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生物の「鳥類」を含む ことわざ 3

58. を養うが如し ( たかをやしなうがごとし )

 心のねじけた人を使うには、その欲望を満足させないと不平をいって従わないし、 十分に欲望を満足させればそむき、そのかねあいのむずかしいところが、鷹を飼うのに似ているということ。

59. は飢えても穂をつまず ( たかはうえてもほをつまず )

 鷹はどんなにひもじくても、烏や雀のように農民の汗水たらして耕した畑に降りて穂をつついて食べるような不義はしない。 正義の人は窮しても不正な金品を受け取ったりはしないことのたとえ。

60. 鳶がを生む ( とびがたかをうむ )

 平凡な親から傑出した子供が生まれること。
 【参考】 「とび」は「とんび」とも。「瓜の蔓に茄子はならぬ」「蛙の子は蛙」に対する言葉。
 【例】 「鳶が鷹を生んだと言っては失礼だが、彼の息子は一流大学へ行ったそうだ、」

61. 憎いには餌を飼え ( にくいたかにはえをかえ )

 手向かう者にはとくをさせてなつかせるのがよい。

62. 能あるは爪を隠す ( のうあるたかはつめかくす )

 有能な鷹は、平素は獲物を捕まえるための鋭い爪を隠しておく。 実力・才能のある人物は、むやみにそれを外部に表さず謙虚にしているが、いざという時その真価を発揮する、という意味。
 【参考】 「上手の猫が爪を隠す」ともいう。

63. 下種ととに餌を飼え ( げすとたかとにえさをかえ )

 卑しい者や性質の荒い者には、心付けや食物を与えて手なずけて使うのがよい。

64. 百貫のも放さねば知れぬ
  ( ひゃっかんのたかもはなさねばしれぬ )

 高い金を払って買った鷹も、鳥をとらせてみなければ、働きがあるのかないのかわからない。

65. 鵜の目の目 ( うのめたかのめ )

 獲物を求める鵜や鷹の目つきが非常に鋭いことから、何かを探し出そうとして、鋭い目つきであたりを見回す様子。 また、その時の目つき。
 【例】 「掘り出し物がないか、鵜の目鷹の目でフリーマーケット会場を見て回る」

66. 犬も朋輩も朋輩 ( いぬもほうばいたかもほうばい )

 同じ主人に仕える以上、身分に違いはあっても、仲良くしていく義務があるということ。 会社の同僚などについていう語。

67. 一富士二三茄子 ( いちふじにたかさんなすび )

 初夢に見るものの中で縁起のよい順を並べていった語。
 【参考】 一説に駿河の国(静岡県中央部の旧称)の名物ともいう。

68. 鳶の子はにならず ( とびのこはたかにならず )

 とびとたかとは姿も大きさも似ているが、しょせんとびの子はとびで、たかにはならない。 凡庸の人の子はやはり凡庸で、これを非凡な人物にしてあげようとしても、それは出来ない相談である。

69. 雀の上の猫の下の鼠 ( すずめのうえのたかねこのしたのねずみ )

 危険が身近に迫って避けられないこと。

70. 犬骨折っての餌食 ( いぬほねおってたかのえじき )

 犬が苦労して追い出した獲物を鷹に取られる。 苦労して手に入れかけたものを他人に奪われてしまうたとえ。

71. 鳶も居ずまいからに見える ( とびもいずまいからたかにみえる )

 鳶も威厳をもった態度・動作をしていれば、鷹に見える。 起居・動作が正しければ、身分が低い者でも身分が高く見える、という意味。

72. 鳴狗盗 ( けいめいくとう )

 いやしくつまらない者。鶏の鳴きまねをする人と、犬のようにこそこそと人の物を盗む人。 戦国時代に斉の孟嘗君(もうしょうくん)が、秦の昭王のとりことなった時、 すでに王に贈ってあった狐の白裘(はくきゅう。狐の腋の白毛皮で作ったかわごろも)を、 狗のまねをする食客に盗み出させて、王の寵姫(ちょうき)に献じて釈放され、逃げて函谷関(かんこくかん)に来たが、 深夜のため関は閉ざされていて、鶏が鳴かねば門は開かれなかった。従者の中に鶏の鳴きまねの上手な者がおり、 鶏の鳴きまねをすると、あたりの鶏どもが鳴き出したので、関門が開かれ、通過して脱出することが出来た、という故事。

