三冊子(さんぞうし)に見える芭蕉の言葉。私意を離れ対象と一体化することに風雅のまことがあるという教え。
45. 破竹の勢い ( はちくのいきおい )
竹は初めの一節を割れば、あとは押すだけで割れることから、猛烈な勢い。とどめがたい勢い。
46. 笹の葉に鈴 ( ささのはにすず )
よくおしゃべりする人のことをいう。
笹の葉に鈴をつけると、風に吹かれて絶えず鳴り続けるからいう。
【類句】 竿の先に鈴
47. 脛に疵持てば笹原走る ( すねにきずもてばささはらはしる )
自分の心にやましいことのある者は、ささの葉音やささの葉の痛さにもびくびくして、落ち着いては歩けない。
悪事を犯した者は正々堂々と道行くことが出来ないということ。
48. 麦秋 ( ばくしゅう )
麦が熟して収穫する初夏のころ。麦の熟すときを、一般の穀物が実る秋に擬した語。
【参考】 「むぎあき」とも読む。
49. 麦飯で鯉を釣る ( むぎいいでこいをつる )
ちょっとの元手で大もうけをすることのたとえ。
【類句】 蝦で鯛を釣る
50. 麦と姑は踏むがよい ( むぎとしゅうとめはふむがよい )
麦をよく育てるためには踏むほうがよいが、それと同じように姑にもあまり下手にばかりでないで、
時には強気にものを言うことのほうがよいということ。
51. 麦の穂がでたら浅蜊を食うな ( むぎのほがでたらあさりをくうな )
夏のあさりは中毒しやすいから注意せよということ。
52. 麦は昼寝して刈れ ( むぎはひるねしてかれ )
麦は刈ってから雨にあわせると収穫量が低下するのに、その刈入時はちょうど梅雨期にあたっているので雨の日が多い。
それで早くあわてて刈らないで、昼寝でもしてからゆっくり落ちついて、天気の様子でも見きわめながら刈るほうがよいというたとえ。
53. 麦飯に食傷なし ( むぎめしにしょくしょうなし )
麦飯は米の飯より口あたりが悪くておいしくないとされているが、
消化がよく腹にもたれないのでよいということ。
54. 麦秀の嘆 ( ばくしゅうのたん )
亡国のなげき。
殷(いん)の箕子(きし)が、滅びた殷の都の跡を通り過ぎ、麦畑となっているのを見て、悲しみのあまり麦秀の歌を作った故事による。
55. 菽麦を弁ぜず ( しゅくばくをべんぜず )
愚か者。大ばか者。「菽」は豆。
豆と麦との違いも見分けられない愚か者という意味。
56. 中の米の飯より隣の麦飯 ( うちのこめのめしよりとなりのむぎめし )
なんでも他人のものは自分のものよりよく見えて、うらやましがること。
57. 瓢箪から駒 ( ひょうたんからこま )
瓢箪の中から本物の馬が飛び出す。意外なところから意外な事物が現れる。
実際には考えられないことから、思いがけない結果が生ずることをいう。
58. 瓢箪鯰 ( ひょうたんなまず )
丸い瓢箪で鯰をつかまえようとすることから、のらりくらりしてつかまえどころがないたとえ。
また、さっぱり要領を得ないことをいう。
【参考】 「瓢箪で鯰を押さえる」ともいう。
59. 瓢箪に釣り鐘 ( ひょうたんにつりがね )
大小・軽重などが比較にならないほどひどく違うことのたとえ。
【類句】 提灯に釣り鐘
60. 瓢箪の川流れ ( ひょうたんのかわながれ )
うきうきして、落ち着きのないようすをいう。軽薄な態度のたとえ。
61. 糸瓜の皮とも思わず ( へちまのかわともおもわず )
どうとも思わないこと。少しも気にかけないこと。
62. 団栗の背競べ ( どんぐりのせいくらべ )
団栗は大きさを比べ合っても大差ないことから、みな同じ程度の能力で、抜きん出て優れたものがない様子。