36. 蛍雪 ( けいせつ )
苦労して学問に励む事。秦の車胤(しゃいん)は、貧乏で灯火の油が買えないので蛍を集めてその光で読書し、
孫康(そんこう)は貧しくて油がないので雪明かりで読書し、共に貧乏に負けずに勉強をした、という故事による。
【参考】 「蛍雪の功を積む」と使う。
37. 螢火を以て須弥を焼く ( けいかをもってしゅみをやく )
ほたるの火で須弥山のような大きな山を焼いてしまおうということで、微力をもって大きな仕事を企てることのたとえ。
また、力が足りないのに大きな事を企てて骨折ってもそのかいのないことにもいう。
【参考】 須弥山は仏語で、世界の中心にそびえ立つ高山。
38. 鳴かぬ螢が身をこがす ( なかぬほたるがみをこがす )
口に出して言わないものの方が、心の中では切実なものであるたとえ。
いわぬがいうにいやまさるということ。
39. 追剥原へ蛍狩り ( おいはぎはらへほたるがり )
追いはぎの出る原へホタル狩りに出かけると危険なように、
自分から求めて危険なところへ行くことのたとえ。
40. 水に燃えたつ蛍 ( みずにもえたつほたる )
恋しい人にあえず、いらだち焦がれている人のたとえ。
41. 蜂起 ( ほうき )
蜂の巣をつつくと、蜂が一斉に飛び立つ、そのように一時に起こる様子から、大勢がそろって暴動などを起こすことをいう。
42. 虻蜂取らず ( あぶはちとらず )
アブと蜂を同時に捕らえようとして、どちらも取り逃がす、ということから、あまり欲張ると、かえって何一つ得られなくなること。
【例】 「彼女は秘書検定と英語検定の勉強をしているが、虻蜂取らずになるかもしれない」
【類句】 二兎を追う者は一兎をも得ず
43. 牛の角を蜂がさす ( うしのつのをはちがさす )
蜂が牛の角を刺しても、牛は痛くもなんともない、ということから、なんとも感じないことのたとえ。
【参考】 「鹿の角を蜂がさす」ともいう。
44. 泣きっ面に蜂 ( なきっつらにはち )
泣いてむくんでいる顔を蜂が刺す。不幸や不運の上にさらに不幸なことが重なって起こる、という意味。
【参考】 Misfortunes seldom come singly.
【類句】 弱り目に祟り目
45. 蚊集まりて動すれば雷となる ( かあつまりてどうすればらいとなる )
小さな無力なものでも沢山集まって団結すれば、強力なものになることのたとえ。
46. 蚊をして山を負わしむ ( かをしてやまをおわしむ )
力のない者に大きな仕事をさせることで、とてもその任にたえないことのたとえ。
47. 蚊虻牛羊を走らす ( ぶんぼうぎゅうようをはしらす )
蚊やあぶのような小さな虫が、牛や羊のような大きな動物にたかって、牛や羊がかゆくて走る出すように、弱小のものが強大なものを動かすたとえをいう。
小さな物でも油断をしていると、それが禍となり大害を引き起こすことがあるというたとえ。
48. 蚤蚊の夜話蠅の朝起き ( のみかのよばなしはえのあさおき )
蚤のために夜通し眠れず、蠅がうるさくて早起きしてしまうこと。
49. 蚤の息も天に上がる ( のみのいきもてんにあがる )
力の弱い者でも一心に行えばなし遂げることができるというたとえ。
【類句】 蟻の思いも天に届く
50. 蚤の夫婦 ( のみのふうふ )
蚤は雌の方が大きいことから、妻の方が夫より体の大きい夫婦のことをいう。
【例】 「隣の家は奥さんの方が体が大きくて、蚤の夫婦だ」
51. 虻蜂取らず ( あぶはちとらず )
アブと蜂を同時に捕らえようとして、どちらも取り逃がす、ということから、あまり欲張ると、かえって何一つ得られなくなること。
【例】 「彼女は秘書検定と英語検定の勉強をしているが、虻蜂取らずになるかもしれない」
【類句】 二兎を追う者は一兎をも得ず
52. 蚊虻牛羊を走らす ( ぶんぼうぎゅうようをはしらす )
