1. 参らぬ仏に罰はあたらぬ ( まいらぬほとけにばちはあたらぬ )
関係さえしなければ、災いをうけることはないということ。
2. 蒔かぬ種は生えぬ ( まかぬたねははえぬ )
何もしないでいては、よい報いは得られない。原因を作らなければ結果は生じない、という意味。
3. 曲がらねば世が渡れぬ ( まがらねばよがわたれぬ )
正しいことばかりやっていたのでは、この世の中を無事に過ごしていくことはできない。
4. 曲れる枝には曲れる影あり ( まがれるえだにはまがれるかげあり )
形が正しければ影も正しく、形が曲がっていれば影も曲がっているということで、
悪い結果はすべて悪い原因から生じるものだということ。
5. 枕を扇ぎ衾を温む ( まくらをあおぎふすまをあたたむ )
親に孝行をつくすたとえ。夏は親の枕のそばにいてうちわで扇いで涼しくし、冬は自分の体温で親の寝床をあたためる。
6. 枕を高くして寝る ( まくらをたかくしてねる )
安心して眠ること。高いところに枕して、のびのびと眠る、という意味。
【例】 「心配事が無くなり、今夜から枕を高くして寝られる」
7. 枕を並べて討ち死にする ( まくらをならべてうちじにする )
戦場で敵に討たれた人々が並んで倒れている様子から、勝負事などで、挑戦者が次々に敗れる。
また、病気や酒の飲み過ぎなどで、仲間がそろって寝込んでしまう。
【例】 「優勝候補に色んなチームが挑んだが、結局次々と枕を並べて討ち死にしただけだった」
8. 負け惜みの減らず口 ( まけおしみのへらずぐち )
負けた者がくやしがってああだこうだということ。
9. 負けるが勝ち ( まけるがかち )
当座負けておくことが、究極には勝つことになる。
無理して争うより、相手に、いったん勝ちを譲った方が結果は得になる、という意味。
【参考】 「逃げるが勝ち」ともいう。
10. 負けるも勝つも運次第 ( まけるもかつもうんしだい )
勝ち負けはその時々の運によってきまることが多い。
11. 馬子にも衣装 ( まごにもいしょう )
「馬子」は昔、馬を引いて人や荷物を運ぶことを職業とした者のことで、
馬子でも立派な服を着れば、相応な人物に見えるという意から、
身なりだけ繕っていることを、皮肉に、また好意的に言う語。
【参考】 「馬子にも衣装髪形」ともいう。
【参考】 Fine feathers make birds.
12. 孫は子より可愛い ( まごはこよりかわいい )
孫の可愛さはまた格別である、という意味。
13. 正宗も焼き落つれば釘の価 ( まさむねもやきおつればくぎのあたい )
天下に有名な名刀正宗でも、火事で焼けてしまえばもうだめで、鉄くずの値うちしかない。
14. 升で量って箕でこぼす ( ますではかってみでこぼす )
収穫のときには一升二升と枡で量っていたものを、箕で一度にどっとこぼしてしまう。
苦労して少しずつためたものを無駄に使ってしまうたとえ。
【類句】 爪で拾って箕でこぼす
15. 待たぬ月日は絶ちやすい ( またぬつきひはたちやすい )
待ちこがれている日はなかなかやってこないこと。月日は知らぬ間に過ぎてしまう。
16. 待たるるとも待つ身になるな ( またるるともまつみになるな )
人を待つのはいらだたしいものであるから、人は待たせても、自分が待つような立場にならないのがよい。
17. 待たれる身より待つ身は辛い ( またれるみよりまつみはつらい )
自分は定刻に来て待っているのに、相手はなかなか来ない。それなりの事情があって、先方も気にしているのだろうが、
やはり待っている当人の、いらいらする気持ちはたとえようもないものである。
【参考】 「待つ身より待たるる身」ともいう。
【類句】 待たるるとも待つ身になるな
18. まだ早いが遅くなる ( まだはやいがおそくなる )
まだ早いと思ってのんびりしていると、すぐに手遅れになってしまうこと。
19. 間違いと気ちがいは何処にもある
( まちがいときちがいはどこにもある )
間違いは起こりやすいものだから、間違いを取り立てておこってはいけないということ。
20. 待つうちが花 ( まつうちがはな )
物事は結果を予想して待っているうちが楽しみであって、実際その場になってみるとそれほどでもない、という意味。
【参考】 「待つ間が花」ともいう。
【類句】 ならぬうちが楽しみ
21. 松かさよりも年かさ ( まつかさよりもとしかさ )
年長者の経験は貴重である、ということ。
【類句】 亀の甲より年の功
22. 待つのが祭り ( まつのがまつり )
祭りはまだこない間が楽しみで、いよいよ祭りになってしまえばあっけなくすんでしまうもので、
なにごとも待っている間がたのしいということ。