23. 松の事は松に習え、竹の事は竹に習え
( まつのことはまつにならえたけのことはたけにならえ )
三冊子(さんぞうし)に見える芭蕉の言葉。私意を離れ対象と一体化することに風雅のまことがあるという教え。
24. 待て暫しがない ( まてしばしがない )
「しばらく待てよ」と自分の行動を反省してみるゆとりがないことから、気が短いこと。せっかち。
25. 待てば海路の日和あり ( まてばかいろのひよりあり )
しばらく待っていれば、航海に適した好天気となる。
焦らずに時期を待っていれば、いつかは幸福が訪れるものだ、という意味。
【参考】 「待てば甘露の日和あり」が転じた。
26. 待てば甘露の日和あり ( まてばかんろのひよりあり )
いくら日照りが続いても、待っていればいつかは、甘い露のような恵みの雨が降る日もある。
あせらずに時期を待つのがよいというたとえ。
【参考】 「待てば海路の日和あり」ともいう。
27. 窓から槍 ( まどからやり )
だしぬけにすること。突然のこと。
【類句】 藪から棒
28. 俎に載せる ( まないたにのせる )
あることを話題として取り上げ、あれこれと批判すること。
【例】 「今度の会議では、前回の失敗が俎に載るだろう」
29. 俎の鯉 ( まないたのこい )
俎の上に載せられて料理されようとしている鯉は潔くじっとしているということから、
相手にされるがままになっているほかにしかたがないこと。
また、そうなって、いまさらじたばたしてもしかたがないと思う気持ち。
【参考】 「俎の上の鯉」ともいう。
【類句】 俎上の魚
30. 学びて思わざれば則ち罔し ( まなびておもわざればすなわちくらし )
先生について勉強するだけで、自分で考えてみないと、いつまでたっても、本当に理解することが出来ない。
31. 学びて時にこれを習う亦説ばしからずや
( まなびてときにこれをならうまたよろこばしからずや )
教わり学んで、それを機会あるごとに繰り返して練習すると、今まで出来なかったことが出来るようになる。
なんとうれしいことではなかろうか。
32. 学ぶ門に書きたる ( まなぶかどにふみきたる )
勉強の好きな人のところには自然と本が集まってくるものだというたとえ。
33. 学ぶに暇あらずと謂う者は暇ありと雖も亦学ぶ能わず
( まなぶにいとまあらずというものはいとまありといえどもまたまなぶあたわず )
時間がないから勉強できないという者は、時間があっても勉強をしない。
勉強する時間がないという者を戒めた言葉。
34. 招かざる客 ( まねかざるきゃく )
歓迎されない客。こちらから呼びもしないのにやって来た客。
35. 蝮の子は蝮 ( まむしのこはまむし )
親が悪い人だと、その子も悪い人であるということ。
36. 豆を植えて稗 ( まめをうえてひえ )
好結果を得ようとして、かえって予想外の不結果を招くことのたとえ。
37. 眉を伸ぶ ( まゆをのぶ )
心配事がなくなること。人は心配があると、眉をしかめるから。
【参考】 「眉を開く」「愁眉を開く」ともいう。
38. 迷う者は路を問わず ( まようものはみちをとわず )
道に迷うような者は人に道をたずねないし、川を渡っておぼれるような者は、どこが渡るのに安全かをたずねない。
39. 迷わんよりは問え ( まよわんよりはとえ )
自分一人であれこれと迷っているよりも、思い切って人に尋ねる方がよい。
40. 丸い卵も切りようで四角 ( まるいたまごもきりようでしかく )
「物は言いようで角か立つ」と続け、同じことでも話し方によって良くも悪くも受け取られることを言う。
41. 丸くとも一かどあれや人心 ( まるくともひとかどあれやひとごころ )
人は心持ちの円満なのはよいが、ただそれだけではだめで、しっかりした面もありたいものである。
42. 真綿に針を包む ( まわたにはりをつつむ )
表面はやさしいが、実際は相手を鋭く刺すようなものの言い方。針や毒を含んだ言葉のたとえ。
43. 満を持す ( まんをじす )
弓を引きしぼって構える、というとこから、いつでも取り掛かれるように十分に準備をして、時機のくるのを待つ。
【例】 「満を持して、時節到来を待つ」