26. 下手の横槍 ( へたのよこやり )
まわりの者が、本人に関係なく、おせっかいな出しゃばりをすること。
27. 下手は上手の飾り物 ( へたはじょうずのかざりもの )
下手を助ける言葉で、下手な者がいるおかけで上手な者が引立つのだということ。
【類句】 下手があるので上手が知れる
28. 下手は上手の基 ( へたはじょうずのもと )
はじめから上手な者はないのだから、下手だといってもすこしも恥ずかしくない。
下手は上手になる第一歩である。
29. 下手をたより ( へたをたより )
相手の未熟なのをたよりにやってみようと思うこと。
30. 糸瓜の皮とも思わず ( へちまのかわともおもわず )
どうとも思わないこと。少しも気にかけないこと。
31. へっついより女房 ( へっついよりにょうぼう )
暮らしも立たないくせに結婚したがったり、結婚したりすることをひやかして笑った言葉。
「へっつい」はかまどのこと。
32. 屁ひって尻すぼめる ( へひってしりすぼめる )
失敗したあとでいいわけしたり、ごまかしたりすること。
【参考】 「ひって後の尻すぼめ」ともいう。
33. 蛇に蛙 ( へびにかえる )
恐ろしいものや苦手の前に出て、身がすくんでても足も出なくなってしまうことのたとえ。
【参考】 「蛇ににらまれた蛙」ともいう。
34. 蛇に噛まれて朽縄におじる ( へびにかまれてくちなわにおじる )
蛇に噛みつかれてから、腐った縄を見ても怖がる、ということから、
危険な経験によって恐怖から病的になって、すっかり臆病になってしまうことをいう。
【類句】 羮に懲りて膾を吹く
35. 蛇ににらまれた蛙 ( へびににらまれたかえる )
圧倒的に強い相手の前で、恐ろしさのあまり体がすくんで動けなくなる様子。
【例】 「世界チャンピオンの前では、蛇ににらまれた蛙のように、いつもの実力が出せなかった」
【参考】 「蛇に見込まれた蛙」ともいう。
36. 蛇の足より人の足 ( へびのあしよりひとのあし )
足もとに気をつけよということ。
37. 蛇の生殺し ( へびのなまごろし )
完全に生命が絶たれたわけではないが、回復の見込みもない状態に放っておかれること。
【例】 「人事異動で部署が変わり、蛇の生殺しにあったような状態だ」
38. 蛇は竹の筒に入れても真っすぐにならぬ
( へびはたけのつつにいれてもまっすぐにならぬ )
生まれつき精神の曲がっているものは、どんなにしても治しにくいこと。
39. 篦増しは果報持ち ( へらましはかほうもち )
年上の妻を持った者は幸福だということ。つまり、一歳上を一へら、二歳上を二へらという。
40. 屁をひって尻つぼめ ( へをひってしりつぼめ )
人の前でおならをしてしまってから、もじもじと尻をすぼめる。
失敗してから、他人の前でだけを取り繕うこと。
41. 弁慶の立往生 ( べんけいのたちおうじょう )
奥州衣川の合戦で弁慶(源義経の忠臣)は橋の真ん中に立ったまま死んだという。
進むことも退くこともできないこと。
42. 弁慶の泣き所 ( べんけいのなきどころ )
そこを打つと弁慶ほどの強者でも泣くほど痛い所の意で、向こうずねのことで、
強大な力を発揮しているものにとっての、ただ一つの弱点、という意味。
【例】 「彼女にとって数学は、弁慶の泣き所だ」
43. 鞭撻 ( べんたつ )
むちうってこらす。人をはげますこと。
44. 弁当持ち先に食わず ( べんとうもちさきにくわず )
弁当を運ぶ人は、人が食べないうちは自分が食べるようなことはしない。
これは金持ちは金を使わないというたとえ。
45. 弁は以て非を飾るに足る ( べんはもってひをかざるにたる )
弁舌が巧みで、自分の犯した悪事をも、善事のごとく思わせることができるとの意。
46. ペンは剣よりも強し ( ぺんはけんよりもつよし )
文は武にまさる。学問や文学の力は武力よりも偉大である、という意味。
【参考】 The pen is mightier than the sword. の訳語。
ブルワー・リットンの戯曲「リシュリュー」の中の言葉。
47. 辺幅を飾る ( へんぷくをかざる )
「辺幅」は、布などのへりのことで、うわべをかざること。見栄をはること。
48. 片鱗 ( へんりん )
かたはし。ごくわずかの部分。魚の一枚の鱗の意味。
49. 片鱗を示す ( へんりんをしめす )
才能や学識などの優れていることが、それによってうかがえる。
【例】 「彼は幼少の頃から、文才の片鱗を示していた」
50. ペンを折る ( ぺんをおる )
作家・評論家・新聞記者などが何かの事情でやむを得ず文筆活動をやめる。
【例】 「彼は家庭の事情で、ペンを折らざるを得なかった」