34. 罠に掛ける ( わなにかける )
計略をめぐらして、うまく相手をだます。
【例】 「もう次の手はないと見せて罠に掛け、相手が油断したところで奇襲作戦にでる」
【参考】 自動詞形 - 罠に掛かる
【類句】 罠に落とす
35. 罠にはまる ( わなにはまる )
相手の計略にまんまとだまされる。
【例】 「見事な敵の罠にはまり、味方はみんな戦意喪失してしまった」
【類句】 罠に落ちる
36. 罠を掛ける ( わなをかける )
相手を陥れようとして、計略をめぐらす。
【例】 「相手のしっぽを掴むため、巧妙な罠を掛ける」
37. 輪に輪をかける ( わにわをかける )
輪をかけた上にさらに輪をかけるということで、はなはだしく誇張することをいう。
38. 詫びを入れる ( わびをいれる )
自分の非を認め、相手に謝る。
【例】 「今回の件は私が全面的に悪かったので、先方には私が詫びを入れるつもりだ」
39. 笑いが止まらない ( わらいがとまらない )
予想以上に大きな利益を得るなどして、うれしくてたまらない様子。
【例】 「新規事業が成功し、笑いが止まらない、なんて言ってみたいものだ」
40. 笑い事ではない ( わらいごとではない )
第三者から見れば笑って済まされるようなことでも、当人には深刻な問題である様子。
【例】 「そんなことはどうでもいいと君は笑うけど、私にとっては笑い事ではない問題なんだ」
【類句】 笑い事では済まされない
41. 笑いは人の薬 ( わらいはひとのくすり )
ほどよく笑うことは体のためによいということ。
42. 笑いを噛み殺す ( わらいをかみころす )
笑い出しそうになるのを一生懸命こらえる。
【例】 「上司とカラオケに行き、あまりの音痴っぷりに、笑いを噛み殺すのに苦労した」
【参考】 「笑いを殺す」ともいう。
43. 笑う門には福来たる ( わらうかどにはふくきたる )
いつもにこにこしている人、笑い声の絶えない家には、自然と幸運がやってくる、という意味。
44. 草鞋を脱ぐ ( わらじをぬぐ )
元々、渡世人などが旅の途中で、その土地の親分の家などに一時身を落ち着けたことで、
長旅を終えて、身を落ち着ける。また、旅の途中で旅館などに宿をとる。
【例】 「全国を歩いて旅してきたが、もう遊んでいられる年ではないので、実家に草鞋を脱いだ」
45. 草鞋を穿く ( わらじをはく )
元々、渡世人や凶状持ちが追及の手を逃れるために長い旅に出たことから、諸国をめぐり歩く、長い旅に出る。
【例】 「全国の世界遺産を見て回ろうと草鞋を穿いた」
46. 藁にも縋る ( わらにもすがる )
追い詰められて苦しい時には、頼りにならないようなものまでも頼りにしたくなる、ということ。
【例】 「もう手の施しようが無いと言われたが、藁にも縋る思いでこの新薬を試してみた」
47. 藁の上から育て上げる ( わらのうえからそだてあげる )
「藁」は産婦の床に敷いた藁のことで、生まれ落ちたときから育て上げて一人前にすることをいう。
48. 割りが悪い ( わりがわるい )
他と比べて損な立場に置かれている様子。
【例】 「役職だからといって、サービス残業させられるなんて、全く割りが悪い」
49. 割り切れない ( わりきれない )
十分に納得できないところがあって、気持ちがすっきりしない様子。
【例】 「アクセス数はずいぶん増えたが、収益はまったく増えないので割り切れない思いだ」
50. 割に合わない ( わりにあわない )
苦労しただけの効果が上がらず、損になる様子。
【例】 「時間を掛けてサイトを作っても、収益が上がらないので割に合わない」
【参考】 「割が合わない」ともいう。
51. 割を食う ( わりをくう )
損な立場に立たされる。不利になる。
【例】 「今回のプロジェクトでは、私が割を食いそうだ」
52. 悪い親もいい子を望む ( わるいおやもいいこをのぞむ )
親は悪人でも、我が子だけはよい人間になることを望むものである。
我が子が立派な人間になることを願うのは、世の親の常であってたとえ悪人でも例外ではない、ということ。
53. 悪いことは重なる ( わるいことはかさなる )
しくじりだすと、何回も失敗することをいう。
54. 悪い虫がつく ( わるいむしがつく )
年ごろの娘に余り好ましくない男が近づいて、交際相手となる。
【例】 「父は悪い虫がつかないようにと、私を全寮制の女子校へ通わせた」
55. 悪いようにはしない ( わるいようにはしない )
決してそんなことにはならないようにするから自分に任せてくれと、相手を説得する時に用いる言葉。
【例】 「今度のイベントは私に任せてください。決して悪いようにはしませんから」
56. 我思う故に我在り ( われおもうゆえにわれあり )
自分は考えるが故に存在する。考える自我がすべての哲学の基礎である、という意味。
【参考】 フランスの哲学者デカルトの言葉。
57. われ面白の人困らせ ( われおもしろのひとこまらせ )
自分さえおもしろければ人は迷惑してもかまわないということで、
自分さえよければ、人はどうでもよいということ。
58. 破鍋に綴蓋 ( われなべにとじぶた )
破損した鍋にも、それに似合う繕った蓋があるということから、似通った者同士が結婚する。
誰にでも相応の配偶者がある、という意味。
59. 我に返る ( われにかえる )
意識を失っていた人が正常な意識を取り戻したり、何かに心を奪われていた人が本来の自分に返ったりする。
【例】 「勉強もせず遊んでいたが、ふと我に返ってみると試験が近いことに気付き、あわてて猛勉強した」
60. 我にも無く ( われにもなく )
日ごろの自分からは予測できないようなことをする様子。
【例】 「レンタルビデオを見ていると、我にも無く感動して泣いてしまった」
【類句】 我知らず
61. 割れものと小娘 ( われものとこむすめ )
いずれも注意しないと、とんだことになるということ。
62. われより古を作す ( われよりいにしえをなす )
先例にこだわらず、みずから道をきりひらいて先例を作り出すこと。
63. 我を忘れる ( われをわすれる )
何かに心を奪われ、自分の置かれた立場やなすべきことなどが意識されない状態になる。
【例】 「新作ゲームがおもしろ過ぎて、我を忘れて熱中した」
64. 輪をかける ( わをかける )
一回り大きくする、という意味で、一段と程度がまさる様子。
【例】 「お父さんも賢かったが、息子さんはさらに輪をかけて賢い」
65. 和を以て貴しとなす ( わをもってとうとしとなす )
何事をなすにも、人々相和して行うのが最も貴いのである。
【参考】 聖徳太子が制定した「十七条憲法」の第一条にある言葉。
66. 和を以て和を致す ( わをもってわをいたす )
国民のやわらいだ心によって、自然に生活も富裕になるということ。
【参考】 「漢書」の中にある言葉。
67. ワンクッション置く ( わんくっしょんおく )
事がうまく運ぶように、間に一段階を置いて当たりを和らげる。
【例】 「いきなり本題に入らずに、世間話などしてワンクッション置いた方がよい」