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「ほ」からはじまる ことわざ 1

1. 法あっての寺、寺あっての法 ( ほうあってのてら、てらあってのほう )

 仏法があるからこそ寺があり、寺があるから仏法も保たれるということ。 つまり持ちつ持たれつの関係のこと。

2. 方位家の家潰し ( ほういかのいえつぶし )

 方角の吉凶にこだわってばかりいると、身動きできなくなり、その家は栄えない、ということ。

3. 方外 ( ほうがい )

 世捨て人の境遇。「方」は世俗の礼教の規範をいう。世の常道の外に身を置くこと。

4. 判官贔屓 ( ほうがんびいき )

 九朗判官源義経が悲運の英雄として民衆から愛惜され同情を集めたことから、 弱い者や負けたものに同情し、味方しようとする第三者の気持ちのことをいう。
 【参考】 「ほうがん」は「はんかん」とも言う。
 【例】 「相手の背が低いからといって応援が多いのは、判官贔屓だ」

5. 蜂起 ( ほうき )

 蜂の巣をつつくと、蜂が一斉に飛び立つ、そのように一時に起こる様子から、大勢がそろって暴動などを起こすことをいう。

6. ほうきで掃くほど ( ほうきではくほど )

 数がやたらに多い形容。掃いて捨てるほど。

7. 忘形の交わり ( ぼうけいのまじわり )

 少しも間のない交わりのこと。つまり親密な交わりをいう。 「忘形」とは自分の形体を忘れて、無為自然の道を悟ること。
 【類句】 忘年の交わり / 忘年の友

8. 謀計は一旦の利潤 ( ぼうけいはいったんのりじゅん )

 計画をもってまどわして得た利益は一時的なもので、誠実による利益のように永続的なものではない。

9. 奉公人の陰口 ( ほうこうにんのかげぐち )

 奉公人は陰で主人についての悪口を言うことが多いものだ、という意味。

10. 暴虎馮河 ( ぼうこひょうが )

 「暴虎」は、虎を手討ちにすること、「馮河」は、黄河を歩いて渡ることの意で、血気にはやった向こう見ずな危険な行いのことをいう。

11. 法三章 ( ほうさんしょう )

 漢の高祖が秦を破った後、秦の繁雑で過酷な法律を排除して、人を殺したものは死刑、人を傷つけるのと人の物を盗んだものは処罰する、 という三条だけにした、という故事から、きわめて簡単な法律のことをいう。

12. 傍若無人 ( ぼうじゃくぶじん )

 人前をはばからずに、勝手気ままに振る舞うこと。 「傍らに人なきが若し」と読み、そばに人がいても全く気にしないで、人がいないように、勝手放題に振る舞うこと。
 【参考】 「傍」は「旁」とも書く。

13. 方寸 ( ほうすん )

 心。心の中。昔は、心臓は胸の中にあり、一寸四方の大きさであると考えられていたから。
 【例】 「彼女への思いを方寸におさめる」

14. 坊主だませば七代祟る ( ぼうずだませばしちだいたたる )

 出家をだますことは罪が深いこと。

15. 坊主憎けりゃ袈裟まで憎い ( ぼうずにくけりゃけさまでにくい )

 坊主が憎いと、その身に着けている袈裟まで憎らしくなる。、ということから、 その人を憎む心があると、その人に関係あるすべてのものまで憎らしくなる、という意味。
 【参考】 「屋烏の愛」は反対の意。

16. 坊主の花かんざし ( ぼうずのはなかんざし )

 使いみちのないこと。持っていても役に立たないこと。
 【類句】 猫に小判 / あんまの眼鏡

17. 疱瘡はみめ定め麻疹は命定め
  ( ほうそうはみめさだめはしかはいのちさだめ )

 ほうそうとはしかは一生のうちで重病だということ。 ほうそうは容ぼうに大いに関係があり、はしかは生命に関係があり、どちらも一生の大事である。

18. 蓬頭垢面 ( ほうとうくめん )

 汚い身なりをしていること。蓬(よもぎ)のようにもじゃもじゃに乱れた頭髪と、垢で汚れた汚い顔。
 【参考】 「ほうとうこうめん」とも読む。

19. 棒に振る ( ぼうにふる )

 今まで努力して得たものや、これから得られるはずのものなどを無駄にしてしまうこと。
 【例】 「一大プロジェクトに失敗し、今年度の活動をすべて棒に振ってしまった」
 【類句】 水の泡になる / 水泡に帰す

20. 豊年は飢饉の基 ( ほうねんはききんのもと )

 豊年の後にはやがては凶作の年がくるといわれる。

21. 亡命 ( ぼうねん )

 他国へ逃げ隠れる。今は、政治上の原因で、本国を脱出して他国へ逃れることをいう。 「命」は名で名簿。逃亡して名簿から削除される、という意味。

22. 忘年の友 ( ぼうねんのとも )

 年の老幼に関係なくただ才徳をもって交わる友をいう。 漢のデイ衡(でいこう)が、まだ二十歳にも満たなかったが、非常に才徳すぐれ、五十になる孔融(こうゆう)と親交を結んだという故事による。
 【類句】 忘年の交わり / 忘形の交わり

23. 忘年の交わり ( ぼうねんのまじわり )

 年齢の差を忘れて親しむ友人。
 【参考】 「忘年の友」とも言う。

24. 棒腹絶倒 ( ほうふくぜっとう )

 大笑いをすること。腹をかかえ、ひっくり返って大笑いする、という意味。
 【参考】 「抱腹」とも書くが、「棒腹」が正しい。

25. 髣髴 ( ほうふつ )

 よく似ていて区別のつきにくいこと。また、ほのか、かすかなさま。ぼんやり見えること。

26. 報本反始 ( ほうほんはんし )

 「本(もと)に報い始めに反(かえ)る」と読み、天地や父祖の恩に報いること。

27. 棒ほど願って針ほど叶う ( ぼうほどねがってはりほどかなう )

 棒ほどの大きな願いを掛けても、針ほどの小さいものしか叶えられない。 願いがなかなか達せられない意味。また、理想は大きくても実現されるのはほんのわずかである、という意味。

28. 泡沫夢幻 ( ほうまつむげん )

 水のあわと夢まぼろしのこと。人生のはかないことのたとえ。
 【参考】 「夢幻泡影(むげんほうえい)」ともいう。

29. 朋友は六親にかなう ( ほうゆうはろくしんにかなう )

 親しき友人は六親に匹敵するほど大切である。 「六親」は「りくしん」または「ろくしん」読み、父・母・兄・弟・妻・子、または、父・子・兄・弟・夫・婦をいう。

30. 忘憂の物 ( ぼうゆうのもの )

 酒の異称で、憂いを忘れさせるものの意。

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