1. 四海兄弟 ( しかいけいてい )
世の中の人は、すべて兄弟のように仲良く、愛し合うべきであるという意味。
2. 四海を家となす ( しかいをいえとなす )
天下を自分の家のように考えるということで、帝王の事業が盛んなことのたとえ。
3. 四角な座敷を丸く掃く ( しかくなざしきをまるくはく )
物事のすみずみにまで気を配らず、いいかげんにすます。
横着なごまかし仕事をするのにいう。
4. 四苦八苦 ( しくはっく )
非常な苦しみ。あらゆる苦しみ。仏教で、人生の生・老・病・死の四苦に、
愛別離苦(あいべつりく)・怨憎会苦(おんぞうえく)・求不得苦(ぐふとくく)・五陰盛苦(ごおんじょうく)の四苦を合わせたもの。
5. 四知 ( しち )
二人の間だけの秘密であっても、天と神と相手と自分の四者が知っているから、誰にもわからないとは言えない。
後漢の楊震が王密の謝礼の金を断った故事。
【参考】 天知る神知る我知る子知る
6. 四斗を八斗 ( しとをはっと )
少しのことを、大げさに言ったり、大げさに考えたりすること。
7. 四面楚歌 ( しめんそか )
楚の項羽が、がい下において漢の高祖の軍に包囲されたとき、四方の漢軍の中から、
故郷である楚の歌声があがるのを耳にし、楚の地がすでに漢軍に降伏したかと驚いて絶望した、という故事から、
助けがなく、周囲が敵や反対者ばかりであること。孤立無援なようすのこと。
8. 四つの目は二つの目より多くを見る
( よっつのめはふたつのめよりおおくをみる )
何事でも、一人だけで見たり判断したりするよりは、大勢で見たり判断したりするほうが確かである。
【参考】 Four eyes see more than two. の訳語。
9. 四つに組む ( よつにくむ )
「四つ」は、相撲で力士が両手を指し合って組む、ということから、双方が正面から堂々と勝負をいどむ。
また、ある問題にまともに取り組む。
【例】 「地球の環境問題について、みんなで四つに組んで考えなければいけない」
10. 四つに渡り合う ( よつにわたりあう )
相手と互角の勝負をする。また、堂々と応戦する。
【例】 「今回は負けてしまったが、優勝候補と四つに渡り合っただけでもすごいことだ」
11. 死なば四八月 ( しなばしはちがつ )
どうせ死ぬなら、気候のよい四月・八月に死にたい。
何をするにも時期があるたとえ。四月八月は陰暦。
12. 朝三暮四 ( ちょうさんぼし )
人を口先でうまくだますこと。また、目前の差別にばかりこだわっていて、結果が同じになるのを知らないこと。
猿にどんぐりの実を、朝三つ夕方四つ与えようとしたら怒ったので、朝四つ夕方三つ与えようといったら喜んだという故事による。
13. 張三李四 ( ちょうさんりし )
ありふれた平凡な人。張と李とは中国にありふれた姓。
張家の三男、李家の四男という、身分も低く有名でない、平凡な人たち。
14. 一誹二笑三惚四風邪 ( いちそしりににわらいさんほれしかぜ )
くしゃみの数による占い。くしゃみを一つすれば人が悪口をいっているしるし、
二つなら笑っている、三つなら惚れられ、四つなら風邪をひくしるし。
15. 丸い卵も切りようで四角 ( まるいたまごもきりようでしかく )
「物は言いようで角か立つ」と続け、同じことでも話し方によって良くも悪くも受け取られることを言う。
16. 五車の書 ( ごしゃのしょ )
蔵書が非常に多いたとえ。五台の車に積んだ書物、という意味。
17. 五斗米の為に腰を折る ( ごとべいのためにこしをおる )
わずかばかりの食禄(しょくろく)のために卑屈な態度をとること。
晋の陶淵明(とうえんめい)(名は潜)が、県知事となっていた時、若い後輩が上役として視察に来ることになり、礼服を着て出迎えよ、
といわれたので、淵明は日俸の五斗米(今の五升=約九リットル)のために腰を折って若僧にぺこぺこするのはいやだと言って、
即日に辞職して郷里に帰った故事。
18. 五風十雨 ( ごふうじゅうう )
気候が順調なこと。農業に都合のよい季候。
五日目ごとに一たび風が吹き、十日目ごとに一たび雨が降ること。
19. 五里霧中 ( ごりむちゅう )
迷って方針や見込みが立たないこと。
後漢の張楷(ちょうかい)は秘術で五里四方にわたる霧を起こし、人は深い霧の中に居て方角が分からなくなった。
【参考】 「五里夢中」と書くのは誤り。
20. 五月の鯉の吹き流し ( さつきのこいのふきながし )
さっぱりとして心にわだかまりのないたとえ。
端午(たんご)の節供に立てる鯉幟(こいのぼり)には腸(はらわた)がないからいう。
21. 夢は五臓の煩い ( ゆめはごぞうのわずらい )
夢は体内の五臓の疲れによって生ずるものであるという漢方医の説。
【参考】 五臓は「肺臓・肝臓・腎臓・心臓・脾臓」
22. 堪忍五両思案十両 ( かんにんごりょうしあんじゅうりょう )
腹の立つところを我慢すれば大きな利益がある。
その上によく考えて工夫すればさらに大きな利益がある。
23. 御意見五両堪忍十両 ( ごいけんごりょうかんにんじゅうりょう )
人からの忠告は五両の値打ちがあり、忍耐は十両の値打ちがあるということで、
世の中を渡るうえに、忠告や忍耐が大切なことのたとえ。
24. 会えば五厘の損がいく ( あえばごりんのそんがいく )
人と交際すれば、とかく何かと出費があって損をするとの意。
25. 江戸っ子は五月の鯉の吹き流し
( えどっこはさつきのこいのふきながし )
江戸っ子は言葉使いは荒っぽいが、腹の中はさっぱりしていて悪気がない。
26. 生二両に死五両 ( いきにりょうにしにごりょう )
生産に二両、葬式に五両の入費がかかることから、
この世の中は生まれても死んでも金がかかる、ということのたとえ。
27. 三寸の舌に五尺の身を亡ぼす
( さんずんのしたにごしゃくのみをほろぼす )
不用意な言葉や失言のために、災いを招き身を滅ぼすことが多い、という戒め。
28. 一寸の虫にも五分の魂 ( いっすんのむしにもごぶのたましい )
どんなに小さく弱い者にも、それ相応の意地がある。どんなに弱そうに見え、また、どんなに身分が低く、
しいたげられている者にも、それぞれ意地や根性があるから侮ってはいけない、ということわざ。
【参考】 Even a worm will turn.
29. 千石万石も米五合 ( せんごくまんごくもこめごごう )
千石万石の知行とりでも、食べる米は一日五合で、普通の人と変わりはない。
欲張っていくら金をためてみても、死んでしまえば、行く先は同じだ。