1. 平気の平左 ( へいきのへいざ )
どんなことに出会っても全く平気で、少しも同じない様子。
【参考】 「平気の平左衛門」の略。「平気」の「平」にごろを合わせて「平左衛門」と擬人化したもの。
【例】 「あれだけ怒られた後なのに、平気の平左で笑っている」
2. 平家を滅ぼす者は平家なり ( へいけをほろぼすものはへいけなり )
平家は、自分の悪行のために滅びたことから、転じて、自分を滅ぼす原因は、けっきょく自分から出るものであるという意。自業自得のたとえをいう。
3. 平行線をたどる ( へいこうせんをたどる )
双方の意見が一致しないままの状態が続く。
【例】 「どちらかが妥協しない限り、このまま平行線をたどることになるぞ」
4. 米寿 ( べいじゅ )
八十八歳の俗称。「米」の字は分けると八十八となることからいう。
5. 平地に波瀾を起こす ( へいちにはらんをおこす )
穏やかなところに、わざわざもめ事を起こす。平らかなところに、波を立てる、という意味。
【参考】 「平地に波風を起こす」ともいう。
6. 兵強ければ則ち滅ぶ ( へいつよければすなわちほろぶ )
兵力があまり強いとそれに頼って横車を押すようになるため、ついには国を滅ぼすような結果になるということ。
7. 丙丁に付す ( へいていにふす )
焼き捨てる。火中に入れる。十干の「丙」は、ひのえ、「丁」は、ひのと。
ともに五行で火に配当するから、火の意味となり、他人に見られては困る手紙や書類を焼くことをいう。
8. 兵に常勢無し ( へいにじょうせいなし )
[孫子(虚実)]兵を用いるには、敵状を察し、機に臨み変に応ずべきもので、
あらかじめ一定の状勢を定めてかかるべきものではない、という意味。
9. 兵は詭道なり ( へいはきどうなり )
「詭道」は正しくない方法。戦争においては、正当な方法、手段だけではなく、いろいろの奇計を用いるのが常である。
10. 兵は凶器 ( へいはきょうき )
「兵」は武器、という意で、武器というものは人を殺傷する悪い道具である、ということから、戦争は悪いことである、という意味。
11. 兵は神速を貴ぶ ( へいはしんそくをたっとぶ )
軍隊を動かすのには、素早くやるのをよしとする、ということから、
すべて迅速・機敏であることが大切である、という意味。
12. 兵は猶火のごとし ( へいはなおひのごとし )
戦争はちょうど火事のようなものである。小火のうちに早く消しとめないと一大事である。
13. 兵を挙げる ( へいをあげる )
反乱や革命などのために軍隊を組織して軍事行動を起こす。
【例】 「源頼朝は1180年に平氏追討の兵を挙げた」
14. 辟易 ( へきえき )
勢いに押されて、しりごみすること。
「辟」は避ける、「易」は場所を変える、の意で、元々は、相手を恐れて道をあけて避けること。
【例】 「彼の剣幕にはいささか辟易した」
15. ベストを尽くす ( べすとをつくす )
目標を達成させるために自分にできる最大の努力をする。
【例】 「試合には負けたが、ベストを尽くしたので悔いはない」
16. へそで茶を沸かす ( へそでちゃをわかす )
ひどくばかげていたり子供じみていたりする言動に対して、おかしくてたまらないと思う様子。
【参考】 「へそが茶を沸かす」ともいう。
【例】 「政治なんて全く分らないのに総理大臣になりたいなんて、へそで茶を沸かすようなものだ」
17. 下手があるので上手が知れる ( へたがあるのでじょうずがしれる )
物事はすべて比較するものがあってこそ上手・下手、巧拙(こうせつ)が明らかになる。
下手もなければならないとなぐさめた言葉。
18. 下手がかえって上手 ( へたがかえってじょうず )
下手な者は仕事をていねいにするから、仕上げはかえって上手だということ。
19. 下手な鍛冶屋も一度は名剣 ( へたなかじやもいちどはめいけん )
沢山の中には、まぐれでよい物もできるということ。
20. 下手な大工で飲み一丁 ( へたなだいくでのみいちょう )
酒を飲むだけが芸で、他に何も取り柄がない、ということ。「鑿(のみ)」を「飲み」にかけたしゃれ。
21. 下手な鉄砲も数打ちゃ当たる ( へたなてっぽうもかずうちゃあたる )
下手な鉄砲うちでも、何発も撃っているうちには命中する。
沢山のうちには、まぐれ当たりもある、という意味。
22. 下手の考え休むに似たり ( へたのかんがえやすむににたり )
よい考えも出ない人が、どんなに時間を掛けて考えても、
ただ時間を掛けるだけで何の効果も上がらないことから、まるで休んでいるのも同然だ、という意味。
23. 下手の道具調べ ( へたのどうぐしらべ )
24. 下手の長談義 ( へたのながだんぎ )
話の下手な人が長々としゃべって相手が迷惑すること。
また、話下手な人ほど、くどくどと長話をするものだということ。
25. 下手の横好き ( へたのよこずき )
下手なくせにそれが好きで熱心なことをいう。
【参考】 「下手の物好き」ともいう。
【例】 「あまり釣果はよくないですが、下手の横好きで、毎週釣りに行っています」