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植物 の「花」を含む ことわざ 1

1. より団子 ( はなよりだんご )

 見て美しい桜の花よりも、おいしくて腹のふくれる団子のほうがよい。風流よりは実利のほうがよい。 外観より内容をとる、という意味。
 【類句】 花の下より鼻の下

2. 多ければ実少なし ( はなおおければみすくなし )

 花の多く咲く木には実がたくさんならないということで、うわべの多い人には真実がないことのたとえ。

3. 咲く春にあう ( はなさくはるにあう )

 時にめぐりあって世に出ること。 今まで認められなかったものがようやく世に出て手腕を発揮するようになること。

4. の下より鼻の下 ( はなのしたよりはなのした )

 きれいな花を見て楽しむよりは、食べていくことのほうが先だということ。

5. は折りたし梢は高し ( はなはおりたしこずえはたかし )

 花の咲いている枝を折って来たいが、その梢はあまりにも高い。 欲望はあるがそれを達成する方法がない、という意味。
 【類句】 高嶺の花

6. は桜木人は武士 ( はなはさくらぎひとはぶし )

 花の中では桜が最もすぐれているように、士農工商と言われる通り、人の中では武士が最もすぐれている。
 【参考】 「花は三吉野人(みよしの)は武士」ともいう。

7. は根に鳥は故巣に ( はなはねにとりはふるすに )

 物事はすべてその本(もと)に帰る、という意味。

8. 一時人一盛り ( はなひとときひとひとさかり )

 さかりの短いこと。花の満開はわずかな数日のことだが、人間の盛んな時もほんのわずかな間だということ。

9. 発いて風雨多し ( はなひらいてふううおおし )

 花の咲く時季にはとかく風や雨が多いものだが、それと同じように物語にはじゃまがつきもので思うようにならないということ。

10. も恥じらう ( はなもはじらう )

 美しい花でさえその美しさにはかなわず、恥ずかしく思う意から、年ごろの女性の、初々しく大変美しい様子。

11. も実もある ( はなもみもある )

 世間的に名が通っているだけでなく、それにふさわしい実質も備わっている様子。 また、筋の通った行動をするとともに、義理や人情にも厚い様子。

12. に嵐 ( はなにあらし )

 桜の花がせっかく咲いても、強い風が吹いて散ってしまう。 物事は、とかくじゃまがはいって思うようにはいかない、という意味。
 【参考】 「月に叢雲花に風」ともいう。

13. 落流水の情 ( らっかりゅうすいのじょう )

 落花に心あれば、流水にも心があってこれを載せて流れていく、ということから、 男女互いに相手を思う心が通じ合う、という意味。

14. 柳暗( りゅうあんかめい )

 柳の葉は茂って暗く、桃の花は明るく咲いている、ということから、春の景色の美しい形容。

15. 石に咲く ( いしにはなさく )

 実際には起こり得ないことのたとえ。

16. 死にを咲かせる ( しにばなをさかせる )

 死ぬまぎわになって、死後に名を残すような立派なことをする。 また、将来に期待がかけられているうちに死んで、人々に惜しまれる。

17. 蝶よよと ( ちょうよはなよと )

 良家で娘を非常にかわいがって大切に育てる様子。

18. 隣のは赤い ( となりのはなはあかい )

 他人の物はよく見えてうらやましく思うのが人の常である、という意味。
 【類句】 隣の薔薇(ばら)は赤い / 隣の芝生は青く見える

19. 時のを挿頭にせよ ( ときのはなをかんざしにせよ )

 季節の花を頭髪の飾りにせよということで、その時その時の流行や権威に従って、繁栄して暮らせという意味。

20. 錦上を添う ( きんじょうはなをそう )

 華麗な錦の上に美しい花を置くこと。美しいものや立派なことの上に、さらに美しいもの立派なことを重ねる意。

21. 薊のも一盛り ( あざみのはなもひとさかり )

 アザミのように人にすかれない花にも、花盛りがあって美しくなる。 容ぼうがよくなくても年ごろになれば魅力がでるもので、人間の運にも必ず盛りがあるものである。

22. 美しいによい実はならぬ ( うつくしいはなによいみはならぬ )

 外観だけでよしあしはわからぬ。 口先のうまいものには誠意がないものである、という意味。

23. 両手に ( りょうてにはな )

 二つの価値のあるものを一人占めにすること。多く、同時には得がたいものを得た場合に言う。
 【例】 「彼は会社で昇進し、娘も生まれ、両手に花で喜んでいる」

24. 余所のはよく見える ( よそのはなはよくみえる )

 何事につけても、よその物はよく見えてうらやましいのが人の常である。
 【類句】 隣の花は赤い

25. 炒豆に ( いりまめにはな )

 炒った豆から芽が出て、それに花が咲く。 一度死んだものや、衰えたものが再び栄える。ありうべからざることをいう。
 【参考】 「炒豆に花が咲く」ともいう。
 【類句】 枯れ木に花が咲く

26. 栄華の ( えいがのはな )

 華やかに咲き誇る花も、やがて散り落ちてしまう。栄えるものは必ず衰える、というたとえ。

27. 解語の ( かいごのはな )

 美人をいう。言葉のわかる花ということ。 唐の玄宗(げんそう)皇帝が、楊貴妃を称した語による。

28. 柳は緑は紅 ( やなぎはみどりはなはくれない )

 春の景色の美しさをいったことば。また、物にはそれぞれ、その物にふさわしい特性があるということ。

29. 見ぬが ( みぬがはな )

 見ないうちがゆかしく見えるものだということ。

30. 餓鬼の争い ( がきのはなあらそい )

 餓鬼は飢えとかわきに苦しんでいるのだから、欲しいものは食物であるのに、 いりもしない花で争うことで、貧乏人が暮らしをよそにして無用な物好きをすることをいう。

31. 綺麗なは山に咲く ( きれいなはなはやまにさく )

 本当に美しい花は高い山に咲いている。 本当によいものは、人の気づかないところにあるということ。

32. 言葉にが咲く ( ことばにはながさく )

 話がはずむこと。また、話がはずみすぎて、けんかになること。

33. 坊主のかんざし ( ぼうずのはなかんざし )

 使いみちのないこと。持っていても役に立たないこと。
 【類句】 猫に小判 / あんまの眼鏡

34. 昨日のは今日の塵 ( きのうのはなはきょうのちり )

 人の世の栄枯盛衰のはかなく変わりやすいこと。

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