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「や」からはじまる ことわざ 3

61. やはり野に置け蓮華草 ( やはりのにおけれんげそう )

 蓮華草のような野の花は、自然の野に咲いているからこそ美しいのであり、家の中に飾っても、周囲と調和せず、 美しく感じられない。同様に、野人は野人らしい生活・環境の中にあってこそ、良さも真価も発揮できるものだ、という意味。
 【参考】 「手に取るなやはり野に置け蓮華草」ともいう。

62. 藪医者の玄関 ( やぶいしゃのげんかん )

 へたな医者は建物を立派にして患者を信用させようとして特別に堂々たる玄関を造る、という意味。

63. 藪医者の手柄話 ( やぶいしゃのてがらばなし )

 才能のないものが、手柄らしく自慢話をすること。

64. 藪医者の病人選び ( やぶいしゃのびょうにんえらび )

 才能のないものが、とかく仕事に難癖をつけて、仕事の種類をえり好みすることをいう。

65. 藪医者の薬箪笥 ( やぶいしゃのやくだんす )

 腕前のとぼしい者は、かえって沢山に道具をそろえていることのたとえ。

66. 藪から棒 ( やぶからぼう )

 出し抜けで思いがけないこと。突然なこと。
 【例】 「藪から棒に質問されても答えようがない」

67. 藪に目くばせ ( やぶにめくばせ )

 藪ににらみのような目つきをして、違う方向を見ることで、よそ見することのたとえ。

68. 藪にも剛のもの ( やぶにもごうのもの )

 多くのやくざものの中にも、たまには役にたつものがあることをいう。

69. 藪の中のうばら ( やぶのなかのうばら )

 うばらはとげのある小さな木のこと。交わる友が悪ければ、草やぶの中のばらが曲がったりからんだりして、 まっすぐに育たないように、よい人にはならないこと。
 【類句】 朱に交われば赤くなる

70. 破れかぶれ ( やぶれかぶれ )

 もうどうにでもなれと、やけくそになって行動する様子を表わす言葉。
 【例】 「失敗したからといって、破れかぶれになると、よけいひどくなるぞ」

71. 破れても小袖 ( やぶれてもこそで )

 元来よいものは、たとえいたんでも、それだけの値うちがあるということのたとえ。

72. 藪をつついて蛇を出す ( やぶをつついてへびをだす )

 わざわざ藪をつついて蛇を追い出し、それに噛まれるような愚かなことをする、ということから、 余計なことをして、思わぬ災いを受けることをいう。
 【参考】 「やぶへび」ともいう。
 【例】 「それ以上言うと、藪をつついて蛇を出すことになるぞ」

73. 病膏肓に入る ( やまいこうこうにはいる )

 治る見込みがないほどの重病になる。救済の見込みが全く立たないほどに、悪くなるたとえ。 「膏」は、肩胛骨の脊髄側の下部、「肓」は膏のやや下部で外側、薬も針も及ばないところ。 病気がそこにあると治らないという。

74. 病上手の死に下手 ( やまいじょうずのしにべた )

 ちょいちょい病気はするが、軽い病気ですぐなおり、命取りになるような病気はせず、長生きすることをいう。

75. 病治りて医者忘る ( やまいなおりていしゃわする )

 病気がなおると、医者の注意などはけろりと忘れてしまうこと。

76. 病なくしてみずから灸す ( やまいなくしてみずからきゅうす )

 いたずらに無益なことをすること。

77. 病に主なし ( やまいにぬしなし )

 病気はだれにでもつく。病気にかからぬ人はいないということ。

78. 病は気から ( やまいはきから )

 病気は心の持ち方しだいで起こり、良くもなり悪くもなる。 不可避な病気も確かにあるが、心理的原因が肉体的原因に先行して、 発病したり悪化したりすることが多いことを言う。
 【類句】 病気は気で勝つ

79. 病は口より入り禍は口より出づ
  ( やまいはくちよりいりわざわいはくちよりいづ )

 病は口から入り、災いは口から出る。 病気は飲食物を注意しないところから起こり、災難は言葉を慎まないところから起こる、ということから、 言葉には注意して、軽率な発言をしないようにしよう、というたとえ。

80. 病は少しく癒ゆるに加わる ( やまいはすこしくいゆるにくわわる )

 災難は用心する時に起こらずして、気がゆるんだ時に起こるたとえ。 病気が重い時は、よく注意して養生するから治るが、病気が少し治りかけると、 油断して養生を怠るために、病気を悪化させてしまう、という意味。

81. 病を知れば癒ゆるに近し ( やまいをしればいゆるにちかし )

 病気は原因がわかれば間もなくなおる。 それと同じで、自分の欠点に気が付けばなおすことも難しいことではない。

82. 病を護りて医を忌む ( やまいをまもりていをいむ )

 病気でありながら医者にかかるのを嫌がることから、 自分に過ちがあるのに、人の忠告を聞こうとしないたとえ。

83. 山が当たる ( やまがあたる )

 「山」は鉱山の意で、大体の見当をつけてやったことが、予想通りうまくいく。
 【参考】 「山が外れる」は反対の意。
 【例】 「試験の山が当たり、いい点が取れた」

84. 山家に木なし ( やまがにきなし )

 物はありそうな所に、かえってないものだということ。 いつも手に入るところには用意してないものである。

85. 山が見える ( やまがみえる )

 難関を乗り切って、先の見通しがつく。
 【例】 「残すところ読書感想文だけとなり、宿題も山が見えてきた」

86. 山師の玄関 ( やましのげんかん )

 見かけだけが立派なことのたとえ。山師は普通には投機や詐欺まがいのことをする人をいうが、 本来は山の鉱脈探しや鉱石の採掘を職業とする人をいう。

87. 山師は山ではて川師は川ではてる
  ( やましはやまではてかわしはかわではてる )

 熟練者は自分の技能におごりたかぶるため、案外その技能がわざわいして失敗することがある。
 【類句】 善く游ぐ者は溺る

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