1. 身ありての奉公 ( みありてのほうこう )
なにごとも命があってこそのことであるということ。【類句】命あっての物種。
2. ミイラ取りがミイラになる ( みいらとりがみいらになる )
ミイラを取りに行った者が、ミイラを取ってくるどころか、自分がミイラになってしまう。
人を連れ戻しに行った人が戻ってこないで、同じように連れ戻される立場になる。
説得に行った者が、かえって相手に説得されて、向こう側の者になってしまう、という意味。
【例】 「子供を迎えに行ったつもりが、そのまま話し込んでしまい、ミイラ取りがミイラになってしまった」
【参考】 「ミイラ」は「木乃伊」とも書く。
【類句】 木兎引きが木兎に引かれる
3. 箕売り笠にて簸る ( みうりがさにてひる )
箕を売る人は、自分では箕を使わずにかさをつかう。
他人のために働くばかりで、自分のことに手がまわらないこと。
4. 見え張るより頬ばれ ( みえはるよりほおばれ )
ていさいをかざるより、さしあたっての利得をとれということ。【類句】義理張るより頬ばれ
5. 見かけばかりの空大名 ( みかけばかりのからだいみょう )
見たところは勢いがよいが、それは見かけだけのことで、ふところは苦しいことのたとえ。
また、外観だけを飾って内容がこれに伴なわないことのたとえ。
6. 味方見苦し ( みかたみぐるし )
ひいきはみっともないが、どうしても味方にはひいきをしてしまう。
味方びいきは公明正大でなく、非常に見苦しいことをいう。
7. 身から出た錆 ( みからでたさび )
付いたり侵されたりしたのではない、刀身から生じた刀の錆のことをいい、
自分のした、悪い行いや過失のために、後で自分が苦しんだり災難を受けたりすることを言う。自業自得。
8. 蜜柑が黄色くなると医者が青くなる
( みかんがきいろくなるといしゃがあおくなる )
秋は健康な季節で病人がすくないこと。
【参考】 「柚(ゆ)が色付くと医者が青くなる」ともいう。
9. 身があっての事 ( みがあってのこと )
命があればこそなにごともできるし、希望ももてる。
つまり命はすべてのもとになるものだということ。
10. 右に出づる者なし ( みぎにいづるものなし )
一番すぐれている者。昔、右を上席としたから、それより右にいる者がない、ということは最上位という意となる。
【参考】 日本の上代は左を尊んだ。
11. 右の耳から左の耳 ( みぎのみみからひだりのみみ )
右の耳から聞いた言葉が、すぐに左の耳から抜け出てしまう、ということから、聞いたことが少しも頭に残らない、という意味。
12. 右を踏めば左があがる ( みぎをふめばひだりがあがる )
片方によくすれば、ほかの方には悪いということで、両方よくすることはむずかしいということ。
13. 見ざる聞かざる言わざる ( みざるきかざるいわざる )
自分に関係のない物事や他人の欠点などについては、いっさい無関心な態度をとり、それについて批判的な言葉を述べないこと。
【参考】 「・・・しないこと」の意の「ざる」に「猿」をかけ、目・耳・口をそれぞれ両手でふさいでいる、
三匹の猿をかたどってそれぞれの戒めを表わすことが多い。
14. 身知らずの口たたき ( みしらずのくちたたき )
自分の身のほども考えないで、大きなことをいうことで、高慢ちきはたいていは、身のほど知らずであるともいえる。
15. 身過ぎは八百八品 ( みすぎははっぴゃくやしな )
人の商売は種々様々で数えきれないほど有る。
16. 水到りて渠成る ( みずいたりてきょなる )
時期がくれば、物事は自然にできあがる、というたとえ。元々、水が流れてくれば自然にみぞができることから、
深く学問をすれば自然と道が修まり、徳が身につくことにたとえた。
【参考】 「渠」は、みぞ。
17. 自ら侮って後人之を侮る
( みずからあなどってのちひとこれをあなどる )
人はどんなときでも自重が大切であるということ。
18. 自ら見す者は明らかならず
( みずからあらわすものはあきらかならず )
自分で自分の智徳を表に現わすものは、真にその徳があるとはいえない。
自己宣伝は男のするものではない。
19. 自ら勝つ者は強し ( みずからかつものはつよし )
自己の心に打ち勝つことのできる者は真の強者というものである。
20. 自ら知る者は人を怨みず ( みずからしるものはひとをうらみず )
自分から深く反省して、自分の長所や短所をよく知っている者は、たとえ失意の状態にあっても、他人をうらまない。
21. 自ら恃みて人を恃むこと無かれ
( みずからたのみてひとをたのむことなかれ )
人を信じることは大切ではあるが、それよりもまず自分自身をしっかりして、他人をたのみにしてはならない。
22. 自らなせる禍はのがるべからず
( みずからなせるわざわいはのがるべからず )
天災地変による一時の災害はなんとか避けることができるが、人間みずから招いたわざわい破廉恥は、のがれることができない。
23. 自ら卑うすれば尚し ( みずからひくうすればたっとし )
自分からへりくだって誇らない人は、他人からも尊敬され、、信頼されて、自然に品格が備わってくるということ。
24. 水が合わない ( みずがあわない )
その土地の人たちの気質や自分の属している組織などの体質が自分とは合わず、うまくいかない様子。
【例】 「今の会社は一流企業だが、どうも私には水が合わない」
25. 水清ければ魚棲まず ( みずきよければうおすまず )
あまりに清廉潔白すぎると、人に親しまれないたとえ。水があまり清らかに澄みすぎていると魚が住みつかない。
人も潔白厳格にすぎて人を許さないと、人が寄りつかないで孤立する、という意味。
【類句】 水清くて大魚なし
26. 水清ければ月宿る ( みずきよければつきやどる )
心の美しい人は、神や仏が助けてくれるということ。
27. 水積もりて魚集まる ( みずつもりてうおあつまる )
水の深く豊かな所には、自然に魚が沢山集まってくるように、
利益のある所には、人も自然に集まってくるものである、というたとえ。
28. 水積もりて川を成す ( みずつもりてかわをなす )
小さな流れが集まって川になる。小さなものでも沢山集まれば大きなものになる、というたとえ。
29. 水と魚 ( みずとうお )
切っても切れない密接な間柄のたとえ。
【類句】 水魚の交わり
30. 水に絵を描く ( みずにえをかく )
水に絵を描いてもあとに残らない。物事がはかなく消え去ること、骨折り損のことをいう。
【類句】 脂に描き氷に鏤む / 氷に鏤め水に描く