73. 口となる牛後となる勿れ ( けいこうとなるぎゅうごとなるなかれ )

 大きな団体で、しりに付いているよりも、小さな団体でもその長となれという意味で、人に従属するよりも独立した方がよいというたとえ。

74. ( けいろく )

 大して役には立たないが、捨てるには惜しいもの。 鶏のあばらの骨は食べるほどの肉はないが、捨ててしまうには惜しい気がする、ということ。

75. 群の一鶴 ( けいぐんのいっかく )

 沢山の鶏の中に一羽の鶴がいると目立つことから、凡人の中に傑出した人が混じって、きわだって見えるたとえ。
 【参考】 「野鶴の鶏群に在るが如し」ともいう。

76. 寒うして木に登り鴨寒うして水に入る
  ( にわとりさむうしてきにのぼりかもさむうしてみずにいる )

 物によってはおのおの違う性質に基づいて行動するというたとえ。

77. をして夜を司らしめ狸をして鼠を執らしむ
  ( にわとりをしてよるをつかさどらしめりをしてねずみをとらしむ )

 鶏にあしたの時を告げさせ、夜はねこにねずみを捕らせるということ。 才能に応じて人も使うほうがよいというたとえ。「狸」はねこの異名。

78. を割くに焉んぞ牛刀を用いん
  ( にわとりをさくにいずくんぞぎゅうとうをもちいん )

 鶏を料理するのに、どうして牛を料理する大きな包丁などを用いる必要があろうか。 小さなことを処理するには大がかりな方法を用いる必要はない、という意味。

79. 牝の晨す ( ひんけいのあしたす )

 牝鶏(めんどり)が時をつくるのは、昔は、家や国家が滅びる前ぶれであり、不吉なこととした、 といういことから、女が勢力を振るうことのたとえ。
 【参考】 「晨す」は、鶏が夜明けを告げて鳴くこと。

80. 家を厭いて野雉を愛す ( かけいをいといてやちをあいす )

 家に飼っている鶏をきらって、野生のきじを珍しがる。 よいものを粗末にして悪いものを大事にするたとえで、珍しい物を珍重する愚を戒めた言葉。

81. 函谷関の( かんこくかんのけいめい )

 奇策を用いて危機を脱出すること。 斉の孟嘗君は秦の昭王に招かれて行って計略のために幽閉されたが、狗盗(こそ泥)の働きによって助けられて脱出し、 国境の函谷関まできた。まだ夜は明けないし、ぐずぐずすると追手に捕えられる。 この関所の門は一番鶏が鳴くと開けられるので、鶏の鳴き声のまねの得意なものがいて、 鳴き声をまねたところ、近くの鶏がみんな鳴きだしたので、門は開かれて一行は脱出することができたという故事。 函谷関は戦国時代に秦が設けた関所で、今の河南省霊宝県の西南にあり、高原で地形が険しいので知られている。
 【参考】 鶏鳴狗盗

82. に豆鉄砲 ( はとにまめでっぽう )

 きょとんとするさま。あまり突然のことにびっくりして、目を丸くし、ほっぺたをふくらますこと。

83. を憎み豆を作らぬ ( はとをにくみまめをつくらぬ )

 つまらない事にとらわれて、根本のつとめを怠り、自分が損するばかりか世間にも損害を与えてしまうこと。

84. に三枝の礼あり烏に反哺の考あり
  ( はとにさんしのれいありからすにはんぽのこうあり )

 鳩は親鳥から三本下の枝に止まる。烏は養われた恩を忘れずに、成育してからは親鳥の口にえさを含ませて恩を返す。 烏ですら子は親に礼儀を守り孝養を尽くしている、ということ。

85. 雁がたてばもたつ ( がんがたてばはともたつ )

 自分の能力も考えず、むやみに人の真似をすること。

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