蚊やあぶのような小さな虫が、牛や羊のような大きな動物にたかって、牛や羊がかゆくて走る出すように、弱小のものが強大なものを動かすたとえをいう。
小さな物でも油断をしていると、それが禍となり大害を引き起こすことがあるというたとえ。
53. 雪隠虫も所贔屓 ( せっちんむしもところびいき )
雪隠虫はウジ虫のことで、どんな場所でも住んでいるところを贔屓にするものだ、という意味。
54. 蜈蚣のあだ転び ( むかでのあだころび )
むかでは足が沢山あるから、見た目はなかなか倒れそうもないようだが、
それでもときには倒れることがあるということで、どんなに安全のように見えても、また慣れていることでも、
しくじることがあるということのたとえ。
55. 蛾の火に赴くが如し ( がのひにおもむくがごとし )
蛾が灯火に向かって飛んでいくように、好んで危険に向かって進むこと。
自分の身が滅ぶのもかえりみずに利をむさぼることをいう。
56. 蜘蛛の子を散らすよう ( くものこをちらすよう )
大勢の人が一度にぱっと逃げて行くのにたとえる。
蜘蛛は袋の中に数百の卵を生むが、袋を破ると多くの子が四方に散るところからいう。
57. けい蛄春秋を知らず ( けいこしゅんじゅうをしらず )
ひぐらしは夏の間だけ生きている短い命だから、春や秋の季節を知らないということから、
生命のきわめて短いことのたとえ。また、世間知らずのたとえ。けいこは夏ぜみ、むぎわらぜみ。ひぐらし。
58. 蚕食 ( さんしょく )
片はしから他国の領土を侵略すること。蚕が桑の葉を食べるようすにたとえた語。
59. 虱の皮を槍で剥ぐ ( しらみのかわをやりではぐ )
小さなことをするのに、大げさに振る舞うことのたとえ。
【類句】 鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん
60. 蜻蛉の鉢巻きで目先が見えぬ
( とんぼのはちまきでめさきがみえぬ )
とんぼの目は頭についているので、鉢巻きをすると目が隠れてしまうことから、目先のきかないことをいう。
61. 尻切れ蜻蛉 ( しりきれとんぼ )
物事が中途で途切れて後が続かないこと。
62. 尺蠖の屈するは伸びんがため
( しゃっかくのくっするはのびんがため )
尺取り虫が体を曲げて縮まるのは、次に伸びようとするためである。
将来の大発展を期すために一時の屈服を忍ぶことをいう。
63. 蜉蝣の一期 ( ふゆうのいちご )
人の命のはかないことのたとえ。
「蜉蝣」はかげろうのことで、かげろうの一生は、朝生まれて夕方には死ぬほどのはかないものだが、人の一生もそれと選ぶところがない。
64. 蛙鳴蝉噪 ( あめいせんそう )
くだらない連中ががやがやと騒ぐことを、蛙や蝉の騒がしい鳴き声のようだといった語。
つまらない議論や文章をあざけっていう語。
65. 大木に蝉の止まったよう ( たいぼくにせみのとまったよう )
大きなものに小さなものがつかまっていることの形容。大小の差が大きいことのたとえ。
66. 痩せじらみを鑓ではぐ ( やせじらみをやりではぐ )
道具だけとてつもなく大きいことで、大げさなやりかたをからかった言葉。
67. 男やもめに蛆がわき女やもめに花が咲く
( おとこやもめにうじがわきおんなやもめにはながさく )
妻に死別または生別した男のひとり者は、身の回りの世話をする人がいないので汚いが、
夫に死別した未亡人は、身ぎれいにしていて男たちにもてはやされる。
68. 蟷螂の斧 ( とうろうのおの )
「蟷螂」はかまきりのことで、どんな相手にも斧のような前足をふり立てて向かうことから、
自分の力の弱さを顧みずに大敵に向かうこと。はかない抵抗。向こうみず。
【例】 「税金値上げに反対したが、蟷螂の斧に過ぎなかった」
69. 蝶よ花よと ( ちょうよはなよと )
良家で娘を非常にかわいがって大切に育てる様子。